子どもの生活調査・大阪市
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2017年11月24日 (金) 21:41時点における版
子どもの生活調査・大阪市
所在地 | 大阪府大阪市 |
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子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会
■昨年の夏、大阪市は小学校5年、中学校2年、5歳児のいる約5万6000世帯を対象とした大規模な「子どもの貧困調査」を実施しました。
回収率は76.8%という高い数字となり、その結果が注目されていました。
4月13日、大阪市は、「子どもの貧困調査報告書」を公表しました。
大阪市の結果は、同時期に行われた大阪府内全体の調査と比べても経済的状況が厳しくなっていることが明らかとなりました。
中でもひとり親世帯や10代で出産した親の困窮が深刻化しています。
世帯の家計状況では、「赤字である」と回答したのは、母子世帯で約4割に上っています。
その背景には非正規雇用や「ワーキングプア」問題があり、「経済的安定をどう図るかは喫緊の課題」と指摘しています。
困窮度が高まるにつれて、子どもは「朝食を毎日食べていない」「家族と一緒に食事を取らない」「学校に遅刻する」などの割合が高く、
保護者も「ねむれない」「不安な気持ちになる」「イライラする」などの割合が高くなっています。
保護者の経済的な困窮が心身の不安定さをもたらし、それが子どもたちの心身や生活に結びついていることがはっきりと見てとれます。
また、生活保護制度や就学援助制度、児童扶養手当が、困窮度の高い世帯に十分行き届いていないことも明らかとなりました。
■私たちは今年の1月、13項目にわたる「子どもの貧困対策に関する大阪市への要求書」をまとめ、大阪市に提出してきました。
今回あらためて「子どもの貧困報告書」をじっくりと検討し、今何が必要なのか考えていきたいと思います。
そして「大阪市への要求書」を再度まとめ直し、次年度の予算化に向けて取り組みを開始したいと思っています。
ぜひ、多くの皆さんの参加をよろしくお願いします。
〔貧困ネット 2017/5/14 大阪教育研究会の伊賀正浩〕
貧困で学習理解度低下 大阪市が分析結果公表
大阪市は13日、「子どもの貧困」に関する実態調査結果を分析した報告書を公表した。
世帯の経済状況が厳しいほど学習理解度が下がる傾向がみられるとともに、母子世帯の困窮度が高いことが明らかになった。
吉村洋文市長は「福祉ではなく将来への投資」として大学や経済界とも協力して対策を検討する考えを示した。
調査は昨年6~7月に市立中2年と同小5年の生徒・児童と保護者、5歳児の保護者5万5766世帯を対象に実施し、回収率は76・8%。
報告書によると、大阪市の相対的貧困率は小5・中2のいる世帯は15・2%、5歳児のいる世帯は11・8%となった。
相対的貧困は、全世帯を可処分所得の順に並べた際の中心にくる所得額の半分以下で生活を強いられている状態。
報告書では、大阪市の中央値は238万円で、困窮度を4段階に分類。
可処分所得が低いほど二人親世帯が減り、母子世帯では相対的貧困が53・3%に上った。
困窮度別の学習理解度を見ると、「ほとんどわからない」と回答した子どもの割合は可処分所得が低いほど増加しており、「世帯の経済状況が学力に直結」(吉村市長)している現状が浮き彫りになった。
吉村市長は「親への支援が必要だがどこまで広げるか、どう将来投資していけるか」とし、5月開催の会議で大阪教育大や関西経済同友会を交えて支援策を検討したい考えだ。
〔◆平成29(2017)年4月15日 大阪日日新聞 朝刊〕
「子どもの貧困対策」支援 大阪市予算案
「子どもの生活に関する実態調査」の結果を本年度中にとりまとめる大阪市は「学習習慣の定着」や「居場所づくり」など子どもの貧困対策として新年度予算案に2億4800万円を計上した。
