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Center:2000年6月ー 規則だらけの中学校に親子とも消耗

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2011年5月13日 (金) 11:13時点における版

規則だらけの中学校に親子とも消耗

〔2000年6月15日〕
相談者=母。
相談該当の人=学年・中2、男。

現在中学二年生、意識的に「登校拒否」の道を選択して、まだ十数日目ではありますが、自分の道を求めて、手探りの息子のことで御相談したく、お手紙を差し上げました。
中学校に入って、小学校とは全く違って、「中学生なのだから…」「こうあるべき」と上から頭ごなしに対応される先生方へ、カルチャーショックの毎日でした。
「なぜ茶髪やピアスをすると中学生らしくないのか、人間の価値は外見ではないはず!」だとか、「靴の色、ベストの色、下着の色までなぜ、決めなけ ればならないのか」という校則への疑問。分かるように教えるのが先生の仕事のはずなのに、成績でおどしたり、他のクラスと成績で比べたり、分からない子に 「あきらめた」表情を見せる先生への反発。暴力で押さえつけたり、子どもたちを傷つけてしまう言葉を思わず口に出してしまう先生方、友達の冷たさ等に、毎日のように愚痴っていました。
それが反抗的な態度や服装違反などにもなり「あなたはいつも集団を乱す」「あなたたちのせいで、勉強ができない」と先生方にいわれたり、実際、授業態度が悪いことから、平常点がない、露骨に成績評価にもはねかえり、学習意欲も月日を追うごとに失せていきました。
それでも、部活動だけは楽しい、部活動 (バドミントン)を生きがいのようにして、通学していました。
しかし、一年生の二学期末頃から、部活動の中での"しごき"のおかしさに「肉体的なきつさではない! 自分のプライドが許せないのだ」と、次第に精神的に追いつめられ、イライラし、大好きだった部活動も「バドミントンは好き。でも、部活はイヤだ」と悩み、夜も寝つけない風でした。 部長の独裁のような活動で、出来る子、ご機嫌とりの出来る子は、部長の取りまきになり、出来ない子は罰を与えられ、あざ笑われ、けなされ…そうした雰囲気が息子にはどうしても許せない、精神的に耐えられないようでした。
息子の言う部活動のありようは私共、親としてもおかしいと思えるものでしたので、学校にも、「部活動でこういうことがあってるようです」「わが子が 悩んでいる」と相談したのですが、悩みは聞いて下さるものの、本当のところどんな部活動なのか顧問の先生に聞いてもわからずじまいでした。
本当はバドミントンは続けたい、一年生の時からレギュラーになれて、上達を楽しみに頑張ってきたわが子が、とうとう「バドミントンも嫌いになったか ら部活もやめたい」と口に出し、ついにそれを理由に家出までして、「やめていい」というまで、家にも帰らないと追いつめてしまいました。
私たちが親としてはあと数か月で部長も引退するのだし、せっかくここまで頑張ってきたのだから続けて欲しい。世の中に出れば、こんな"しごき""お かしさ"はたくさんあるのだからこれに耐えてふんばる強さを持って欲しいと、子どもに求めたことが、「お父さんも、お母さんも、自分の気持ちを分かってく れない」「自分はそんなに強くない」「頑張れない」と、家を出るところまで、わが子を追いつめてしまいました。
結局、子どもの思いつめた気持ちを受け入れて部活動は実質やめた形になりましたが、それ以降は、仲の良い友達に逢うため、共に遊ぶためだけに学校に行く形になり、学習への意欲は全くなくなり、先生方の言動へいちいち反発し、服装等の違反はエスカレート、毎日のように注意され、反発反抗し、イライラが 爆発寸前の日々でした。
最終的には、違反したので取り上げられていたベストを「返せ」「返せない」という先生方とのやり取りの中で、「そんなに言うなら他の学校に行ったらいい」という売り言葉に買い言葉で「こんな学校やめてやる!」と言って、学校を休み出しました。
体育会の数日前でしたが、「体育会当日だけは、みんなに迷惑をかけたらいかん」と参加し、きちんと競技も、やり通してきました。
