コワーキングスペース「ぼっとう&よはく」
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'''主婦だった私が「不登校児も来られるコワーキングスペース」を作った理由<前編> 我が家の不登校体験談番外編|VERY'''<br> | '''主婦だった私が「不登校児も来られるコワーキングスペース」を作った理由<前編> 我が家の不登校体験談番外編|VERY'''<br> | ||
昨年、不登校児も行けるコワーキングスペース「ぼっとう&よはく」が東京都練馬区にオープンしました。<br> | 昨年、不登校児も行けるコワーキングスペース「ぼっとう&よはく」が東京都練馬区にオープンしました。<br> | ||
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〔2020年7/12(日) 取材・文/高田翔子〕<br> | 〔2020年7/12(日) 取材・文/高田翔子〕<br> | ||
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'''主婦だった私が「不登校児も来られるコワーキングスペース」を作った理由 我が家の不登校体験談番外編|VERY'''<br> | '''主婦だった私が「不登校児も来られるコワーキングスペース」を作った理由 我が家の不登校体験談番外編|VERY'''<br> | ||
前半に続き、不登校児も行けるコワーキングスペース「ぼっとう&よはく」をオープンした2児の母s.akkoさんにお話を伺いました。<br> | 前半に続き、不登校児も行けるコワーキングスペース「ぼっとう&よはく」をオープンした2児の母s.akkoさんにお話を伺いました。<br> | ||
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〔2020年7/13(月) magacol 取材・文/高田翔子〕<br> | 〔2020年7/13(月) magacol 取材・文/高田翔子〕<br> | ||
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2020年7月20日 (月) 09:04時点における版
コワーキングスペース「ぼっとう&よはく」
所在地 | 東京都練馬区 |
---|---|
TEL | |
FAX |
主婦だった私が「不登校児も来られるコワーキングスペース」を作った理由<前編> 我が家の不登校体験談番外編|VERY
昨年、不登校児も行けるコワーキングスペース「ぼっとう&よはく」が東京都練馬区にオープンしました。
店主は小学生と幼稚園年長の2人のお子さんを育てる主婦だったs.akko さん。
不登校の子どもやその親たちも大歓迎というコワーキングスペースはいったいどんな場所なのでしょう?
お話を伺ったのは…
s.akko さん コワーキングスペース「ぼっとう&よはく」店主/子ども・小4、幼稚園年長
不登校の子の居場所がないなら作ってしまおう
──2人のお子さんを育てる主婦だったs.akkoさんが作ったコワーキングスペース。どんな場所ですか?
「ぼっとう&よはく」は去年の秋にオープンしました。
約10坪の小さなコワーキングスペースです。
一般のコワーキングスペースのように使ってもらうのはもちろん、不登校などの親子も気軽に来られる場所を目指しています。
私自身は幼稚園児と小学生のきょうだいの母。
娘は不登校ではありませんが、小1のころから学校が苦手でつらいことも多い様子でした。
外遊びが大好きで活発だった私の小学生時代とは様子が全く違うのではじめのうちは娘の気持ちを理解できないことも多かったです。
周囲にも不登校、HSC※1、場面緘黙(ばめんかんもく)※2などの悩みを持つお子さんがいました。
学校がつらいと思う子どもや育児が大変という親たちが集まったり、情報交換したりできる場所があったら……そんな思いから始めたのが「ちょっと大変な親の会」です。
※1 HSC「Highly Sensitive Child」の略で「生まれつき人一倍敏感」という特性を持った子のこと。
子どもの5人に1人はこの傾向があるともいわれ、大人にもこの特性を持つ人(HSP)がいる
※2 家庭では話ができるのに、保育園、幼稚園や学校などの社会的な場では声を出して話せなくなることが続く状態
──「ちょっと大変な親の会」ではどんな活動をしていたのですか?
知り合いに声をかけたり、Twitterを使って「ちょっと育児が大変」な親と子どもたちが話をできる場を作っていました。
特に何をするというわけでもなく、集まっておしゃべりをしていただけでしたが、学校以外の子どもたちの輪が広がりましたし、
親にとっても情報交換はとても重要なので、やってみて良かったかなぁと思います。
それから、不登校の子どもたちが過ごせる居場所が本当に少ないということも感じていました。
民間のフリースクール等も増えていますが、子どもにとって合う合わないがありますし、通学やお金の問題もあり誰でも使えるというわけではありません。
だんだんと不登校の子が過ごせる場所の選択肢をもっと増やすことができたら……という思いが膨らんできました。
主婦が起業しようと思ったとき大変だったこと
──お店を始めるまで主婦だったs.akkoさん。起業にあたってハードルはありませんでしたか?