吉村洋文市長は「できることから実施し、平成30年度から本格実施する」と力を込める。
「学習習慣の定着」では小学校への指導員配置による学習支援、不登校防止策としての登校支援などを行う。
「居場所づくり」では子どもの居場所(こども食堂)の設置や区役所へのアドバイザー配置をサポートする。
生活困窮者が多く、子どもの抱える問題が深刻な西成区では「こども生活・まなびサポート事業」(1500万円)を4月からスタート。
中学校区を1エリアとして、中学校と小学校2校にこども生活・学びサポーターを、中学校にエリア管理者を1人ずつ配置する。初年度は1中学校区でモデル実施し、生活習慣や学習習慣の定着を図る。
こども・生活学びサポーターは「教員経験者など児童生徒やその保護者との意思疎通を円滑にできる人」を採用し、登校や学習を支援。
エリア管理者には、大学で児童福祉や社会福祉などの専修学科を修了した人や医師、社会福祉士などの資格が必要で、事業全般の統括や困難事例へ対応する。
モデル校区の梅南中の高井利久校長は「人選が重要。年齢や性別でなく、人柄を重視して選んでほしい」と話す。
食を通じただんらんで居場所をつくる「こども食堂」の支援事業(400万円)では、新規開設を促す備品購入費への補助、食材提供者やボランティア協力者間のネットワーク化の支援を行う。
2014年から「にしなり☆こども食堂」を運営する川辺康子さんは「現場ごとに必要なものが変わるので、何が必要か聞いてほしい」と期待する。
〔◆平成29(2017)年2月17日 大阪日日新聞 朝刊〕
大阪市:子ども貧困対策2.2億円 来年度予算方針
子どもの貧困対策を進める大阪市は28日、2017年度に取り組む重点19事業をまとめた。約2億2000万円の予算計上を見込む。
市は、約6万世帯を対象に実施した生活実態調査の結果を分析中で、来年3月に出る詳細結果を基に18年度から本格的な対策を実施する予定だ。
今回は速報値を基に、子どもの放課後の居場所作りや学習支援など、先行して取り組む重点事業を取りまとめた。
区ごとでは、平野区が子ども食堂の開設・運営の相談支援のほか、宿題の進捗(しんちょく)を見る「宿題見守りサポーター」を派遣。
東淀川区では地域団体などが居場所を開く際、人材確保や財源面などを助言できる専門機関をつくる。
西成区では遅刻や不登校、欠食や虐待などに対応するため、小中学校に配置された支援員が電話や訪問もするモデル事業を実施する。
市全域としては、DVや経済的困窮で母子生活支援施設に入った母と子を退所後も支援。
施設職員が訪問し、学習支援の場に子どもが行けるようにすることなどを助ける。
(◆平成28(2016)年12月29日 毎日新聞 大阪朝刊)
子どもの貧困:「医者に行けない」1.3% 来年度から対策 大阪市調査
子どもの貧困について初の実態調査を進めている大阪市は30日、調査結果(速報値)を発表した。
小中学生の保護者のうち1・3%(358人)が、経済的な理由で「子どもに医療機関を受診させられなかった」と回答。
保護者の経済状況が子どもの健康に影響している可能性が示唆された。
市は調査結果の詳細な分析を進める一方、新たな対策に順次着手する。
◇「食費切り詰めた」4割
調査は6~7月、市立校・園に在籍する小5と中2の児童・生徒、5歳児の計5万5776人を対象に実施し、回答率は77・6%(4万3275人)。
質問は、家族構成や保護者の年収、就労状況、子どもの生活習慣や学習環境など各30~40項目で子どもか保護者が回答する。速報値の一部は15日に公表している。
経済的な理由で、子どもに医療機関を受診させられなかったと回答したのは、小5で1%(151人)、中2で1・5%(207人)。
大阪市は0~15歳の子どもを対象に、保険診療が適用された医療費の自己負担額を一部助成する制度がある。
12歳までは所得制限を設けていない。
