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6行: |
6行: |
| <tr> | | <tr> |
| <th>教育機関の性格</th> | | <th>教育機関の性格</th> |
− | <td>フリースクール<br> | + | <td>フリースクール</td> |
− | </td> | + | |
| </tr> | | </tr> |
| <tr> | | <tr> |
20行: |
19行: |
| <tr> | | <tr> |
| <th>住所</th> | | <th>住所</th> |
− | <td>〒275-0012千葉県習志野市本大久保3-8-14-401 | + | <td>〒275-0012 習志野市本大久保3-8-14-401 |
| </td> | | </td> |
| </tr> | | </tr> |
58行: |
57行: |
| </table> | | </table> |
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− |
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− | '''もっと、するっと「不登校」になればいい 学校はいい人生の手段 行列のできるフリースクール代表の言葉'''<br>
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− | 【#withyou ~きみとともに~】<br>
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− | 子どもが突然「学校に行きたくない」と言ったら、親はどうしたらいいのでしょうか。<br>
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− | 「死ぬほどつらかったら、学校なんて行かなくていい」。<br>
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− | このメッセージの先には、傷ついた子どもと、子どもを受け止める親たちの苦しさがあります。<br>
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− | 中学に行けなくなった経験を持ち、いまは子どもたちを支える側となったフリースクール ネモ(千葉県習志野市)の代表・前北海さんは、「不登校に『覚悟』はいらない」と話します。<br>
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− | <まえきた・うみ>35歳。NPO法人ネモ ちば 不登校・ひきこもりネットワークの理事長。<br>
| |
− | 中学のとき不登校になる。「不登校だったころの自分もいける居場所」として、フリースクール ネモを運営する。<br>
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− | 小学生から30代まで約30人が通っている。<br>
| |
− | '''追い詰められた顔をした子ども'''<br>
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− | ――前北さんが不登校になったのはいつですか<br>
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− | 中1の夏休みが明けて、中間テストの後ぐらいです。すべて疲れてしまって、学校に行かなくなりました。<br>
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− | 思い出すと、中学校に入って毎日がとてもせわしなかった。部活も、勉強も、テストもがんばって。<br>
| |
− | 毎朝、一人で早起きして、ご飯食べて、朝練に行って、学校から帰ると疲れて寝ちゃって、夜8時や9時にまた起きて一人でご飯食べて。<br>
| |
− | そんな生活が半年ぐらい続いてました。<br>
| |
− | 当時のことを母に聞くと、「誰かを刺すんじゃないか」と思うぐらい、追い詰められた顔をしていたそうです。<br>
| |
− | 学校でも荒れて、物を壊したり、先生に「授業面白くない」って文句を言ったり。<br>
| |
− | 先生に「なんで校則で髪型や、靴下の色まで決めるの?」って質問したときは、先生が答えきれなくなって、職員室に呼ばれ、学年の先生5人に囲まれて説教されました。<br>
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− | 全国的に荒れる学生が問題になっていた時期だったので、締め付けようってことだったんだと思います。<br>
| |
− | でも、僕がしてほしかったのは、対話だった。<br>
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− | そういうことでも疲弊していって、学校がとても嫌になって、全部が全部疲れちゃったんです。<br>
| |
− | '''見えてきた「問題」にはそれ相応のことがある'''<br>
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− | ーー学校がしんどくなって、前北さんはどうしましたか<br>
| |
− | 僕はお腹や頭が痛くなりました。けど、今でも思い出して嫌な気分になるのは、お腹が痛くないときもあるんです。<br>
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− | 多くの子どもたちは母親、父親が好き。だから、親にうそを言って学校を休むことになる。<br>
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− | 学校行きたくないって言いづらいのに、さらに嘘をついて傷つく。<br>
| |
− | 「逃げていい」の奥に、そういう苦しさもあるんだろうなと思います。<br>
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− | ーー親はどうしたら子どものしんどさに気づけますか<br>
| |
− | いろんなサインがだんだん出てくるはずです。<br>
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− | 宿題をやらない。<br>
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− | 部活とか学校の予定に行かなくなる。<br>
| |
− | なんだか元気がなくなっている。<br>
| |
− | 子どもはきっと言ってくれないと思うので、行動から推察できれば大きい。<br>
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− | もし子どもが「休みたい」と言ったときは、もう限界です。すぐに休ませてあげてほしい。<br>
| |
− | というのも、何かトラブルがあって「明日から学校に行かない」と言う子はあまりいないんです。<br>
| |
− | それまでかなりの期間、子どもなりに、なんとか頑張って行ってみようとしてきた。<br>
| |
− | でもモチベーションが保てなくなっているから、宿題が手に付かなくなったり、食欲が減ったり、ゲームに依存したり。<br>
