金沢市児童相談所
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+ | 金沢市児相では、学校や病院から虐待を疑う情報が入ると専門職である児童福祉司が直接話を聞きに駆け付ける。<br> | ||
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+ | 今寺誠所長は「電話では状況がわかりにくい。この機動力こそ、中核市の児相の強みだ」と話す。<br> | ||
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+ | 県子育て支援課の担当者は「市児相がなければ増加する虐待相談に十分対応できなかった」と話す。<br> | ||
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+ | 特に専門職の養成は中核市だけの課題ではない。<br> | ||
+ | 厚労省内で4日開かれた全国児童相談所長会議で、相模原市で養父の虐待を受けた中学生が14年11月に自殺を図り、今年2月に死亡した問題について報告した市児相の細谷洋一所長は「組織として未熟だった」と述べた。<br> | ||
+ | 学校からたびたび虐待通報を受けていたが、担当の児童福祉司は「緊急性はない」と判断。<br> | ||
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+ | 同市は約6年前に政令市となり、児相を設置した。<br> | ||
+ | 当時、職員約30人の大半は他の児相で1~2年の研修を受けただけ。<br> | ||
+ | 細谷所長は取材に「職員が一人前になるには10年も20年もかかる」と話した。<br> | ||
+ | 財政面では、横須賀市は14年度の運営費約13億円のうち市税負担が2億5000万円に上る。<br> | ||
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+ | 5年以内に中核市と23区に支援策を講じることも決めた。<br> | ||
+ | 財政力のある23区は前向きで区長会が「準備ができた区から順次開設する」と表明している。<br> | ||
+ | 一方、中核市では18年4月移行を目指す兵庫県明石市が19年の開設を表明しているほかは、動きは鈍い。<br> | ||
+ | ある中核市の担当者は、こう漏らす。<br> | ||
+ | 「子どもの命に直結する仕事。正直、怖い」<br> | ||
+ | 〔2016年8月9日・貧困ネット、◆平成28(2016)年8月5日 毎日新聞 東京朝刊〕<br><br> | ||
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2016年9月13日 (火) 16:05時点における版
金沢市児童相談所
所在地 | 〒921-8171 石川県金沢市冨樫3-10-1 |
TEL | 076-243-1081 | FAX |
◇児相設置、中核市及び腰
児相は都道府県と政令市は設置が義務づけられているほか、中核市も設置できる。
中核市は住民に身近なだけに迅速な対応が期待されている。
金沢市児相では、学校や病院から虐待を疑う情報が入ると専門職である児童福祉司が直接話を聞きに駆け付ける。
市内ならどこへ行くのも30分以内。
今寺誠所長は「電話では状況がわかりにくい。この機動力こそ、中核市の児相の強みだ」と話す。
金沢市が児相を開設したのは06年。
県内の児相は計3カ所に増え、児童福祉司の数も約1・5倍になった。
県にとっても人口の4割を占める金沢市の業務が分離されたメリットは大きい。
県子育て支援課の担当者は「市児相がなければ増加する虐待相談に十分対応できなかった」と話す。
だが、47中核市で児相を設置しているのは金沢市と神奈川県横須賀市の2市にとどまっている。
壁は人材と財源の確保だ。
特に専門職の養成は中核市だけの課題ではない。
厚労省内で4日開かれた全国児童相談所長会議で、相模原市で養父の虐待を受けた中学生が14年11月に自殺を図り、今年2月に死亡した問題について報告した市児相の細谷洋一所長は「組織として未熟だった」と述べた。
学校からたびたび虐待通報を受けていたが、担当の児童福祉司は「緊急性はない」と判断。
上司にも報告しなかった。
同市は約6年前に政令市となり、児相を設置した。
当時、職員約30人の大半は他の児相で1~2年の研修を受けただけ。
細谷所長は取材に「職員が一人前になるには10年も20年もかかる」と話した。
財政面では、横須賀市は14年度の運営費約13億円のうち市税負担が2億5000万円に上る。
税収600億円規模の自治体にとって負担は軽くない。金沢市も市税負担は2億円を超える。
今春成立した改正児童福祉法では新たに東京23区も児相を設置できるようになった。
5年以内に中核市と23区に支援策を講じることも決めた。
財政力のある23区は前向きで区長会が「準備ができた区から順次開設する」と表明している。
一方、中核市では18年4月移行を目指す兵庫県明石市が19年の開設を表明しているほかは、動きは鈍い。
ある中核市の担当者は、こう漏らす。
「子どもの命に直結する仕事。正直、怖い」
〔2016年8月9日・貧困ネット、◆平成28(2016)年8月5日 毎日新聞 東京朝刊〕
児童虐待:相談332件 金沢市、昨年度 前年度比20件増 /石川
金沢市は13日の市議会市民福祉委員会で、昨年度に市が把握した児童、障害者、高齢者に対する虐待状況を示した。
市児童相談所への相談は、前年度比20件増の332件。
被害の類型別では、言葉による脅しや無視など「心理的虐待」143件▽身体的虐待113件▽養育を放棄するネグレクト76件。
相談は警察からの123件が最も多く、次いで「近隣・知人」の55件だった。
被害児童の年代別では、3歳未満71人▽3歳~小学校入学前82人▽小学生113人▽中学生40人▽高校生・その他26人―だった。
主な加害者は、実母170人、実父133人で大半を占めた。一時保護は11件減の145人だった。
障害者に関しては、相談・通報が寄せられた29件のうち3件(男性3人、女性1人)を虐待と判断した。前年度から2件減った。
1件の被害でも複数の被害類型にまたがっているケースがあり、身体的虐待と、必要な金銭を使わせないなど「経済的虐待」が各2人、心理的虐待が1人だった。
事業所職員が虐待を加えたケースもあった。
高齢者は、相談・通報が135件あり、66件(女性48人、男性18人)を虐待と認定した。
身体的虐待が37人と最多で、介護・世話の放棄が26人と続いた。
〔2016年5月24日・貧困ネット、平成28(2016)年5月14日 毎日新聞 地方版〕