どちら様
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2022年5月14日 (土) 23:48時点における版
どちら様
近所の人から忘れられて驚く
皆さま、はじめまして。
20年以上ひきこもり経験者と毎日生活していた不登校情報センターの松田武己です。
昨年、ひきこもり経験者との生活で見聞きしたことをもとに『ひきこもり国語辞典』(時事通信社)という一冊の本をまとめました。
この連載では、“国語辞典”で紹介されている言葉から、ひきこもりとはどういう状態なのかなどについて、お話いたします。
「どちら様?」と聞かれたとき、私は冒頭のようなあいさつをします。
“国語辞典”にも「どちら様」という項目があり、10代の頃、学校に行けなくなった人のことが書いてあります。
その人は学校に行けないだけでなく人が怖くて外出もできなくなりました。
それでも数年後、少しずつ外出を心掛けて、夕方の人が途切れたのを見計らって本屋などに出掛けるようになりました。
不登校から10年以上たった、暖かくなったある日の午後のこと。
外出するために玄関で一息をついたとき、年配の人が突然「どちら様ですか?」と尋ねてきたのです。
小さいころから暮らす自宅の玄関先での「どちら様?」に驚きましたが、近所の人から忘れ去られるほど姿を隠してきた認識したそうです。
久しぶりに街に出ると、大きな変化を感じる人も多いのです。
*四月(あいさつ)