| |
− | 心の中で血を流しながら、なんとか行っている状態かもしれない。<br>
| |
− | だから、親は問題が目に付いたとき、すぐ「宿題やってないじゃない」ととがめるんじゃなくて、「どうなっている?」と冷静に聞いてほしいんです。<br>
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− | 問題には、それ相応のことがあるのかもしれないと、思ってほしい。<br>
| |
− | 「そんなはずはない」ではなく、「何かあるんだな」と。<br>
| |
− | 親が見えているのは子どもの一部分だからです。<br>
| |
− | '''子どもは親の悩みで揺れる'''<br>
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− | ーーでもやっぱり「どうしよう」と親は揺れますよね<br>
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− | 子どもたちには「コミュニティーを捨てる勇気を持て」って言っています。<br>
| |
− | 例えば、1日学校に行くために、リストカット1回するぐらいなら、そんなコミュニティー捨ててしまっても、違う生き方、違うやり方はいっぱいあるよって。<br>
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− | どっちが大事なのか、気づいてほしい。<br>
| |
− | 僕がラッキーだったのは、母の友達が不登校の「親の会」をしていたこと。<br>
| |
− | 母は月1回の「親の会」に行くと、その後3日間は魔法がかかって、「良い親」になるんです。<br>
| |
− | 「無理しなくていいよ」「学校行きたくないなら行かなくていいよ」って言ってくれる。<br>
| |
− | でも3日過ぎると魔法はとけて、「移動教室ぐらい行ったら?」「部活は行ったら?」「テストだけでも受けたら?」って、子どもを追い詰めることを言い出す。<br>
| |
− | その言葉に僕が27日間耐えられると、次の「親の会」がある。今度は、魔法がかかる時間は3日から5日に延びる。<br>
| |
− | 継続して考えていくことで、親子の中で分かり合いたいという気持ちが進んでくるんです。<br>
| |
− | でも、理解するのに時間はかかる。<br>
| |
− | うちの親は、障害のある子に関わる市民活動をしていたので、「あなたはあなたのままでいいよ」という考えが根底にあった。<br>
| |
− | その母でも1年ぐらいは揺れていた。<br>
| |
− | 親の言葉に、毎回、僕も揺れていました。<br>
| |
− | 子どもは「悩みふたつ」なんです。<br>
| |
− | 「僕は何者なんだろう」っていう悩みと、「なんでうちの子は学校に行けないんだ」っていう親の悩み、両方を抱えてしまう。<br>
| |
− | 親の悩みがなければ、子どもは自分の悩みだけで済む。<br>
| |
− | だから、僕は親に楽になってもらいたい。親が3日楽なら、子どもは3日楽になれるから。<br>
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− | 父の涙「学校ぐらい行って」、その夜僕は<br>
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− | ーー不登校になった後、前北さんに居場所はありましたか?<br>
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− | 家の中での居場所は、自分の部屋でした。僕はほぼ引きこもりでした。<br>
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− | 父はまったく分かってくれなかったから。母が親の会に誘っても、「仕事だから」って。
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− | 中2ぐらいのある日、家族で焼肉屋に行ったんです。僕はカルビを食べていた。<br>
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− | すると酒に酔った父が僕に「学校ぐらい行ってくれよ」って泣きながら言ったんです。<br>
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− | 食べていたカルビの味が、ロウソクみたいになりました。<br>
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− | その夜に僕は自殺未遂をしました。<br>
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− | 「僕はもう価値がない」「僕はいらないんだ」って思っちゃった。<br>
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− | 今も父とは話していません。自分が生きるために、父との関係を絶ちました。<br>
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− | ーー泣いたお父さんの気持ちもなんとなく、わかってしまいます<br>
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− | 認識で変わるはずなんです。<br>
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− | 子どもの気持ちはわからなくても、どういうことなんだろうと、事実は把握できるはず。<br>
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− | 「明日学校に行けますか? 行けない。じゃあ、どうしていく?」。その積み上げはできるはず。<br>
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− | 僕が口を酸っぱくして言っているのは「目的と手段を取り違えてはいけない」ということ。<br>
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− | 学校にいくことが子どもの目的ではない。子どもにとっては育ちや学び、興味関心、能力を伸ばすのが目的。<br>
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− | その手段の1つが学校に行くこと。<br>
| |
− | 学校という手段が合わなかったら、逃げてもいいよというのは大切だけど、その本質は、「学校だけが育ち、学びの場じゃない」ということ。<br>
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− | その子に合う場所でいい。<br>
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− | それを「逃げる」と僕は解釈していない。<br>
| |
− | 「一番気が楽になることは?」で子どもの伴走者に<br>
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− | ーー何が前北さんを救ったんですか<br>
