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− | '''(2017衆院選 争点:3)子どもの貧困 学習手助け、防ぐ孤立化/京都府'''<br>
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− | 金曜日の午後6時過ぎ、左京区にある施設の一室で、「中3学習会」が始まった。<br>
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− | 激しい雨の中、最初にやって来たのは中学3年の女子生徒。<br>
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− | すぐに先生役の大学生、仲丸奈々さん(22)が隣の席に座った。<br>
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− | 「今日は何を勉強したいの」と聞くと「数学の復習がしたい」。持参したプリントを出して解き始めた。<br>
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− | 「中3学習会」は経済的な問題などで塾に通う環境にない中学生に、大学生ボランティアが基本的に1対1で勉強を教え、高校進学を手助けする。<br>
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− | 仲丸さん自身、中学2年の時に父親を亡くし、奨学金で高校、大学に進んだ。<br>
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− | 現在、月5万円の奨学金を受けながら、高校時代に借りた分を毎月8千円ずつ返している。<br>
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− | 交通費を節約するため、自転車で片道30分かけて大学に通い、食事を抜くこともある。<br>
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− | 「経済的に苦しい家の子どもの気持ちが分かる。力になりたい」と話す。<br>
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− | 学習会には支援が必要な1、2年生も来る。<br>
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− | 卒業生も、中学受験を目指す小学生も受け入れている。<br>
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− | 何時に来ても、欠席してもかまわない。<br>
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− | 大学生は、生徒の希望に合わせて、授業の復習や宿題、試験勉強を手伝う。<br>
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− | 時には、好きなアニメの話などおしゃべりに付き合う。<br>
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− | 学習会は2006年に北区で有志のケースワーカーや学生ボランティアが始めた。<br>
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− | 7年前に市の事業になり、現在、全区15カ所で運営。さらに2カ所で始まる。<br>
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− | 昨年度の登録生徒数は183人。<br>
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− | 運営する市ユースサービス協会の竹田明子チーフユースワーカーは「学習会に行けば、自分のことをみてくれる大学生のお兄さん、お姉さんがいる。そんな人間関係がとても重要。勉強の場であり、子どもの居場所なのです」と話す。<br>
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− | 15年度の京都市の生活保護率は3・13%で、全国平均の1・70%を上回る。<br>
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− | 生活保護世帯の子どもの大学進学率は39・3%で、市全体の70・6%を大きく下回っている。<br>
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− | 子どもの貧困対策法が施行されて3年。<br>
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− | 昨年、市が行った貧困家庭の子どもの実態調査によれば、学習に遅れがあったり、夜、自宅で一人で過ごす割合が高かったりすることが分かった。<br>
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− | また保護者は相談相手がおらず、孤立している傾向がみられた。<br>
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− | 市は今年度、子どもや子育て、若者への施策を総合的に進める「子ども若者はぐくみ局」を創設。<br>
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− | 「中3学習会」の充実に1240万円、「子ども食堂」など「子どもの居場所づくり」に取り組む団体への支援やアドバイザー派遣などに650万円の予算を計上した。<br>
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− | 府でも、経済的に困難な家庭の親と子どもが集える居場所づくりや学習支援の場所を作ってきた。<br>
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− | 子どもの貧困対策センター「あすのば」(本部・東京)の小河光治代表理事は「家庭の経済的困窮の解消なしに、子どもの貧困はなくせない。ひとり親世帯への児童扶養手当の増額など、現金給付が必要だ。非正規で働くひとり親が正社員として安定した収入を得られるようにする政策も重要だ」と話している。<br>
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− | 〔◆平成29(2017)年10月14日 朝日新聞 大阪朝刊地方版〕 <br>
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