鉄欠乏性貧血症
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分娩時の臍帯遅延結紮が、鉄欠乏性貧血のリスクが高い発展途上国の乳児の生後12カ月までの貧血軽減に有効であることが示された。<br> | 分娩時の臍帯遅延結紮が、鉄欠乏性貧血のリスクが高い発展途上国の乳児の生後12カ月までの貧血軽減に有効であることが示された。<br> | ||
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2017年5月10日 (水) 22:36時点における版
鉄欠乏性貧血症
臍帯遅延結紮が途上国乳児の貧血軽減に有効
分娩時の臍帯遅延結紮が、鉄欠乏性貧血のリスクが高い発展途上国の乳児の生後12カ月までの貧血軽減に有効であることが示された。
スウェーデンとネパールの共同研究グループが、JAMA Pediatr(2017; 171: 264-270)に発表した。
臍帯遅延結紮は生後6カ月までの乳児の鉄貯蔵を改善するが、6カ月を過ぎてからの鉄欠乏または貧血を予防するかどうかは不明である。
同グループは、鉄欠乏性貧血のリスクが高い乳児の生後8カ月時と12カ月時のヘモグロビン(Hb)値と貧血に対する臍帯遅延結紮の効果を、臍帯早期結紮と比較するランダム化比較試験を実施した。
対象は、ネパール・カトマンズの単施設で経腟分娩により生まれた正期産児と一部に早産児を含む計540例。
分娩後180秒以上経過後に臍帯を結紮する遅延群と分娩後60秒以内に結紮する早期群に、それぞれ270例を割り付けた。
主要評価項目は、生後8カ月時のHb値と貧血(Hb値11.0g/dL未満)の有病率とした。
生後8カ月時に採血できた乳児は遅延群が212例、早期群が188例だったため、多重代入法により解析した。
その結果、遅延群は早期群に比べ8カ月時のHb値が高く(10.4g/dL対10.2g/dL)、貧血の有病率が有意に低かった〔197例(73.0%)対222例(82.2%)、相対リスク(RR)0.89、95%CI 0.81~0.98、治療必要数(NNT)11例〕。
さらに、遅延群では8カ月時の鉄欠乏症のリスクも有意に軽減されていた〔60例(22.2%)対103例(38.1%)、同0.58、0.44~0.77、6例〕。
生後12カ月時でも遅延群はHb値が早期群より0.3g/dL高く、貧血のリスクが低かった(RR 0.91、95%CI 0.84~0.98、NNT 12例)。
〔メディカルトリビューンウェブ 2017.04.22【海外短報】編集部〕