フードバンク山口
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+ | '''広がるフードバンク 子どもの貧困など背景 自治体も後押し'''<br> | ||
+ | 企業や家庭で余った食品を集め、必要な人に提供する「フードバンク」のニーズが高まっている。<br> | ||
+ | 食品ロスの問題や、「子どもの貧困」への関心の高まりが背景にあるようだ。行政の後押しも広がっている。<br> | ||
+ | 「こんなにたくさん。ありがたいね」「まだ期限は大丈夫?」<br> | ||
+ | 山口市を拠点に活動するNPO法人「フードバンク山口」の倉庫を訪ねると、各地から届いた食品を約10人のボランティアが仕分けていた。<br> | ||
+ | この日は週に1度の「開所日」。福祉関係者らが次々と訪れ、必要な食品を受け取っていった。<br> | ||
+ | スクールソーシャルワーカーとして県北部の小中学生、高校生の自宅を訪問している男性(37)は、「子どもたちのおやつや朝ごはんになれば」と焼き菓子や栄養食品などを選んだ。<br> | ||
+ | 「食べ物を持って家庭を訪問すると喜んでもらえるし、支援の話をするきっかけにもなる」と話す。<br> | ||
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+ | 同法人は2014年に設立され、17年にNPO法人の資格を取得した。<br> | ||
+ | 現在理事長を務める今村主税(ちから)さん(47)は、山口県立大学看護栄養学部の准教授で、食品ロスの削減に貢献できればと活動に加わった。<br> | ||
+ | 県内で唯一、法人格を持つフードバンク団体で、活動の場を広げてもらおうと行政も後押しを始めた。<br> | ||
+ | 県こども家庭課は今年度から、同法人が仲介して「子ども食堂」に食材を提供するモデル事業に乗り出した。<br> | ||
+ | 子ども食堂は、貧困家庭の支援や地域の居場所づくりが目的で、県内でも約20か所で開かれているが、食材を安定して調達する仕組み作りが課題だった。<br> | ||
+ | 事業では、同法人が協力スーパーに近くの子ども食堂の情報を提供し、売り場に出さない野菜などを食堂へ直接届けてもらう。<br> | ||
+ | 食堂からは、受け取った内容を報告してもらう。<br> | ||
+ | 同課の担当者は「フードバンクなら地域の力で円滑に食材を届けることができる」と話す。<br> | ||
+ | 県廃棄物・リサイクル対策課も、食品ロスの削減に向け、関連予算を拡充して支援している。<br> | ||
+ | その一つが家庭から未開封のレトルト食品や缶詰などの寄付を受け付ける「フードバンクポスト」の設置だ。<br> | ||
+ | 高さ約1メートルのドラム缶形で、県庁やスーパーなど現在8か所にあり、毎月100キロ以上の食品が集まっている。<br> | ||
+ | 今村さんは「行政との連携で活動の信頼度が増した」と話す。<br> | ||
+ | 企業の理解が得られやすくなり、今年度は新たに5社が食品を提供してくれるようになった。<br> | ||
+ | 同法人では、個人への食品提供を進めるため、生活困窮者の就業支援事業を行う山口市の施設との連携を始めた。<br> | ||
+ | 施設の相談窓口に食費にも困っている人が来た場合は、緊急的に食料を提供している。<br> | ||
+ | 活動の場が広がる一方で、活動資金やボランティアの不足など課題も多い。<br> | ||
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+ | '''◇全国に92団体'''<br> | ||
+ | 全国フードバンク推進協議会(東京)によると、現在、92団体の活動を確認している。<br> | ||
+ | 未開封のレトルト食品や缶詰などを家庭や企業から集めており、賞味期限が1か月以上あることなど団体によって条件を設けている。<br> | ||
+ | 野菜などの生鮮食品や冷蔵・冷凍食品を受け付ける団体もある。<br> | ||
+ | '''◇食品集めて寄付 各地で フードドライブも拡大'''<br> | ||
+ | 職場などで食品を集めてフードバンク団体に寄付する「フードドライブ」という活動も広がっている。<br> | ||
+ | 熊本県循環社会推進課は、行政職員の関心を高めたいと昨年11月、庁舎内で初めてフードドライブを実施した=写真、県提供=。<br> | ||
+ | 食品は「フードバンク熊本」(熊本市)に提供した。今月25日にも実施予定だ。<br> | ||
+ | 県内の全45市町村に同時開催を呼びかけ、35市町村が参加するという。<br> | ||
+ | 長崎市は、環境活動拠点「サステナプラザながさき」(095・895・5541)で月曜・祝日以外の開館日に常時開催。<br> | ||
+ | 市民から寄せられた食品を、地元の「長崎フードバンクシステムズ」に提供している。<br> | ||
+ | 北九州市では27日まで、NPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」(093・672・5347)が実施中。<br> | ||
+ | 北小倉市民センターやエフコープ折尾店など、市内10か所に回収ボックスを置いている。<br> | ||
