楽しみも希望もない50年を超えて
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私の50年は何だったのでしょうか?<br> | 私の50年は何だったのでしょうか?<br> |
2017年11月24日 (金) 15:05時点における版
楽しみも希望もない50年を超えて
自分にウソをついては生きられません
墨川みよ(PN、2017年11月)
私の50年は何だったのでしょうか?
心の苦しみと闘い続け、異常なほどの自己評価の低さ、まるで社会性がなく、何の楽しみも希望もない、生きていることがただただ辛いだけの人生でした。
病気などで死ねる人をうらやましいと思いました。
自分の性格ばかり責めていました。どうして人と同じように思えないのだろう。
ドツボの中から抜け出せず、長いことひきこもっていました。
宗教や精神科、催眠療法、薬など…。
50歳近くにこれは性格のせいではなく、育った環境だということがわかった本に出合いました。
『自分に気づく心理学』『愛されなかった時どう生きるか』です。
加藤諦三著、PHP研究所。
初めて一つ一つが自分のことだと思え、初めて心を理解してもらえた気がしました。
幼いころ(2~3歳)に我慢して生きてこなかったか?
私は妹と丸2歳離れています。
下に妹ができて、それだけでも親を取られた気がするのに、おじいさん、おばあさんの部屋でずっと寝かされたのです。
嫌なのに嫌と言えない、それをうれしいことだと思わなくてはいけない。
嫌だと思う心を誰も理解してくれない日々の中に心が破壊されてしまったのです。
誰も辛い気持ちを察して助けてくれない、親に愛されたいのが本能なので、我慢します。
ものすごく良い子になって愛されようと思いました。
我慢強く、言うことをよく聞く、良い子になって、自分の感情は絶対出してはいけないと思いました。
親の顔色ばかりみているアダルトチルドレンです。
親に甘えることはできません。見捨てられる恐怖です。
親への依存心だけの人間、人に良く思われたい中毒なので、親に奉仕します。
奉仕することでバランスを保つのです。
自我というものがいっさい成長しません。
自分が大嫌いな人間、自己評価の極端に低い、へんな人間に成長していきました。
学生のとき、居るか居ないかわからない人と言われました。
伯母さんに笑顔のない子だねって言われました。
本当に自分を守ることでせいいっぱいで苦しくて苦しくて笑ったことなんてなかったのです。
当然、利他的になれません。
そしていろいろ大変でした。1年間立ち上がるのがやっとのこともありました。
私はこの世に生まれ変わりました。
自分自身で心を育てなおし、生まれ変わったのです。50年近くで。
やっと生きた心地がし、人と対等に話ができ、人と接することは楽しいことなんだと初めて思えました。
自己主張しないからこそ嫌われ無視され、いじめられていたのがわかりました。
世の中には心を理解してくれる人がいるんだ、自己主張しても嫌わないで受け入れてくれる人がいるんだと初めて思えたのは驚きでした。
「人はけして嫌わないし長所を見つけることが好き 人と心が触れ合えば依存性から自立性へと成長できる」
の言葉が信じられるか否かにかかっています。
「他人と共に居ることを恐れてはいけない」 人をさけないでいうとやさしい人に出会える。
誰も私と一緒にいることなど喜んでくれない、小さなころ人は心を理解してくれない、
自分を出してはいけないと情報不足の中で決め込んでしまったのです。
また自分を解き放つのも自分でしかないのです。
ほんの少しずつ身近な人たちに「いやだ、やめて」という感情表現が出せ、それを他人が聞いてくれ、受け入れてくれる体験を通して、これでいいんだと少しずつ実感していきました。
人の言葉や態度に怯えたり傷つきやすかった心、生きている実感がなく、地に足がついていないような感覚。
人と違う、私はダメだ、生きている価値がないという劣等感もとれてきて、心の底に少しずつ力強いものがわいてくる感じでした。
「自分が大嫌いなだけ、いままでも人の好意はあったのにそれを感じ取る能力がなかったのだ」
何よりも自分のことばかり四六時中考えている自分から解き放され、何も考えなくなれたのは救いです。
勉強や趣味や人づきあいにストレートに楽しめるようになりました。
自分でない自分を装う自分から自分自身でいつづけることができるようになりました。
脳や心は2~3歳までに95%発達してしまうそうです。
幼いころ、親の愛情を受けそこなった人は一生、精神病で苦しむ、心を理解されない幼い日々の中、人が心を理解してくれるのは絶対ないし、信じられないことと思いこんで自分を殺して生きてきたのです。
ドイツでは犬も生まれて8ヶ月(?)未満に親から引き離すことを法律で禁じているそうです。
人を威喝にしか思えず、吠えてばかりいる犬になってしまうそうです。
ありのままの自分を出し、それを受け入れてもらったとき、人はこれで生きていけるという力がわいてきます。
大変でしたけど依存心からの苦労をいやというほど味わい尽くしました。
この無駄苦労を、同じ苦しみを味わっている人を助けられたらと思っております。
子どもが(親に)甘えてこないのは危険信号です。
安心感がなくては子どもは甘えられないのです。
自分に気づくこと、気づかなければ何か始まりません。
人にウソをついても生きられますが、自分にウソをついては生きられません。
いま私は生きている喜び、幸せをかみしめています。68歳です。