性的虐待
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2017年1月4日 (水) 10:57時点における版
性的虐待
性的虐待:父から虐待 減軽求め娘嘆願書 大阪地裁認めず「提出自体が不自然」懲役4年判決
18歳未満の娘に長年にわたり性的虐待をしたとして、児童福祉法違反罪に問われた実父の男の判決公判で、娘が記したとして弁護側から提出された刑の減軽嘆願書を、大阪地裁が情状証拠として認めなかったことが分かった。
娘は「被害感情はなく寛大な処分を求める」としていたが、荒金慎哉裁判官は「提出されること自体が不自然」と判断し、懲役4年(求刑懲役6年)を言い渡した。
性暴力被害者からこうした嘆願書が提出されるのは極めて異例。
29日に言い渡された判決などによると、40代の男は2008年、離婚していた妻と当時小学生だった娘と同居を再開。
直後から性的虐待が始まった。
娘は中絶手術も受けている。
男は「しつけから始まった愛情表現で、性的欲求を満たすつもりはなかった」と釈明していた。
しかし、判決は「身勝手で不合理な弁解だ。反省の態度はうかがえない」と退けた。
弁護側は公判で「娘に被害感情はない」として、執行猶予判決を求めていた。
母親と娘がそれぞれ署名した嘆願書2通を情状証拠として提出。
文面はパソコンで作成されていた。
嘆願書は母親と娘が話し合って作成したとみられる。
これに対し、荒金裁判官は「健全な父子関係を構築できず、性道徳を持てないまま現在に至っているのは明らか。被害女児の健全な育成に与えた影響は甚大だ」と指摘。
その上で、「特段の措置が講じられたわけではないのに、このような嘆願書が提出されること自体が不自然」とし、嘆願書による情状酌量を認めなかった。
捜査関係者によると、娘は「違和感はあったが父親の怒りを買うのが怖くて言い出せなかった」と警察に供述。
母親は「うすうす(虐待に)気付いていたが、聞かなかった」と話している。
弁護人は嘆願書について、「被告と被害児童の双方の不利益にならないと考え、証拠を提出した。作成の経緯は守秘義務があり答えられない」と取材に話した。
専門家によると、幼少期から性的虐待が続くと、被害をしっかり認識できないことが多いという。
虐待だったと将来認識した時点で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを発症することがあるとされている。
事件は娘が知人に打ち明けたことで発覚、警察が今夏に同法違反容疑で男を逮捕した。
娘は児童相談所に保護されたが、現在は自宅に戻って母親らと暮らしている。
〔◆平成28(2016)年12月1日 毎日新聞 大阪朝刊〕
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