30代後半で結婚、出産するまで働いていましたが、それ以降は育児中心の生活になりました。
家事や育児はそれだけでも重労働ではありますが、毎日その2つだけをしていると社会から離れ、視野が狭くなってしまったように感じ苦しいこともありました。
育児は楽しかったのですが、子どもが成長するにつれ仕事を再開したいという気持ちも高まってきて。
他のママたちには「子どもが小学生になったら楽になるよ」と言われていたので、娘が小学校に、息子が幼稚園に入るころが復職のタイミングかな?と思いましたが、実際はそううまくいきませんでした。
「学校で嫌なことがあった」「宿題をやりたくない」……。
娘が学校の悩みを抱えて帰ってくることが多く、家にいる私にできることはじっくり話を聞いてあげるのと宿題をみてあげることくらい。
そうこうするうちにまた数年が経っていました。せっかく始めるなら長く続けられる仕事がしたい。
そう考えたら資格を取得したり、正社員の仕事を探すのが近道なのかもしれません。
ただ、私自身は会社での仕事が性に合うとは思えず長年フリーの立場で仕事をしてきました。
人の親になったくらいで突然自分の性格が変わるとは思えませんし、ブランクの長い状態で就職するのも難しいでしょう。
いろいろと試行錯誤するなかで、出産前までリフレクソロジーの仕事をしていたので、自分のスペースを持って働けたら、と思い至りました。
ちょうどそのころ『しょぼい起業で生きていく』(えらいてんちょう著・イースト・プレス)という書籍を読み衝撃を受けたことも大きなきっかけです。
この本は、開業資金が豊富になくても綿密な事業計画がなくても誰でもチャレンジできる起業の方法を説くもの。
その他の通常の企業とは、違う視点もとても面白く、心に響きました。
小規模なスペースなら自分で店を持つことも可能なのでは?と思いました。
夫はフリーのエンジニアなのでコワーキングスペースなら協力してくれるかもしれない、ここで自分のやっていた人を癒す仕事もできるかも?
その場所を子どもたちの居場所にもできるのでは……と「やりたかったこと」がすべて繋がり……これだ!と思ったのです。その後はほぼ勢いですね(笑)。
──自分でお店を作ってしまおうと思ってからの行動力がすごいですね。
不動産屋で物件を探し始めましたが主婦だと無職扱いになってしまうので 部屋を借りるまでは大変でした。
何件か物件を見に行きましたが男性の不動産屋さんには、「夫が借主でないと審査が通らない」と言われました。
借主にならないと起業する際の手続きが複雑になるので何とか自分が借主になれる物件を探したかったのです。
何件かリサーチするうちに、主婦でも大丈夫と言ってくれる女性の担当者さんに巡り合え、今の物件を借りることができました。
お金の面は、夫と話し合って何とか工面し、区の助成金も使いました。
夫は協力的で私が夜に店番をしていたときは、夫が夜の家の当番(子どものお風呂、歯ブラシ、寝る準備、食器洗い)までやってくれたので助かりました。
起業してたくさん喧嘩もしましたが、話し合ってなんとか乗り越えました。
起業自体は、資金と周りの理解があれば実行しやすいと思うのですが続けていくことが大変です。
私自身スタートしたばかりではありますが、仕事はとても楽しいです。
とはいえまだまだ自己満足の世界ですので、もっとたくさんの人が「来て良かった」と笑顔になってくれることと、事業としてきちんと成り立つことを目指しています。
学校がつらい人や、普通が苦手な人にあたたかいコワーキングスペースでありたいと思っています。
(後半に続く)
〔2020年7/12(日) 取材・文/高田翔子〕
主婦だった私が「不登校児も来られるコワーキングスペース」を作った理由 我が家の不登校体験談番外編|VERY
前半に続き、不登校児も行けるコワーキングスペース「ぼっとう&よはく」をオープンした2児の母s.akkoさんにお話を伺いました。
昨年オープンしたばかりの店舗は緊急事態宣言を受け一時閉店、この6月から再開したばかり。
お子さんの幼稚園、小学校も休校となるなかsさんが考えていたことは……?
お話を伺ったのは…
s.akkoさん コワーキングスペース「ぼっとう&よはく」店主/子ども・小4、幼稚園年長
人生の中の「空白期間」は決して無駄じゃない
──「ぼっとう&よはく」という店名が印象的ですね。
「没頭しよう 余白を楽しもう」というコンセプトです。
私がこのコワーキングスペースを作ったときに浮かんだキーワードが「没頭する」ということ。
娘は、お気に入りの本や漫画を読んだり、工作やゲームをしたりといつも何かに没頭しています。
「早く宿題をしなさい」と怒ってしまうことも多いのですが、その姿を見てあんなに好きなことに没頭できるなんてうらやましいなとも感じていました。
今の世の中は、「時間がもったいない」「やるべきことはやったの?」と、大人も子どもも何かに没頭することをなかなか許してもらえないような雰囲気がありますが、大好きなことに夢中になれることそれ自体は素晴らしいことだと思います。
一方で、人生の中で「余白」ができることもあります。
学校に行けなくなったり、出産や介護で仕事を中断することになったり、会社を辞めたり、休職することになったりと本人が希望するしないにかかわらず空白期間ができる可能性は誰にでもあるはず。
私自身、出産で思いがけず家事育児中心の生活になりました。
でもその空白期間だって、後から考えれば決して無駄ではなくて必要な時間だったはず。
空白期間があっても“全然OK”と今、学校や仕事を休んでいる人を応援できる場所でありたい。その思いを店名に込めました。
VERY世代は子どもの気持ちに寄り添うのが得意
──前半でもお話しいただいた「ちょっと大変な親の会」などの活動を通して気づいたことはありますか?
