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ケンセイの映画ウォッチ
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作品名 | |
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レビュー
作品名 猫探偵のテレビ番組 ()
猫探偵のテレビ番組を見て思う
行方不明の飼い猫を探し出す猫探偵のテレビ番組を見ました。実話に基づくものです。
20年間に3000匹を発見し、発見率70%というすごさです。50代に入った人なので30歳ごろから始めた仕事のようです。
そのなかで「猫の気持ちになって」猫の行動を予測するというのに関心が向きました。
子ども時代から猫の行動に関心を持ち、行動を追いかけてきたという年季が入った人ならではのことです。
行動予測の難しい猫の行動もかなり予測できるみたいです。
さて私は『ひきこもり国語辞典』作成の途上にいます。
一通り原稿はでき、見出し語で約600語になります。
担当編集者の指摘は鋭く、また的確でもあります。
これに応え記述を向上させるために指摘に応じた書き直し、追加や削除を続けています。
見出し語の説明をするわけですが、「ひきこもりの気持ちになって」行動や振る舞いや、ときには気持ち自体を表現します。
「猫の気持ち」に近づける人がいるならば、同じ人間である「ひきこもりの気持ち」になれないはずはなかろう、と取り組むのです。
しかし、人間は知が働くだけに、どの動物よりもはるかに多様になるのは確かでしょう。
1人のひきこもりのエピソードを基に、その理由を推測します。
心理学などの膨大な蓄積はありますが、何しろ私はそういうのを体系的に学んだ経歴を持ちません。
関わった多くの人たちの言動を思い返します。
同じ人間としての推測によって、ある見出し語の記述をより的確なものにするという作業です。
2013年『ひきこもり国語辞典』は手作りの自作本273語を収め生まれました。
今新たにつくるのは約600語で、その記述の質ははるかに考え抜かれたものにならざるを得ません。
質量ともに別物の辞書です。
「猫の気持ち」に近づける人がいるならば、「ひきこもりの気持ち」に近づける人はいる、ひきこもりの理解に役立つ辞書はできそうだと思うわけです。
〔2020年4月8日〕
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