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お母さんはにこにこ笑っていてほしい

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それは本当に難しいことなのかもしれないけど、そうなっていければいいのですね。<br>
 
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お母さんはにこにこ笑っていてほしい

会報『ひききこり居場所だより』(2-23年8月号)
先日、ある不登校経験の高校生の話を聴く機会がありました。
彼は不登校の時の経験を、得意のドリップコーヒーを楽しんでもらいながら話すという活動をしています。
不登校をした時の理由や気持ちはなかなか言語化できないものです。なのに、親や周囲は理由が知りたくて「どうして?」「なんで?」と質問してしまいます。
しかし渦中にいる子たちはほとんどそれを言語化できませんし、もし話したとしても本質からはちょっとずれた回答しかしてこないことが多いようです。
その理由などは本人にもよくわかりませんし、ましてや親や周囲はもっとわかりませんよね。
その理由が自分でもわかってくるのはずっと後のことかもしれませんし、そんなことはどうでもいいことのように流れていくこともあるでしょう。

さてそんな彼に、ある方が「不登校で家に引きこもっていた時、お母さんにはどうしてほしかったの?」と質問しました。
親にとってはすごく知りたいことの一つですよね。 
   それに対して彼は、「お母さんには自分の不登校とは関係なくニコニコと笑っていてほしかった。
暗い顔をしているのを見ると自分のせいだと感じて苦しかった」と答えていました。以前全く同じことを ある不登校経験者が言っていたのを思い出しました。
親はどうしても自分の子供がつらそうにしていると心配で、自分も暗くなってしまいますよね。それでも、彼らは「自分の問題で親を苦しませているんだ」と、責任を感じてしまうのですね。子どもたちはけなげですね。
そして、「お母さんには同じ家に住んでいても『同居人だ』ぐらいに考えて、自分の事をしてほしかった。僕は僕の事をする。お母さんはお母さんのことをする。という感じで・・・」と語っていました。
これは親にとってはかなり難しい問題ですね。
つまりあれこれ心配でいろいろ手を出してしまうのですが、それをやるかやらないかは彼ら自身の問題であるわけですからそこを見守るのが必要ということなのでしょうね。あるお母さまが「私たち親は子どものサポーターになればいいんですね。やっと少しわかってきました。
サッカーのサポーターのように、彼らが一生懸命プレーするのを手が出せない観客席から応援するということなのですね」とおっしゃっていました。
それは本当に難しいことなのかもしれないけど、そうなっていければいいのですね。

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