加工貿易国日本の将来
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2020年6月19日 (金) 20:12時点における版
加工貿易国日本の将来
中学3年のときの社会科のテストを思い出しました。
山陰の漁村で中学時代を送った私は「社会科が得意な生徒」ということになっていました。
中学1年のときの地理は中間・期末の6回の試験が全部100点であった記憶があります。
教師の方もそれを意識していたところがあり、ときには何かを持ちだして試してくることがありました。
モダンとは何か説明させようとした先生、コルホーズを説明させようとした先生がいました。
これらは教科担任以外の教師からのものでどうでもよかったのですが、中学3年のときの社会科のテストは違っていたと思います。
社会科担任の井上先生がどういう意図かは知りませんが、テストの中に小論文と思える問題を出してきました。
井上先生がいつもはどういう試験問題を出していたのかはわかりませんが、小論文的な問題があったのはこの1回だけのはずです。
テストの終わり部分に10cmほどの空欄があり記述式の回答を求めてきたのです。
問題名は覚えていませんが、加工貿易国日本の将来、というようなものでした。
後進国(まだ発展途上国という言葉はなかったと思います)が工業化すると、原料を輸入し、工業製品を作って輸出する日本の将来はどうなるのか、について答えました。
回答はテスト用紙の裏面にも10㎝ほど続く長さなりました。
日本の工業製品は軽工業から重工業に向かうので、後進国における工業化は日本のためにもなる。
後進国が発展すると製品をより多く、より違う種類の製品が輸入できるようになるという意味を書きました。
しかし、それはいつか限界が来るかもしれないが、その先のことはわからないにしても、解決策は出てくるはずだ。
回答はこのようなものだったと思います。
中学生の私に書ける力ではこのあたりが限度でした。
井上先生はこの問題の配点10点のところ20点を付けました。
他の問題で間違ったところがあり、満点ではありませんがテストの点は100点を超えていました。
これを思い出したのは『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫、集英社新書、2014)を読みながらでした。
あのテストの回答でどこか日本の加工貿易国に不安に思いながら(いろんな状況は全く違いますが)回答したことが、こういう形で扱われるのかを感じたのです。
新型コロナの時代の後の日本と世界に、長い目で見れば、展望はあると読み進めているところです。