+ | 〔◆平成31(2019)年1月21日 読売新聞 西部朝刊(植田優美)〕 <br> | ||
山口は7月、山口市と萩市の子ども食堂の運営団体に、食材を無償で提供するモデル事業を始める。<br> | 山口は7月、山口市と萩市の子ども食堂の運営団体に、食材を無償で提供するモデル事業を始める。<br> |
2019年2月6日 (水) 13:42時点における版
フードバンク山口
所在地 | 山口県山口市 |
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TEL | |
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周辺ニュース
ページ名フードバンク山口、山口県山口市、(フードバンク)
広がるフードバンク 子どもの貧困など背景 自治体も後押し
企業や家庭で余った食品を集め、必要な人に提供する「フードバンク」のニーズが高まっている。
食品ロスの問題や、「子どもの貧困」への関心の高まりが背景にあるようだ。行政の後押しも広がっている。
「こんなにたくさん。ありがたいね」「まだ期限は大丈夫?」
山口市を拠点に活動するNPO法人「フードバンク山口」の倉庫を訪ねると、各地から届いた食品を約10人のボランティアが仕分けていた。
この日は週に1度の「開所日」。福祉関係者らが次々と訪れ、必要な食品を受け取っていった。
スクールソーシャルワーカーとして県北部の小中学生、高校生の自宅を訪問している男性(37)は、「子どもたちのおやつや朝ごはんになれば」と焼き菓子や栄養食品などを選んだ。
「食べ物を持って家庭を訪問すると喜んでもらえるし、支援の話をするきっかけにもなる」と話す。
◇
同法人は2014年に設立され、17年にNPO法人の資格を取得した。
現在理事長を務める今村主税(ちから)さん(47)は、山口県立大学看護栄養学部の准教授で、食品ロスの削減に貢献できればと活動に加わった。
県内で唯一、法人格を持つフードバンク団体で、活動の場を広げてもらおうと行政も後押しを始めた。
県こども家庭課は今年度から、同法人が仲介して「子ども食堂」に食材を提供するモデル事業に乗り出した。
子ども食堂は、貧困家庭の支援や地域の居場所づくりが目的で、県内でも約20か所で開かれているが、食材を安定して調達する仕組み作りが課題だった。
事業では、同法人が協力スーパーに近くの子ども食堂の情報を提供し、売り場に出さない野菜などを食堂へ直接届けてもらう。
食堂からは、受け取った内容を報告してもらう。
同課の担当者は「フードバンクなら地域の力で円滑に食材を届けることができる」と話す。
県廃棄物・リサイクル対策課も、食品ロスの削減に向け、関連予算を拡充して支援している。
その一つが家庭から未開封のレトルト食品や缶詰などの寄付を受け付ける「フードバンクポスト」の設置だ。
高さ約1メートルのドラム缶形で、県庁やスーパーなど現在8か所にあり、毎月100キロ以上の食品が集まっている。
今村さんは「行政との連携で活動の信頼度が増した」と話す。
企業の理解が得られやすくなり、今年度は新たに5社が食品を提供してくれるようになった。
同法人では、個人への食品提供を進めるため、生活困窮者の就業支援事業を行う山口市の施設との連携を始めた。
施設の相談窓口に食費にも困っている人が来た場合は、緊急的に食料を提供している。
活動の場が広がる一方で、活動資金やボランティアの不足など課題も多い。
「活動をアピールして、県内全域に仕組みを広げたい」と今村さんは話す。
◇全国に92団体
全国フードバンク推進協議会(東京)によると、現在、92団体の活動を確認している。
未開封のレトルト食品や缶詰などを家庭や企業から集めており、賞味期限が1か月以上あることなど団体によって条件を設けている。
野菜などの生鮮食品や冷蔵・冷凍食品を受け付ける団体もある。
◇食品集めて寄付 各地で フードドライブも拡大
職場などで食品を集めてフードバンク団体に寄付する「フードドライブ」という活動も広がっている。
熊本県循環社会推進課は、行政職員の関心を高めたいと昨年11月、庁舎内で初めてフードドライブを実施した=写真、県提供=。
食品は「フードバンク熊本」(熊本市)に提供した。今月25日にも実施予定だ。
県内の全45市町村に同時開催を呼びかけ、35市町村が参加するという。
長崎市は、環境活動拠点「サステナプラザながさき」(095・895・5541)で月曜・祝日以外の開館日に常時開催。
市民から寄せられた食品を、地元の「長崎フードバンクシステムズ」に提供している。
北九州市では27日まで、NPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」(093・672・5347)が実施中。
北小倉市民センターやエフコープ折尾店など、市内10か所に回収ボックスを置いている。
〔◆平成31(2019)年1月21日 読売新聞 西部朝刊(植田優美)〕
山口は7月、山口市と萩市の子ども食堂の運営団体に、食材を無償で提供するモデル事業を始める。
県内の子ども食堂では、食材の費用負担が課題となっている点に着目。
家庭内の不要な食料品を募るNPO法人「フードバンク山口」(山口市)に調達を委託して、5カ月間取り組む。
一人親の子どもに勉強を教えたり、食事を提供したりする民間団体を支援するため、市町向けの補助金も新たに用意した。
「子どもと地域をつなぐ場所として、取り組みの広がりを期待したい」としている。
〔◆平成30(2018)年5月19日 中国新聞 朝刊(滝尾明日香)〕