悩みは人それぞれですが、低学年でいじめにあっているというわけではないけれど、学校になじめない子が意外に多いなという印象がありました。
娘もこのタイプです。ただ、今の親は子どもととても仲が良いケースが多く、ちゃんと話を聞いて我が子のちょっとした変化にも気づくのが得意なのではないかと感じています。
もちろん、そんな親ばかりではないとは思いますが、昭和世代の私の頃よりは親子の仲がいいのでは?と思います。
私の子どもたちもその傾向にありますが、学校が苦手な子にはHSC(人一倍敏感な子ども)の子どもが多いようです。
ただ、この悩みを抱える子は昔もいたはず。
ひと昔前ならHSCが認知されておらず、本人がどんなにつらくても「打たれ弱い」「なまけ癖がある」などといって片づけられていたケースも多いでしょう。
少し前から「毒親」という言葉が話題になりましたが、今の30、40代は自分が親からされて良かったこと悪かったことを踏まえたうえで育児をしているよう。
我が子との向き合い方は、私たちが子どもだった時代と比べてアップデートされている気がします。
──「学校に行きたくない」子の親に伝えたいことはありますか?
自分と子どもとは、親子とはいえ全く別の人間なんだと思うことが大切なのではないかなぁと思います。
私たち親世代は、「普通に学校に行くことが当たり前」という環境で育ってきましたが、それは自分の視点でしかないと認識すると少し楽になる気がします。
自分と子どもは生きる時代も場所も性格も違うと意識することによって、子どもの視点に立ってあげやすいのではないかと私自身は思うようになりました。
休校期間に考えた「学校って何なんだろう」
──この春は小学校が休校になったり、緊急事態宣言が出たりと予想外の出来事が続きました。
正直きつかったです。緊急事態宣言により一時閉店しましたが、開業したばかりで閉店するのは大きなリスク。
一日中家族だけと過ごし、ごはんを三食作ったり、いろいろとしんどかったです。
本当は早く店を開けたいなぁと思いましたが、万が一感染拡大したらと考えるとちょっと怖いなぁと思いました。
休校になったことで、今までの学校とか教育って何なんだろう?と考えたりもしました。
アメリカの小学校は通学せずホームスクーリングでも卒業可能ということは知っていたけれど、じゃあ他の国ではどんな教育をしているのか?と目を向けるきっかけにもなりました。
なかでもスウェーデンをはじめ北欧諸国の取り組みは興味深いもの。
教育ファシリテーターの武田緑さんのnote(「現地で感じた、スウェーデンの民主主義と教育。
一人ひとりが「声」をあげられる身近な場、それを届ける仕組みへの信頼。」)を読んで勉強したりもしました。
日本の教育制度そのものを今すぐがらっと変えるのは難しいですが、ただ元の学校生活に戻すだけではなく、この逆境が少しでもいい方向に転換できる機会になったらいいなあ、と思っています。
──お店が再開したら、どんな人たちに来てもらいたいですか?
今までとは形態を少し変えて、月に一、二度は親子やおしゃべりしたい方が無料でお店に来られる無料開放タイムを作ろうと思っています。
家事、育児に追われる親がちょっとひと息ついたり、家よりも集中できる環境で仕事をするためにも使ってほしいです。
ワークショップを開いたり、ギャラリースペースや好きなことに没頭する会(マイクラ会、ガンプラ会など)でも使ってもらえたらなぁと思っています。
リフレクソロジストとして私が施術をしてますので、疲れを癒すために来ていただくのも大歓迎です。
不登校に限らず、親が楽になって余裕や笑顔が増えることが子どもにとっては、いちばん嬉しいはず。
これは私自身が常に思っているのですが、普段の生活のなかではなかなか難しいですよね。
不登校も含め、“みんなと同じ”ことが苦手だったり、“普通のこと”ができないと思っている方、休職、求職中の方などにリハビリ的に社会と繋がる場としても使ってもらえたらと思っています。
〔2020年7/13(月) magacol 取材・文/高田翔子〕