引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(1)
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2017年7月10日 (月) 19:32時点における版
引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(1)
先日の引きこもりの親の会(大人の引きこもりを考える教室)では、数年にわたり外出をしない30代の引きこもりへの対応がテーマになりました。
「親子の関係を改善しながら本人から動きだす時期を待つ」のとは別の方法が導入されないと、時期を失してしまう心配があります。
私にとってもこれという成功談は紹介できませんが、不完全実践を書いてみます。
初めに不登校情報センターのサイト内に「データ・不登校・引きこもりをこえて」ページからの引用です。
30代に入った当事者の気持ちを集めたページからいくつか紹介します。
〔20代全体を通して引きこもり〕
・生きている意味が分からなかったこと。外に出ることがこわかったこと。(23~31歳に3回合計9か月の引きこもり、33歳男)。
・先が見えないこと。身近な人の無理解。(20歳~引きこもり気味、33歳女)。
・家から出られないこと。働けないこと。布団から出られないほど気が沈むこと。(24歳~現在まで引きこもり、33歳女)。
・金銭的なこと。自己否定の念が強いこと。体力・体調面がすぐれなかったこと。(21~30歳引きこもり、31歳男)。
・自分に自信が持てなかった。友人と連絡が取れなかった→疎遠になった。毎日が情けなかった。(25~29歳引きこもり、30歳男) 。
・たくさん働くことができない。働く場所を選ぶ、みつけることがなかなか大変。自己評価がとても低いのでつい敏感になってしまう。
親から受け入れられず、ここを治せという内容ばかりの手紙。
すべてに対して敏感で、過剰反応が自分の中でおこる。それを表現することもはばかれる(抑制する)。
→さらに苦しい。(29~31歳引きこもり、37歳女)。
・孤独感。将来への不安。(19~30歳引きこもり、31歳女)。
・周囲の偏見。友人ができない。もっと友人と遊びたかったですね。(14歳~不登校・引きこもり、33歳男)。
・周囲の叱責、無理解、レッテル貼り。(13歳~不登校・引きこもり、37歳女)。
・自分にはみんなが体験するような青春を体験できなかったこと。自分に自信がもてないこと。人とのつながりとは何かが自分でもわからなくなること。(判別不能、40歳男)。
・過呼吸。父と母の関係(DV、虐待)。(31歳女)。
・この歳になって冷静に考えてみるに、
①母と祖母(嫁姑)、また祖父との確執。
②父母との不仲(小学校時代より、父が帰宅しなかったり、母が実家に帰ったりの日々)。
③家族間のぎくしゃく(妹も父母に反発)。
自分自身の悩みにとどまらず、両親の不仲をはじめとした家庭内のぎくしゃく。
貝殻の中(家の自室でもあり、己の中でもあり)に閉じこもってしまうと、どんどん平衡感覚がなくなり、自分が自分であることの意識が遠のいていくこと。(50代女)。
これらの人は私が関わって引きこもりから抜け出そうとしたのではありません。
経過はわかりませんがいろいろでしょう。
10年にわたる長期の本格的な引きこもり当事者はあまりいません。
それでも引きこもり生活に共通する苦痛が現われています。
引きこもり生活をこのように話せることは、外出や人との接触がその精神的・身体的な状態からの解放(どれだけ意識していたかはとりあえず保留して)になります。
その後には次の苦難があったことは容易に想像できますが、一歩踏み出した人たちの言葉です。
引きこもり状態を続けることとは、このような苦痛を続けるのに我慢できるか、苦痛を感じる程度が低いか、さらには何らかの楽しみを見つけているのかもしれません。
誰もが引きこもり生活に「困っている、抜け出したいと思っている」というのは推測の域を出ないことです。
少なくとも引きこもり生活とそれによる精神的な圧迫感とのバランスを図ろうとしていると推測できます。
ここにどう働きかけるのかは私には実践を振り返るしかないのです。
①引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(1)
②引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(2)
③引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(3)
④引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(4)
⑤引きこもっている当事者に“強制的な外出”を促す方法(5)