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− | 夜中に、母親がゲーセンに付き合ってくれたんです。<br>
| |
− | 当時、僕は、成長は階段みたいなものだと思いこんでいた。<br>
| |
− | 「中1の階段を踏み外したから、大人になれない」って。<br>
| |
− | そのことばかりが頭に浮かぶんです。学校に行った方が良いのもわかっているのに、行けない。<br>
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− | 考えているとつらいんです、日々。<br>
| |
− | でも、ゲームをしている間だけ、忘れられた。<br>
| |
− | 僕の心は風船をいっぱいいっぱいに膨らませて、いつ爆発するかわからないような状態でした。<br>
| |
− | 少しいっぱいいっぱいを減らさないといけない。<br>
| |
− | 今ならパソコンやったり、Youtube見たり、漫画読んだり、親からすると理解できないようなことで、ようやく立っている子もいるんだろうと思います。<br>
| |
− | 親が良いって思うものだけじゃなくて、その子によって、いいものは多種多様です。<br>
| |
− | ーーいっぱいいっぱいの子には、どうしたらいいですか<br>
| |
− | 聞いてみてください。「何をしているときが一番気持ちが楽になる?」って。<br>
| |
− | 子どもは答えを出してもらいたいわけじゃない。<br>
| |
− | 親が先に示したり、「してあげる」んじゃなくて、並走者として、「今の私は何ができるかな」と対話する。<br>
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− | できないことだっていっぱいある。なんでもする、じゃなくていいです。
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− | '''ゴールは「学校復帰」より、もっと先に'''<br>
| |
− | ーーネモには「学校復帰、社会復帰を前提としない」という理念があります。<br>
| |
− | でも、先のゴールを設定しないって、勇気がいりますね。<br>
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− | どこをゴールにするか、という問題なんです。<br>
| |
− | 例えば、「ふとした瞬間に『自分の人生はよかったな』と思えること」をゴールにする。<br>
| |
− | 「学校復帰」や「社会復帰」はその手前にあるんだと思います。<br>
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− | もっと大きなゴールを設定することで、「今悩むことじゃない」って思えます。<br>
| |
− | ーー好きなことだけしてたら、もう勉強しなくていいや、学校行かなくていいやって、なりませんか<br>
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− | やってしまいがちなのは、鉛筆が持てるようになる訓練をする。外に出る訓練をさせる。<br>
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− | ネモには、学校を連想する物でつらい記憶がフラッシュバックしちゃうから「鉛筆持ちたくない」「字は一生書きたくない」と言う子もいました。<br>
| |
− | でも、その子はネモで出会った子達とポケモンの映画を観に行きたくなって、計画するために鉛筆を持ったんです。<br>
| |
− | アニメをいっぱい観ているうちに学園ドラマがうらやましくなって「学校行ってみたい」って、小学校の勉強から始めている子もいます。<br>
| |
− | やりたいものができると、手前のハードルは平気でクリアしていく。<br>
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− | そこまで待ってあげたって全然問題ないし、わざわざ手前のハードルを設定する必要がないと、フリースクールの実践から感じています。<br>
| |
− | ーー前北さんは定時制に行きました<br>
| |
− | 外的なプレッシャーがなくても、子どもながらに「行かないとな」っていう「自分プレッシャー」がありました。<br>
| |
− | 定時制に行く前には、母とすごく話をしました。<br>
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− | その頃、僕はアメリカのバイクに乗りたかった。「どうしたら乗れる?」って母に聞いたら「なんで家にいるだけなのに、バイク買わなきゃ行けないの?」って言われた。<br>
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− | 「たしかに。じゃあ、学校行ったらどう?」って、バイクでも通学できる学校を選んだんです。<br>
| |
− | その定時制には制服がなく、先生も「授業が面白くない」って言ったら、すごく落ち込むけど授業のやり方を変えてくれた。対話がありました。<br>
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− | 3年になるまで休みに入るたび全身に蕁麻疹が出てたので、かなり頑張って行っていたんだと思うけど、結局卒業しました。<br>
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− | 「ネモ」ってラテン語で「誰でもない」って意味なんです。<br>
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− | 子どもらしく、学生らしく、ではなく、今のままの君がいいって思いを込めている。<br>
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− | 社会復帰を目指さなくていい。むしろ元気にならなくたっていい。<br>
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− | 今ある、その子を受け入れる方が先です。<br>
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− | 1週間後、1カ月後、1年後とか遠くのことじゃなくて、今日できることから貯めていけばいいんです。<br>
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− | '''「引きこもり」にならないための「不登校」'''<br>
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− | ーー一度不登校になったら、その先はどうなるんだろうって不安な親もいる。<br>
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− | 引きこもりになってしまわないか、とか。<br>
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− | 僕は「不登校」だと「引きこもり」になる、とは全然思いません。<br>
| |
