太田勝己作品を展示する機会
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2023年3月27日 (月) 08:17時点における版
太田勝己作品を展示する機会
江戸川区内の寺院:円通院泉福寺で開く「ひきこもりと表現」に展示。
この17年間に太田くんの作品を展示・発表する機会は何度かありました。
彼の作品発表に促されて、不登校情報センターは「片隅にいる私たちの想造展」を4回開き、その場にいくつかの太田くんの作品を展示しました。
当時発行していた会報『ひきコミ』の表紙絵として使いつづけました。
2014年3月にはあゆみ書店名で『不条理ものまんが集——太田勝己の作品』を手製本として発行しました。
これらの機会はいずれも小規模なもので、彼の作品に特別の注目は集めることはありません。
松田はこの分野では素人ですからより事情のわかる人に見てもらいたいと願ったわけですが、それは少しも実現していません。
太田くんが好きだったというヘンリー・ダーガーのように、作者の死後その作品が注目されることを密かに期待しています。
おそらく彼はまずストーリー漫画家をいつかの時点でめざした時期があったと思います。
2002年7月ごろにできた「眠りイヌ」はその1つです。
それらの作品を収めたのが『不条理ものまんが集』です。
その後、1枚絵ともいえる「rain」を描き始めました。
はがき大の厚質の紙に、犬に似た作品を青一色でさまざまに書きました。
その作品は2005年秋ごろには1万点になるといいます。
整理するために番号をつけて分類され30数枚を一緒に表示した状態で撮影されています。
それらをダンボール箱に収めて、私が保管したままで、いつの日か陽の目を見るように思いつづけてきたわけです。
今回の作品展がどうなるのかはわかりません。
しかし多くの人の前に公表していかなければ、何かの次の展開はないわけです。
多くの人たちの目にふれること、できればこの分野で事情のわかる人に見てもらいたいと願っています。
それは偶然を待つことになります。
ヘンリー・ダーガーに比べることはできませんが、このような人知れずの創作者は多数います。太田くんはその一人ともいえます。
自分が受けとったモノ、コトを、自分の内側に蓄積するのはひきこもる人たちの特徴です。
その内側の世界の奥深さをひき出すのがいろいろな表現活動です。
それらを発表する場、発表する機会が今回の展示会です。
2023年1月