Center:通所者スペースのデメリット③
(ページの作成: ==通所者スペースのデメリット③== 「デメリット」として書いたことへの意見の続き。第4項のところです。ウィキペディアの文...) |
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+ | こうして同センターが「第二の引きこもりの場」と化してしまい、強制的に卒業させるシステムも無い為、<br> | ||
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+ | ときには「社会の一員として生きる」ために、という言葉も使っています。<br> | ||
+ | 事態のよりいっそうの認識、深刻な認識に進んだことを反映しています。<br> | ||
+ | これは引きこもり期間が長期になり、年齢の高い当事者を多く見聞きするなかで実感し、通常の言葉でもより的確に表わすようにしてきたためです。]<br> | ||
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+ | 不登校情報センターでの作業費収入は「収入を得る取り組み」、「パソコンを収入源にする」、賃金やアルバイト費ではなく作業費というのもそれにあたります。<br> | ||
+ | 就職、就業は外部への取り組みには使いますが、不登校情報センターの内部では、「収入の得られる職場をめざす」という表現です。<br> | ||
+ | 回避しているのではなく、困難な現実を映しだし、前に進む目標にしているのです。<br> | ||
+ | 執筆者にはそれがまどろっこしく、焦燥感も手伝って、支援になっていないと感じるのです。]<br> | ||
− | + | ●[「第二の引きこもりの場」については私も当初は否定的に考えていましたが、<br> | |
+ | 個人の状態によっては自室に閉じこもっているよりはいいわけですし、<br> | ||
+ | そこからさらに対人関係を広げ、社会関係に入るには時間を要します。<br> | ||
+ | その時間の長さは想像以上であり、状態も一様ではありません。<br> | ||
+ | その時期を「第二の引きこもりの場」と称されとしたら肯定的に考えられるようになったのです。<br> | ||
+ | 早く社会に入るように求める目線が第二の引きこもりの場をこのように否定的にしている面があります。<br> | ||
+ | 当事者にもその感覚は伝わり自分の状態を置き去りにして“就職”などに関心が集中することもあります。<br> | ||
+ | それは長期のひきこもり経験者には着実性がなく、“成功率”は低くなるのです。<br> | ||
+ | 出典=「『不登校情報センターを第二のひきこもりの場にしよう。<br> | ||
+ | ここに来ている人が、それぞれの方法で収入につながること、仕事みたいなことをする場として活用する方法を考えてみてほしい』<br> | ||
+ | …私はこれを《ひきこもりながらの社会参加》の型の一つと考えることにします。」<br> | ||
+ | 五十田猛『ひきこもり―当事者と家族の出口』子どもの未来社、2006年、120~121ページ]<br> | ||
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2011年5月4日 (水) 21:43時点における版
通所者スペースのデメリット③
「デメリット」として書いたことへの意見の続き。第4項のところです。
ウィキペディアの文章は・(点)から、私の意見は「●[ ]」の枠内です。
・ホームページ作成、レイアウト作業を含む文書作成等、一定のスキルを要する作業の場合、一度任されると継続的に任される場合が多い。
しかし、こうして低額でも収入を得られ続け、同センターがこれを「仕事体験」と表現しているため「社会に出られた」と安心し、
通所者が“より一般社会的な場面”へ歩み出すことを留まってしまうケースが見受けられる。
こうして同センターが「第二の引きこもりの場」と化してしまい、強制的に卒業させるシステムも無い為、
社会復帰を遅らせる原因となる場合がある(長期通所者の例では約10年間に及ぶ)
●[「仕事体験」という言葉は、2000年以前には使っていたのですが、通所者の作業状況をみるにつれて、徐々にその言葉は使わなくしました。
就業支援の言葉を使うよりも社会参加の言葉を使うようになったのと平行しています。
ときには「社会の一員として生きる」ために、という言葉も使っています。
事態のよりいっそうの認識、深刻な認識に進んだことを反映しています。
これは引きこもり期間が長期になり、年齢の高い当事者を多く見聞きするなかで実感し、通常の言葉でもより的確に表わすようにしてきたためです。]
●[使用する言葉は、実態・実状をみながら、注意深くしています。
不登校情報センターでの作業費収入は「収入を得る取り組み」、「パソコンを収入源にする」、賃金やアルバイト費ではなく作業費というのもそれにあたります。
就職、就業は外部への取り組みには使いますが、不登校情報センターの内部では、「収入の得られる職場をめざす」という表現です。
回避しているのではなく、困難な現実を映しだし、前に進む目標にしているのです。
執筆者にはそれがまどろっこしく、焦燥感も手伝って、支援になっていないと感じるのです。]
●[「第二の引きこもりの場」については私も当初は否定的に考えていましたが、
個人の状態によっては自室に閉じこもっているよりはいいわけですし、
そこからさらに対人関係を広げ、社会関係に入るには時間を要します。
その時間の長さは想像以上であり、状態も一様ではありません。
その時期を「第二の引きこもりの場」と称されとしたら肯定的に考えられるようになったのです。
早く社会に入るように求める目線が第二の引きこもりの場をこのように否定的にしている面があります。
当事者にもその感覚は伝わり自分の状態を置き去りにして“就職”などに関心が集中することもあります。
それは長期のひきこもり経験者には着実性がなく、“成功率”は低くなるのです。
出典=「『不登校情報センターを第二のひきこもりの場にしよう。
ここに来ている人が、それぞれの方法で収入につながること、仕事みたいなことをする場として活用する方法を考えてみてほしい』
…私はこれを《ひきこもりながらの社会参加》の型の一つと考えることにします。」
五十田猛『ひきこもり―当事者と家族の出口』子どもの未来社、2006年、120~121ページ]