新潟風テラス
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2017年6月3日 (土) 18:51時点における版
新潟風テラス
所在地 | 〒950-2072 新潟県新潟市西区松美台8-69 一般社団法人ホワイトハンズ事務局 |
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風俗店に弁護士ら派遣「風テラス」 女性に公的支援利用促す
性風俗店で働く女性に法律や生活面のアドバイスを――。
経済的に困窮する女性らの職場に弁護士や社会福祉士が出向き、相談に乗る取り組みが動き出した。
性風俗店の女性の中には、公的支援の枠組みから漏れている人も少なくない。
専門家のアドバイスで自立を促すのが目的だ。
「急病でお金が必要になったらと思うと怖くて、仕事を減らせない」。
東京都内のマンションの一室にあるデリバリーヘルス(無店舗型の性風俗店)待機所で開かれた無料相談会「風テラス」。
20代の女性が事情を打ち明けると、弁護士と臨床心理士がメモを取った。
女性は暴力を振るう父親から逃れるために家出を繰り返し、借金を背負った。
現在、昼は事務職員として働き、夜は風俗で勤める。
鬱病になり治療費がかさむ。臨床心理士は「性風俗がストレスになっていませんか。まず体を休め、昼の仕事を増やしましょう」と助言した。
風テラスは一般社団法人「ホワイトハンズ」の坂爪真吾代表理事(35)らが2015年に始めた。
名称は、市民の法律相談などに応じる公的機関、日本司法支援センターの通称「法テラス」にちなんだ。
弁護士らが女性らの勤務先に出向き、悩みやトラブルなどについて無料で相談に乗る。
費用は寄付金や店側で負担する。
これまでに都内の2店舗で計21回開き、約70人が相談した。
坂爪さんによると、性風俗店に勤務する女性は生活苦や家庭内暴力といった問題を抱えるケースが多いが、公的支援や福祉サービスを受ける女性は少数だ。
「仕事を公にできず、役所などを訪れられない。こちらから店に出向けば気軽に相談できると考えた」という。
相談に乗る浦崎寛泰弁護士は「自己破産や障害者手帳の申請など、本来は受けられる法や福祉のサービスを自覚していない人もいる。
相談が問題解決のきっかけになれば」と話す。
警察庁によると、営業許可を届け出ている無店舗型性風俗店は全国で約2万店ある。しかし風テラスに理解を示すのはわずかだ。
店側からは「相談した女性が辞めてしまうのではないか」との警戒感も根強い。
坂爪さんは「女性たちが働く環境を改善し、自立を後押しできるよう支援を広げたい」と話す。
今後は関西などでも開きたいと考えている。
〔◆平成29(2017)年1月24日 日本経済新聞 電子版〕
風俗従業者の悩み、無料相談 新潟「風テラス」準備進む 貧困問題など解決へ/新潟県
貧困問題解決などを目的に弁護士やソーシャルワーカーを派遣型風俗店の待機場所に派遣し、無料で従業員の相談に乗る「風(ふう)テラス」。
重度身体障害者男性の性的介助の支援をしている一般社団法人「ホワイトハンズ」(新潟市西区)の坂爪真吾代表理事(35)が東京で始めたこんな取り組みを、故郷の新潟県でも実施しようと準備を進めている。
坂爪さんは新潟高から東大文学部に進み、ジェンダー研究の第一人者の上野千鶴子氏のゼミに所属。
性に関する社会学的な研究に意欲的に取り組んだ。
昨年の著書「性風俗のいびつな現場」(ちくま新書)の執筆のために、妊婦や産後間もない女性専門、40~70代の「熟女専門」の風俗店を取材した時だった。
これらの店の従業員は他の仕事を見つけることが困難で、借金や障害、精神疾患も抱えているケースがあった。
生活保護のお金があっても足りず、店の仕事で即日稼げるお金が「セーフティーネット」のようになっている現状を目の当たりにした。
そこから、知り合いの弁護士らに声を掛けた。
まずは東京で2015年10月、風俗店従業員の生活や法律の相談に無料で応じる「風テラス」を立ち上げた。
今年2月中旬からは大阪でも開始。
3月28日現在、103人が利用している。
名前には「司法と福祉の光で風俗を照らす」といった願いが込められている。
金銭問題や健康、家族関係、ネットでの個人情報の流出問題をはじめ、何でも相談できる。
風テラスをきっかけに生活保護を受けられるようになり、ネットカフェ生活から抜け出せた利用者もいるという。
「新潟風テラス」では、風俗店で勤務経験がある人ならば誰でも無料で利用でき、匿名での相談も可能だ。
事前予約制で、弁護士と福祉関係者の男女ペアが1人1回60分対応する。
相談内容は店には明かさない。
現在、4月6日午後1時から新潟市中央区で初回を開催すべく準備を進めている。
協力店舗の募集もしている。
坂爪さんは「新潟の実情に合った形でカスタマイズしながら、風テラスを運営できれば」と話している。
問い合わせ、相談の申し込みなどは、http://www.whitehands.jp/futerasu。
〔◆平成29(2017)年3月30日 朝日新聞 東京朝刊地方版〕