周産期のメンタルヘルス
2017年5月3日 (水) 15:47時点における版
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妊婦の不安障害や産後うつ病の対処方法は? 関連学会がガイド公表
日本周産期メンタルヘルス学会は、妊娠中の不安障害や産後うつ病といった周産期のメンタルヘルスについて、医療者向けのガイドを公表した。
妊婦の抑うつや不安に関しては、「児の死産、早産、低体重出生、子供の知的発達障害などのリスクとなる」と指摘。
妊娠中のうつ病に対しては、疾病のリスクを評価するスクリーニングツールを使用するよう勧めている。
周産期のメンタルヘルスをめぐっては、精神疾患を抱えながら妊娠・出産する女性が増加傾向にあることなどを踏まえ、同学会と日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会の3学会の合同会議が2015年、産科医と精神科医の連携や、早期に受診・相談できる体制を構築する必要性を指摘していた。
これを受け、3学会から選ばれた委員らが、疑問文で表現する「クリニカルクエスチョン」(CQ)の形式で、臨床現場における留意点などをまとめた。
例えば、妊娠中は7-20%の高い率でうつ病が出現することや、抑うつ・不安が現れやすい時期であることなどを挙げ、うつ病に対して一定の有用性が確認されているスクリーニングツールを「妊娠中にも用いることを推奨する」としている。
産後うつ病についても「自殺、ネグレクトなどの不適切な養育環境も看過できない」として、早期発見や適切なケアを行う必要性を指摘。
周産期の女性の多くは、精神的な不調があっても自ら助けを求めない傾向にあることを挙げ、「全ての産後女性を対象としてスクリーニングを行い、支援の必要性を検討することが望ましい」としている。
また、中絶や流産、死産を経験した女性に関しては、うつや不安、罪悪感、外傷後ストレス障害などの精神的な偏重を引き起こす危険性が「非妊娠群や出産群に比べて上昇する」とし、カウンセリングなどの心理的なサポートを行うことを推奨。
このほか、向精神薬に関する留意事項も記載しており、「向精神薬の多くは授乳可能だが、母乳育児を行うか否かは授乳婦自身の決定を尊重し、医療者はそれを支援する」としている。
〔メディカルトリビューンウェブ 2017.04.11 新井哉・CBnews〕