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| − | '''保護ねこ団体との橋渡しをするカフェ 脱サラから2年で開業 「さまざまな方が集まる出会いの場でありたい」''' <br>
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| − | “ねこ×本×音楽”をコンセプトにした練馬区・大泉学園に店を構える「cafe Mo.free（カフェモフリー）」。<br>
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| − | 店主の好きなものを集めたこのお店は、ねこ好き、本好き、音楽好きのたくさんの人々が訪れる人気店です。<br>
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| − | そんなお店の看板ねこを務めるのは、8歳の女の子「なつ先生」。元保護ねこです。<br>
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| − | ◇ ◇ ◇ ◇<br>
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| − | ねこといられる仕事で自分にできること<br>
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| − | 店主の阿部さんは現在38歳。カフェモフリーをオープンしてもうすぐ2年になります。<br>
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| − | 以前からこうした仕事をやりたかったのか聞いてみると、実は全く考えてなかったそう。<br>
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| − | 「以前の勤務先は忙しすぎて、家にいる時間がとても少なくかったんです。<br>
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| − | 好きなピアノも弾けず、本も読めない。ねこも不満を抱えている、という状態になってしまい……」<br>
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| − | そこで思いついたのが、コンセプトである「ねこ×本×音楽」だったのだとか。<br>
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| − | 「この3つで何かできないかなと思ったんです。少なくともねこと一緒にいられる仕事がしたくて。<br>
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| − | もし、自分が絵を描ければ漫画家とかも憧れますが、そういった才能もなく……。飲食店なら始めやすいのかなと思いました」<br>
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| − | 店内には本もたくさん。傍らで眠る「なつ先生」【写真：猫ねこ部】<br>
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| − | なつ先生といたから 自分の大切なものを立ち止まって考える時間を大切に<br>
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| − | 思いついたからといって、すぐに成功するような甘い業界ではありません。<br>
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| − | まずは、できることをと思い、阿部さんは飲食店に転職。<br>
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| − | 1年間、現場でオペレーションや衛生知識、アルバイトの管理などをみっちり学んだそうです。<br>
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| − | そして、次の1年で開業に向け、メニューや取引先決めなどを進め、事業計画を立てていったとか。<br>
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| − | こうして転職して約2年後の2017年10月にお店をオープンさせました。<br>
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| − | 日々の忙しさでつい自分の大事なものを忘れてしまいがちになる人も多いと思います。<br>
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| − | しかし、阿部さんの話を聞いてハッとさせられました。<br>
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| − | もちろん、誰もができるような簡単なことじゃありませんが、好きなものに囲まれて過ごせる日々は、このうえなく幸せで喜びがあると思います。<br>
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| − | 忙しくて自分の時間が全然ない。そんなときこそ、少し立ち止まって、ゆっくり考える時間を無理やり作ってもいいのかもしれません。<br>
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| − | きっと阿部さんは、なつ先生の不満げな顔を見たことで、ふと思い返すことができたのかもしれません。<br>
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| − | '''保護ねこ団体と里親との橋渡し的存在になりたい'''<br>
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| − | カフェモフリーのコンセプトは、「本」、「音楽」、そして「ねこ」であるように、阿部さんはもともと保護犬や保護ねこへの関心が強く、だからこそなつ先生も保護ねこ団体からのおすすめで迎えることになりました。<br>
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| − | 「お店を開くからには、何かしら社会貢献的なことをしたかった」という阿部さん。<br>
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| − | 自分に何ができるんだろうと考え、思いついたのが、保護ねこ活動をお店としてサポートすることだったそうです。<br>
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| − | カフェモフリーでは、店内にクリエイター達の作品を展示し購入もできます。<br>
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| − | そして、その売上の10%を、なつ先生を迎えた保護団体「しあわせねこの会」に寄付しています。<br>
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| − | 「こうした活動に共感してくださるお客さんも多くて。寄付金を持ってきてくださったり、これがねこちゃんたちのごはんになるならと作品を買ってくださったり。<br>
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| − | 購買のひとつの動機になっているような気はしますね」<br>
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| − | また、阿部さんは寄付だけではなく、ねこの里親探しの仲介役も行っています。<br>
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| − | 飼うならば保護犬や保護ねこを、と思っている人も増えてはきていますが、やはりまだまだペットショップで購入する人の方が圧倒的に多いのが現実です。<br>
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| − | その理由のひとつに「保護団体の掲げる譲渡条件の厳しさ」。<br>
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| − | ひとり暮らし、高齢者などは特にハードルが高いことがあるのではないかと阿部さんは考えます。<br>
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| − | 「保護団体の方々は特に悲惨なねこを見る機会も非常に多いと思いますし、気持ちはとてもわかります。<br>
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| − | その条件だけを見て、ペットショップを利用する人も少なからずいるのではないかと思います。<br>
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| − | もちろん、それが悪いということではないんですけど、そのへんのジレンマはありますね」<br>
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| − | 阿部さんは、自分のお店が里親希望者と保護団体の間に入り、クッション的な役割を果たすことで、少しでもその高いハードルを緩和できたらと考えているそうです。<br>
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| − | 実際、里親になりたいとおっしゃるお客様も多く、今までにお店を通じて里親になった方も多くいらっしゃるとか。<br>
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| − | '''ねこ好きさんもそれ以外も 出会いの場として'''<br>
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| − | 「ここには絵を描いている人、本が好きな人、音楽が好きな人、ねこが好きな人、いろんな方がいらっしゃいます。<br>
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| − | そんなさまざまな方が集まる出会いの場でありたいなと思うんです。<br>
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| − | いまはインターネットのおかげで、簡単に知らない人と繋がることはできるけれど、目の前で実際にその人と話をする……となるとなかなかそういう経験はできません。<br>
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| − | 普段の生活のなかで知り合うことのできないような人と、このお店を通して出会ってもらえたら嬉しいですよね。<br>
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| − | そんな体験を提供したいです」<br>
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| − | と、阿部さんは目をキラキラと輝かせながら、今後の展望について語ります。<br>
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| − | 「子どもの時から本も音楽も好きでした。<br>
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| − | もしも当時、自分の好きなことを楽しめて気軽に行けるようなお店が近くにあったらと、ときどき思うんです。<br>
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| − | また、不登校の子や障害者施設にいらっしゃる人たち、そういった人にとっての居場所になれたら、という想いもあります。<br>
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| − | ただ、まずは経営を安定させるということが第一ですけどね」<br>
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| − | 阿部さんのことばのひとつひとつに強いこだわりを感じます。<br>
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| − | このお店には、そんな店主の想いに共感して人々が集まるのでしょう。<br>
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| − | そして、そんな店主を誰よりも愛して止まないなつ先生がいます。<br>
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| − | なんだかとても心地が良く、つい足を運んでしまいたくなる場所。<br>
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| − | 元気をもらいたくなる場所。疲れた心を洗い流したくなる場所。<br>
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| − | そんなみんなの「居場所」であり続けてほしい、と心から願います。<br>
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| − | 〔2019年10/13(日) Hint-Pot 猫ねこ部〕 <br>
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