− | 引きこもりが悪いとも言いませんが、逆に言えば、引きこもりにならないように不登校になってほしい。<br>
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− | 最初のしんどさのうちに、蓋をしないでほしい。<br>
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− | 学校に行けない、外に出られないって、風邪をひいた感覚に近いんです。<br>
| |
− | 風邪を引くと食欲も減るし、友達にも会いたくない。<br>
| |
− | そもそも話したくもなくなる、朝日も浴びたくなくなる。<br>
| |
− | 僕は学齢期だったから「引きこもり」の定義には入らないけど、部屋を基本に2年間過ごしました。<br>
| |
− | 大人になってから、ぎっくり腰で部屋から出られなくなったことがあるんですが、単調でつまらなすぎて耐えられなかった。<br>
| |
− | その時、あの2年間を振り返ったけど、相当しんどい状態じゃないと、2年間も引きこもれないなと実感しました。<br>
| |
− | 今小学生の不登校が増えていて、ネモにも小学生が来ているけど、小学生のうちは心も体もすぐに元気になります。<br>
| |
− | やりたいことを素直に言ってくれるし、フリースクールにもすぐ慣れる。<br>
| |
− | でも小学生より中学生、中学生より高校生、高校生よりそれ以上と、どんどん根が深くなる。<br>
| |
− | 雪だるま式で、我慢して転がっているうちに問題は大きくなって、芯にあったのが何か、何で悩んでいるかもわからなくなっていっちゃう。<br>
| |
− | しんどいのを何年も何年も我慢して、それで社会に出たあと大爆発して、家から出られなくなる人が多い。<br>
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− | 体が動かなくなる前に、休めなかったんだろうか? と思います。<br>
| |
− | '''もっと、するっと「不登校」に'''<br>
| |
− | 僕はフリースクールには行けないけど、ゲームセンターには行けていた。<br>
| |
− | 家の外に楽になれる居場所が欲しかった。家とフリースクールの間というコンセプトで「ネモ」を作りました。<br>
| |
− | 「ネモ」に来るのは、ほとんどが市外、県外から。電車で小一時間かけて通ってきます。<br>
| |
− | 朝「開店待ち」で列を作っているんです。行きたい場所に行こうとしている。<br>
| |
− | 「不登校と呼ぶべきなのかなぁ」と思います。<br>
| |
− | ーー楽しそうですね。あっちの部屋、こっちの部屋と駆け回っている子もいる。<br>
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− | 「学校こいよ」と言われても、この子たちの居場所はあるんだろうかと思ってしまう。<br>
| |
− | 勉強ができないって放っておかれた子、我慢し続けて荒れた子もいます。<br>
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− | 「バットで学校を襲撃したい」って言う小5の子もいました。<br>
| |
− | よく聞くと、「小2のときに人を信じるのをやめた」って話してくれた。<br>
| |
− | そんな状態になってから3年間も我慢して学校に行っていたのか、そりゃバット振り回したくもなるよな、と。<br>
| |
− | 誰かこの子の話を聞いてあげたのかと思います。<br>
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− | ーーもっと学校が良い場所になれば、学校に行けるのでしょうか<br>
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− | 学校を良くすればいい論は嫌です。<br>
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− | 良い場所にするのは前提だけど、「あんな良い学校なのに」「あんな良いプログラムなのに」って善意が膨らむとね、僕はもっとつらくなります。<br>
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− | 「良いものに応えられない自分は悪いんだ」って。<br>
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− | たとえば不登校なんて、今日ラーメン食べたい子に、無理やりカレーを食べさせるようなもんなんです。それぐらいのことなんです。<br>
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− | どんなに良い蕎麦作っても、蕎麦アレルギーなら食べられないですよね。<br>
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− | ーーカレーやラーメンですか……「学校から逃げる」ことは、もっと一大決心だと思っていました<br>
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− | 覚悟を持たなくていい。もっと、するっと「不登校」になってほしい。<br>
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− | 僕はフリースクールだって学校だと思っています。<br>
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− | 家すら「学校」。子どもが学ぶ場所は「学校」。<br>
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− | 日本国民がそう思わないといけない。<br>
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− | 「子どもがそこに行きたいというなら、それでいいじゃない」って。<br>
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− | それこそ、ラーメン食べるか、カレー食べるかというぐらいの差で。<br>
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− | 「カレーが食べたい時はおいで」っていうスタンスで良いんです。<br>
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− | ネモの子も、学校に行く子は行くんです。<br>
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− | 学校に行っている子と、行っていない子、フリースクールの子が、交流できるようになればいい。<br>
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− | 「俺、学校行ってくる」「僕、フリースクール行ってくる」「じゃあ後で一緒にサッカーしようぜ」って。<br>
| |
− | 〔2019年9/7(土) withnews(朝日新聞記者、松川希実)〕 <br>
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