占冠村地域包括支援センター
2021年10月15日 (金) 14:40時点における版
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ページ名 占冠村地域包括支援センター 北海道占冠村()
こんにちは保健師です
■『ケアラー』の孤立化 周囲に支援を求めよう
『ケアラー』とは、介護や看病、療育が必要な家族や近親者を無償で支援する人のことです。
日本では増加傾向にあり、高齢化社会が進むとともにケアラーも増えていくことが予想されます。
今回はケアラーについてのお話です。
▽ケアラーのケア対象者
ケアラーのケア対象者は、高齢者に限りません。
障がい者や難病患者、病児・障がい児、アルコール依存症など広範囲にわたります。
なんらかの事情により、日常生活を送ることが難しくなった対象者の支援を行う人がケアラーです。
支援の内容も身の回りの世話、家事、外出時の介助・付き添い、感情面のサポートなど多岐にわたります。
▽ヤングケアラー
ヤングケアラーとは、一般に大人が担うケア責任を引き受け、家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子どもです。例として、
・精神疾患、アルコールやギャンブル依存症を抱える家族の対応をしている。
・慢性的な病気を抱える家族の看病をしている。
・障がいや病気があるきょうだいの世話をしている。
・目を離せない家族の見守りや気づかいをしている。
・障がいや病気のある家族の身の回りの世話や入浴、トイレの介助をしている。
・大人の代わりに幼いきょうだいの世話をしている。
・家計を支えるため、障がいや病気がある家族の代わりに働いている。
・病気の家族の代わりに家事を担っている。
といった内容が当てはまります。子どもの頃からこのような生活が続いていると、自分がケアラーであることに気づいてない場合もあります。
▽ケアラーが抱える課題
近年はヤングケアラーが増えてきた現状もあり、介護される側だけではなく、介護をする立場のケアラーにもさまざまな問題が発生してきています。
「長時間の介護によるストレス」
ケア対象の多くは父母や祖父母、配偶者などの家族で、1日中付き添っている場合、自由な時間がとれず、ストレスだけが蓄積していきます。
こうした状況になると心身のバランスを崩してしまう恐れがあります。
「社会的孤立」
ケア対象者の介護のため、定職につけないというケアラーも珍しくありません。
そのため、経済的負担や社会的なつながりが断たれ、社会から疎外感を感じる人もいます。
よく聞かれる『介護うつ』は孤独感からくることが多いと言われています。
「ヤングケアラーの増加」
増加の要因は晩婚、高齢出産が進む中で子どもが成人する前に親が介護を必要とする状態になったり、仕事で忙しい両親に代わり、子どもが祖父母の介護を担うケースなどがあります。
「介護疲れが原因の事件」
介護疲れが原因で起きた事件は年々増加傾向にあります。
事件の特徴は、被害者だけではなく、加害者側にもなんらかの健康問題があり、一人で介護していたケースが多く見られます。
最悪な事態を避けるために、何らかの支援を受けることが鍵になってきます。
▽周囲に支援を求めよう
日本では介護が必要になった際に「家族が面倒を見るのが当たり前」という考え方が根強くありますが、家族だけで介護を続けることには限界があります。
介護する側・される側になることは誰しもあることです。
自分に起きることを想定して、普段から家族と介護が必要になったときはどうするか、どこに相談すればいいのかなどを話し合ったり、調べておくことをお勧めします。
相談先:占冠村地域包括支援センター(占冠村役場福祉子育て支援課)
【電話】56-2022
〔広報しむかっぷ 2021年9月号〕