まごころ
2016年10月3日 (月) 14:43時点における版
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ページ名:まごころ、福岡県福岡市城南区、パンくず上(子ども食堂・フードバンク)
福岡県/ 課題見える化 FUKUOKA×都市圏総局 子ども食堂 利用もっと /ふくおか都市圏・福博
○城南区の「まごころ」波村さんが現状報告 「居場所の役割を充実」
「子どもの貧困」がクローズアップされ、各地で食事を提供する子ども食堂がオープンしている。
地域課題の解決を目指す市民有志の取り組み「ローカルグッド福岡」の会合で、福岡市城南区七隈の子ども支援食堂「まごころ」を2月にオープンした波村真二さん(58)が現状を報告。想像していたよりも利用者が少なく、「本当に必要とされる場所へ、あり方を考えたい」と話した。
妻の双美さん(52)と職業訓練を通して若者の自立支援に取り組んできた波村さん。
関わってきた子どもたちは幼いころに居場所がなく、食事をしっかり取る習慣もなかったことから、経営する総菜店の店舗を利用して食堂を始めた。
2月6日、地域住民を招いて試食会を開いた初日はにぎわった。
波村さんは周辺の公民館にチラシを置いたり、区役所や社会福祉協議会に食堂を紹介してもらうようお願いしたりして、月の半分は食堂を開いた。
しかし翌日から1カ月以上、誰も来なかった。
5月に人形劇や「マイはし」をつくるイベントを開いたときは150人ほどが訪れたが、今月6日までの半年間に食事に来た子どもは8人。
7月以降はまだ、1人も来ていない。
ある日、電話がかかってきた。前に家族連れで食堂を訪れた子の保護者からだった。
「(食堂に入るところを)誰かに見られたかもしれない。恥ずかしいことをしてしまった」-。もう来ません、と丁寧な口調で電話は切られた。
波村さんは「支援してあげたい、という思いが先走り、利用する人の目線に立っていなかったのかも」と悔やむ。
「子ども食堂イコール『貧乏』というイメージを変えたい」と考えるようになった波村さん。
「金銭的な貧困というよりも、親と関わる時間やふれあいが貧しい子どもの居場所にしたい」と話す。
今後は放課後の留守家庭の預かりも始める予定で、用がなくても遊びに来る子どもも受け入れたいと考えている。
ボランティアだが「決して『いいこと』ではない。昔はいろんな大人が、当たり前のようにやっていたことだから」。
◇ ◇
子ども支援食堂「まごころ」は月~金曜日の午後4~8時に開設。無料で食事を振る舞う。
連絡があれば土日も開ける。利用希望の人は事前に連絡を。食品や運営資金の寄付も募っている。
まごころ=092(516)6323。
○福岡都市圏に16カ所 子ども食堂 自治体も後押し
経済的に厳しい家庭や、1人で食事をする「孤食」の傾向にある子どもに食事を提供する「子ども食堂」は、2012年に東京都で民間の取り組みとして始まったとされる。
支援の輪は昨年から今年にかけて急速に全国に広がっており、西日本新聞の調べでは、福岡都市圏で少なくとも16カ所が活動している。
自治体も取り組みを後押し。福岡市は、食事や居場所を提供する団体に対し、最大30万円を補助する事業(430万円)を本年度からスタート。
公募した上で今月10日、本年度の助成対象となる子ども支援食堂「まごころ」(城南区)など14団体を発表した。
大野城市は、子ども食堂向けに寄付された食材などを受け付け、各食堂に分配している市民団体「ふくおか筑紫フードバンク」を支援するため、食材を保存する冷蔵庫などの設備購入費として40万円を補助する。
ローカルグッド福岡
地域課題を市民が共有し、解決することを支えるインターネットサービス。投稿された課題をサイトの地図上に表示して「見える化」。
課題を解決したいと考える市民が立案した企画を支援する「クラウドファンディング」も実施する。
毎月第1火曜日に福岡市内で自由参加型の会合を開き、さまざまなテーマについて話し合う機会を設けている。
ホームページは昨年5月に開設され、福岡市のNPO法人AIPが運営している。
〔2016年8月30日・貧困ネット、◆平成28(2016)年8月16日 西日本新聞 朝刊〕