はじめまして 助走の場を紹介します
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+ | 部活や勉強時間などの学校生活に支障が出たり、進学をあきらめざるを得ない、自分の時間が取れず友だちと遊んだりできない、誰にも相談できなくてストレスをため込んでしまうなどそで過度な負担となってしまい、人間として基本的な資質を養う大事な時期がそのことで費やされるのは避けなければなりませんね。 | ||
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+ | 家庭内の家事や下の子の世話の手伝いなどはこれまでもあったし、当たり前とも認識されてきました。そういう子供たちは「えらいね。」などのほめことばは時々周囲から受けていたでしょう。でもそれが常態化してきて、やるのが当たり前になり徐々に負担も増えてきても、もう声を上げることができなくなて追い詰められていく事が心配です。社会が子供たちの「家族を助けたい」という気持ちから始まったであろうことでもそこによりかかっていいのでしょうか? | ||
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+ | 家族の問題は家族で解決するのが当たりまえという社会の通念は本当にそれでいいのでしょうか? | ||
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+ | 核家族化で家族の孤立化が進み、「助けて」とか「困っています。」の声のあげられない社会になっていく事がとても心配です。 | ||
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+ | この「ヤングケアラー」の問題はイギリスでは1990年代から社会問題し、対策が進められています。日本でもやっと埼玉県が全国に先駆けて「埼玉県ケアラー支援条例」を出し、対策に乗り出しているそうです。 | ||
+ | まずは私たちがもっと関心を寄せていく事で少しずつでも彼らの状況が改善していってほしいものです。 |
2021年5月27日 (木) 08:08時点における版
はじめまして 助走の場を紹介します
松村淳子 (NPO法人助走の場・雲)
現在、新宿区高田馬場で不登校引きこもり状態の青少年とそのご家族のフォローをさせていただいています。
主な活動としては、毎週日曜日の午後に不登校や引きこもり経験者の居場所としてフリースペースを開催しています。
https://josounobakumo.wixsite.com/freespace
このフリースペース、いつの間にか始めてから10年になります。
もともと不登校の親御さんの相談室をしていたのですが、親御さんと本人の間でお互いの立場や感情を認め合い徐々に雪解けしてきて、家庭の中での関係が安定してくるといよいよ次の段階で、外の世界にそろそろと足を踏み出そうかというエネルギーも出てきます。
ところが、せっかくのそのエネルギーの充実も、すぐに外の世界に適応するためにはもう少し時間と経験が必要という場合もあるようです。
そこで、次の段階として本人が家庭と社会の中間手地点で社会に出るための予行演習をする中間地点とでもいいましょうか、ほんのちょっとのアウェー感を感じながらも安心して過ごせる居場所づくりを目指したのです。
現在の利用者は、中学生が1人、以前から通ってきて大学生になったのが2人、そしてフリースペースには来ないまでもスタッフが主に訪問をしている青年が一人というこじんまりした所帯です。
スタッフは主に現役の大学生ボランティアです。
自分も過去に不登校になった経験があったり、人間関係や不登校に関心がある学生達です。
現在は利用者(パートナーと呼びます)も大学生となり、スタッフとは年齢の近い友人として仲間として人間関係を築くに至っています。
学生スタッフにとってもこの「雲」が居場所となっているのはうれしいことです。
実は彼らも大学生にはなっていてもパートナーと近い感情や何となくの生きづらさを抱えている人たちのような気がします。
彼らも大学では一人の青年として孤独を味わったり、人間関係で悩んだりする普通の青年です。
彼らはスタッフとしてパートナーのことを中心に考え、助けになることを相談したり、自身が壁にぶち当たってお互いの悩みを打ち明けあったりと、試行錯誤しながらも活動してくれています。
でも、自分以外の人の為に良かれと思うことを考えたり実行したりすることにより、学生たちもこの場でパートナーに成長させてもらっていて、それが思いもしなかったことですが成果にもつながっているようです。
以前学生が「この場で育ちあう」と表現してくれましたがその通りではないでしょうか。
今回はざっと大まかな活動のお話でしたが、
もしまた機会があれば「雲」を巣立った人々、不登校情報センターと共催させてもらっている、主に青少年の不登校引きこもりの親御さんの会「セシオネット親の会」でのことなどを プライバシーに十分配慮したうえでお伝えできたらと思っています。
それでは今回はこの辺で。
ヤングケアラー
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものことです。
病気の親や幼い弟妹、高齢者の世話や家事、障害のある親や兄弟の世話、日本語が話せない外国人家族らの通訳など多岐にわたっています。
今年四月に国が初めて調査をしたところ、公立中学校の2年生、公立全日制高校の2年生の各クラスにヤングケアラーが1人から2人いることがわかりました。(約17人に1人)
ケアをすることで年齢の割には高い生活能力や病気や障害への理解、思いやりなどその子たちのプラスの面もあることでしょう。しかしこれが少子高齢化や地域のつながりの希薄化、貧困の拡大など社会的な条件により「お手伝い」の域を超えて彼らの負担が大きくなってきている現状が問題です。
部活や勉強時間などの学校生活に支障が出たり、進学をあきらめざるを得ない、自分の時間が取れず友だちと遊んだりできない、誰にも相談できなくてストレスをため込んでしまうなどそで過度な負担となってしまい、人間として基本的な資質を養う大事な時期がそのことで費やされるのは避けなければなりませんね。
家庭内の家事や下の子の世話の手伝いなどはこれまでもあったし、当たり前とも認識されてきました。そういう子供たちは「えらいね。」などのほめことばは時々周囲から受けていたでしょう。でもそれが常態化してきて、やるのが当たり前になり徐々に負担も増えてきても、もう声を上げることができなくなて追い詰められていく事が心配です。社会が子供たちの「家族を助けたい」という気持ちから始まったであろうことでもそこによりかかっていいのでしょうか?
これを読んでいる方の中にも「そういえば自分もそうだった。」と思い当たる方もいるのではないでしょうか。 思い出してみると自分が小学高学年のころ母がいなかったので中学生の姉が家事全般をやってくれていました。(その後父が再婚し、姉の「中学生主婦生活」は2年ほどで終わりましたが) 当時はそういうものだと思っていましたが、今思うと中学生の肩に家事の重圧はかなり辛かったことでしょう。どんな思いでやっていたのでしょうか?聞いてみたらきっと 「だって私しかいなかったから仕方なかった。」と言うことでしょう。 でも、それでいいのでしょうか? 家族の問題は家族で解決するのが当たりまえという社会の通念は本当にそれでいいのでしょうか? 近年とみに増えている児童虐待の問題もひきこもりの問題も、DVの問題も、様々な家族の問題は「家族が解決するべきだ。」として押し込めてしまうことでいいのでしょうか?
核家族化で家族の孤立化が進み、「助けて」とか「困っています。」の声のあげられない社会になっていく事がとても心配です。
この「ヤングケアラー」の問題はイギリスでは1990年代から社会問題し、対策が進められています。日本でもやっと埼玉県が全国に先駆けて「埼玉県ケアラー支援条例」を出し、対策に乗り出しているそうです。 まずは私たちがもっと関心を寄せていく事で少しずつでも彼らの状況が改善していってほしいものです。