「学習塾に通わせられなかった」のは小5で10・6%(1537人)、中2は11・9%(1594人)。
「習い事に通わせられなかった」割合は、小5、中2ともに12%台だった。
小中学生の保護者で、経済的な理由から「食費を切り詰めた」と答えた人は4割超。
「国民健康保険料の支払いが滞ったことがある」は全体の7・7%(2137人)だった。
前年1年間の家計を聞いたところ、「赤字」は5歳児で25・4%▽小5で25・6%▽中2が31・1%――で、就学年齢が上がるにつれて増加。
いずれも約6割の世帯が、それまでの貯蓄を切り崩して対応していた。学習面では、学校の勉強が「よく分かる」は小5が32・7%(4743人)、中2は13・1%(1752人)。
単純比較はできないが、内閣府による2013年度の小4~中3の意識調査平均を小学生で25・7ポイント、中学生は23・1ポイント下回った。
詳細な分析は来年3月にまとまる予定で、市は18年度から本格的な対策に乗り出す。
ただ、速報値で浮上した課題は来年度から先行して施策を始める。
◇給食費未収も1.3%
公立小中学校では授業料はかからないが、給食費や学用品費など家計への負担は存在する。
大阪市教委によると、市立小中学校の給食費は1人あたり月額約4500~6000円。
未収率は2014年度が1・0%、15年度は1・3%だった。
市教委は、経済的な理由から給食費などの負担が困難な家庭には就学援助制度を紹介している。
市内の公立小中学生で、就学援助を受給している割合は29・5%(13年度)。
全国平均15・68%を大きく上回る。こうした背景から、大阪市は独自に大規模な実態調査を実施。
吉村洋文市長は30日午前、市役所であった「こどもの貧困対策推進本部会議」で
「できるところから来年度予算でも施策を実施していきたい」と述べ、対策事業の検討に入るよう関係局長らに指示した。
家庭で食事を満足に取れない子どもたちに居場所を作る「こども食堂」を運営しているNPO法人「すみのえ育(はぐ)」(大阪市住之江区)の伊達美寿保(みずほ)理事長は
「調査の時期が早いとは決して思わないが、行政が現状の把握をすることには大きな意味がある」と評価する。
〔◆平成28(2016)年9月30日 毎日新聞 大阪夕刊〕
小中学生「朝食抜き」12% 中2「家で勉強せず」13%
◇大阪市、5.5万人実態調査概要
大阪市は15日、市内の小中学生や幼児約5万5000人を対象に実施した「子どもの貧困」実態調査の結果概要(速報値)を発表した。
週2回以上、朝食を食べない小中学生が12・7%(3558人)、夕食でも1・4%(387人)いたほか、放課後に一人で過ごす小中学生も2割近くに上った。
市は専門家によるデータの詳細な分析を進め、来年度以降の新たな対策に生かす。
調査は6~7月、市立校・園に通う小学5年、中学2年、5歳児と、その保護者らが対象。生活・学習環境、保護者の年収や就労状況について、各30~42項目を質問した。
回答率は77・6%(4万3275人)。この日は小中学生(2万8206人)の食事や学習時間、放課後の過ごし方に関する6項目のみ公表された。
朝食を「一日も食べない」とした子供は549人。
小学生は161人(1・1%)、中学生は388人(2・9%)で、2015年度の全国学力テスト(小6、中3が対象)に合わせて行われた調査の全国平均より小学生は0・2ポイント、中学生は1ポイント高かった。
夕食は「週3回まで」が81人、一日も食べない子供も18人いた。
放課後に「父母や祖父母、親戚などと過ごす」子供は57・4%で、17・8%は一人で過ごしていた。
家庭での勉強は「全くしない」が小5は6・8%、中2は13・6%で、いずれも全国平均の2倍以上だった。
吉村洋文市長は「家庭で夕食を食べられず、勉強を全くしていない子供が多いのは問題」と指摘。
地域で夕食を無償提供する「子ども食堂」への助成や無料塾などの対策を検討し、来年度予算に盛り込む考えだ。
〔◆平成28(2016)年9月16日 読売新聞 大阪朝刊〕