ひきこもりへの対応策
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ひきこもりは病気ではありません。<br> | ひきこもりは病気ではありません。<br> | ||
ひきこもる期間が長くなると孤立感・疎外感、不眠、運動不足、自己否定、性格や気質の特質…などにより身体症状が出ることがあります。<br> | ひきこもる期間が長くなると孤立感・疎外感、不眠、運動不足、自己否定、性格や気質の特質…などにより身体症状が出ることがあります。<br> | ||
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そのなかで周囲から要求されるのが当事者の努力や行動することです。<br> | そのなかで周囲から要求されるのが当事者の努力や行動することです。<br> | ||
ある場面・ある時点ではその必要性は高まりますが、大事な点は別にあります。<br> | ある場面・ある時点ではその必要性は高まりますが、大事な点は別にあります。<br> | ||
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同じ例は、ひきこもりについてもいえます。<br> | 同じ例は、ひきこもりについてもいえます。<br> | ||
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短期間での解決を図ることは、もろくて元に戻りやすい点も忘れてはなりません。<br> | 短期間での解決を図ることは、もろくて元に戻りやすい点も忘れてはなりません。<br> | ||
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スタートできるのはその勇気かもしれません。<br> | スタートできるのはその勇気かもしれません。<br> | ||
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2018年8月15日 (水) 07:12時点における最新版
ひきこもりになる理由と対応・もくじ
(1)感覚の繊細性と発達障害
(2)虐待・いじめと押し付け(しつけ)
(3)ひきこもりの状態像
(4)ひきこもりへの対応策
ひきこもりへの対応策 ひきこもりになる理由と対応(4)
-段階的スロープ型で対応し前進するものー
長い期間、多数のひきこもり経験者とつきあってきました。
対応についての単一の方策はなさそうです。
人によって要因が異なり、その状態はまちまちであり、求めるものや方向もさまざまというのが1つの理由です。
他にもっと大きな理由がありそうですが、それを上手く表現できません。
それでも外形的にわかることがいくつかあります。
ここではそのうち重要な3つを紹介しましょう。
(1)対応を医学・医療中心から対人関係つくりにウェイトを移す
ひきこもりは病気ではありません。
ひきこもる期間が長くなると孤立感・疎外感、不眠、運動不足、自己否定、性格や気質の特質…などにより身体症状が出ることがあります。
それらが精神的な障害につながることはあります。
しかし、初めから病気の扱いや怠け扱いは間違いであり、さらに大きな困難に追い込むことになります。
中心とする対応は、対人関係づくり、社会的な関係づくりです。
対人関係づくりとはいえ、当事者個人の動きや意思で何とかなるものはむしろ少ないです。
家族関係、友人関係、あるいは地域社会や職場や学校の環境が影響する場合もあります。
それらを改善することと結びつけた対人関係づくりと考えた方がいいと思います。
このように範囲が広いとどこから手を付けていけばいいのかわかりません。
しかし、一人ひとりについてみると傾向は絞られてきます。
それがわかるまでに時間を要するのです。
しかも、このわかるまでの過程が大事だと思います。
その過程に人との関係がつくられ始めるのです。
何かの検査で一瞬にしてわかっても手掛かりはまだないからです。
(2)当事者に「変わる」よう求めるのを優先しない
そのなかで周囲から要求されるのが当事者の努力や行動することです。
ある場面・ある時点ではその必要性は高まりますが、大事な点は別にあります。
当事者に「変わる」のを求めるのではなく、むしろ周囲に理解と具体的な協力を求めることです。
家族の対応はこれまで通りでいいのか、適切とは言えない友達関係におかれていないか、学校や事業所の環境はいいのか…など。
ひきこもりの人がとらえている(人間関係を含む)周囲の状況は、ほかの人が気づかないゆがみや不正常を感知していることがあります。
その感度のよさがひきこもりの背景になっていることは少なくありません。
その感覚のよさを生かすスタンスで周囲の状況を見直してみることが大事です。
思わぬ問題を摘出することがあります。
子どもが不登校になることによって家族の問題が浮かび上がり、その改善が子どもの不登校を解消するとともに、家族関係を改善したという例はよくあります。
同じ例は、ひきこもりについてもいえます。
(3)段階的スロープ型の対応と前進
短期間での解決を図ることは、もろくて元に戻りやすい点も忘れてはなりません。
「自立してくれればいいだけです」といわれることがあります。
この言葉は人が自立するまでにどれだけの期間が必要かをまるでわかっていない証拠です。
どれだけの内容があるかを軽視している証拠です。
30代になった、40代になったひきこもりの人が自立するのにどれだけの時間と内容が求められるのか。
小学生から自立の過程を考えるような典型的なコースがあるわけではありません。
一人ひとりその過程は異なります。
それを自分で模索しながらたどるのです。
そこに求められるスタンスは 段階的スロープ型の対応と前進です。
そのスタンスは周囲の人ばかりか当事者にも求められるのです。
おそらくは認知行動療法的といえるでしょう。
それは苦しいことかもしれません。
見方を変えるなら、ひきこもっている彼ら彼女らの社会的な役割でもあります。
彼ら彼女らの苦行こそが社会を変える移行過程を示すともいえます。
その原動力の一つになるとも思えるからです。
ある意味でいきづまっている社会をどう突き抜けるのかを示しています。
それは天才的な一人ではなく、いろいろな困難を持ちながらあがいている人たちの努力によってできるのではないかと思えます。
ひきこもり経験者は不思議な存在です。
支援を受ける側にいたはずなのにいつの間にか支援者側にいる人が多くみられます。
そういう可能性や潜在力が多いのがひきこもりです。
そういう人たちの地道な動きを注視しています。
はじめから動くのをあきらめていては苦行も始まりません。
苦行を始めるには協力者がいります。
協力者なしでこの苦行を続けることは難しいからです。
「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」と言いたいです。
スタートできるのはその勇気かもしれません。
その求める人は100%の人ではありません。
それでいいのです。
今回で「ひきこもりになる理由と対応」4回シリーズは終えます。