家庭教師のトライ・長野
2016年10月28日 (金) 14:13時点における版
周辺ニュース
ページ名:家庭教師のトライ・長野、長野県長野市、パンくず(学習支援・無料塾)
ひとり親家庭に「教師」派遣 長野市 「トライ」委託で応募殺到 =長野
経済的に余裕のない「ひとり親家庭」の子供たちの学習支援を目的に、長野市は8月から、「家庭教師のトライ」で知られる「トライグループ」(東京)に委託して、家庭教師などを派遣する事業を始めた。無料で指導を受けられることから、市が定員としていた60人を大幅に上回る286人から申し込みがあり、市は定員を99人に増やして対応している。
国の「全国消費実態調査」(2009年)では、1か月当たりの教育費の額は、全世帯平均が3万1565円に対し、母子家庭では1万6291円と、格差が生じている。ひとり親家庭では、親が仕事をしていることなどから、子供の勉強の面倒を見ることも難しい。同市子育て支援課の担当者は「子供たちに学習習慣を身につけさせ、希望する高校へ進学するための一助にしてほしい」と、事業の目的を話す。家計が苦しくて十分な教育を受けられなかった子供が、大人になってからも厳しい生活に陥る「貧困の連鎖」を防ぐためにも有効との考えだ。事業の対象は母子家庭、あるいは父子家庭で、児童扶養手当を受給している世帯の小学4年~中学3年。同市によると、対象となる児童・生徒は880世帯1184人いるという。派遣されるのは、大学生が中心で、トライグループの研修を受けた後、児童・生徒の希望する教科や場所などに応じて、派遣される。各家庭を訪問するか、市内に5か所ある同社の教室で、1対1か少人数での授業を行う。指導は週1回2時間以内で、3月まで35回行われる。同市は、同社への委託料など計約680万円を、今年度当初予算に計上した。想定を上回る応募に対し、市は抽選で受講者を決めた。「希望するすべての家庭に対応したかったが、トライ側の受け入れ態勢の問題もあり、難しかった」としている。
◇県も予算増額で後押し
ひとり親家庭への学習支援は、県も2015年度から実施している。母子・父子家庭の小中学生を対象に、千曲市や伊那市など4市町で、公民館や図書館などを利用して教員OBらのボランティアが指導にあたっている。県こども・家庭課によると、半年間で延べ361人の利用があったという。16年度はさらに2市町を加え、予算も初年度の約65万円から約180万円に増額した。
〔2016年10月15日・貧困ネット、◆平成28(2016)年9月30日 読売新聞 東京朝刊〕