その後一日だけ、迎えにきた友達の友情に応えて登校しましたが、以後十数日休んでいます。
友達と遊びたいので、それだけだったら、「学校に行く」「行きたい」という所で、ときどきは心は揺れるようですし、友達は、よく電話をくれたり、帰りに寄ってくれたり、土日は連絡を取りあって遊んでいます。
担任の先生は、わが子の"あがき""もがき"を見守って下さりながら、規則違反等々も大目に見ながら、わが子の心を受け止めよう理解しようと努めて来られたのですが、学校というシステムの中では、やはり、わが子のありさまを全面的には認めるわけにもいかず、ずっと悩みながら関わって下さってはいます。
しかし、私としては、このまま、友達に逢うだけのために学校に行ったとしても、わが子は、決して先生方への反抗的な態度を改めようとしないだろうし、納得いかないからとことごとく服装、頭髪等も違反したスタイルになっているので、とうてい学校では認められず、毎日毎日、注意され、それがまたストレスになり、イライラして切れやすくなる日々を送ることにしかならないので、今のままでは、登校させたくありません。
服装違反など表面上の子どもたちの「違反」には、いちいち口をすっぱくして「中学生らしく」指導を強要しようとされるくせに、わが子が、夜遅くまで 悩み続け、家まで出ようとまで思い詰めた部活動の中での「おかしさ」「不合理」には、真相究明も指導も何もされようとしなかった学校のありさまには私は非常に腹立たしい思いで一杯です。
見かけだけの「おりこうさん」を求めて、子どもたち一人一人の心のありさまにはちっともくい込めない、服装をきちんとし、勉強も真面目にやってれば、人をあざけり笑い、傷つけて、おかしいことを見て見ぬふりをしている子どもたちであっても「いい子」とでもいうかのような教育のあり方、中学校の中では、わが子は、わが子らしく生きていけない気がしてこのまま「登校拒否」を意識的に続けさせようと思っています。
こういう「登校拒否」もあってもいいのでは…と思いつつ、そうなるとわが子のこれからの未来をどう切り拓いていってやればいいのだろうと不安も一杯です。
高校生だと、不登校に対する受け皿もかなりあるようなのですが、中学ではまだまだ地方には、受け皿が少なく、いくつかの不登校に関する本を見ましても、県内のフリースクールのなどは、ほとんどないようで悩んでおります。
「自分は不登校じゃない。登校拒否かもしれんけど…」といいつつ、自分のような子も全国にはいろいろいるだろうということ、目の前の狭い世界の中でイライラしたり、やる気をなくしているわが子の視野を広げ、意欲をもたせたい、そのためにどのようなことが親として出来るのか、情報や方法がほとんどなくて、悩んでおります。
とりあえず、この数十日で心の安定も取り戻し、少々前向きになってきたわが子はパソコン教室に通うこと、土日に社会体育のレクリエーションサークル のバドミントン教室にまた通い出すこと、これまで趣味でやってきた空手や陶芸、ピアノは続けていこうと思っていますが、昼間の時間持て余し友達恋いしく、 ときどき「学校に友達に会いにいこうかなぁ」と言ったりしています。
県の近辺にも、フリースクールはあるのでしょうか。そのような情報等がありましたら、教えていただけると幸いです。
まだ、勉強への意欲はほとんどありませんが、今後の進路獲得に向けて、やはり学力の遅れも正直言って気になる所でもあります。 中学校に通わなくても、もし本人がやる気になれば、サポート出来る仕組みというのは、中学生の不登校でもあるのでしょうか。
そのようなことについても、全く手探りの状態です。 まことに手前勝手なお願いですが、もしそのような件についてご存知のことがおありでしたら、教えていただけると幸いです。
長々とお便りを書いてすみません。いわゆる不登校とも言えない気がして、我が子の状況を長々と書いてしまいました。どうか、アドバイス等、お忙しいとは思いますが、何卒よろしくお願いします。

【回答】

お手紙を拝見いたしました。
中学校とその教員に対して感じられていること、本当に悔しい思いをされていることと思います。
学校という役所、教員というお役人を相手に、教育とはこれこれ…という取り組みは、とても疲れますし、少なくとも自分の子が在籍している間に、これといった成果を期待するのは難しいでしょう。
ただ、後々子どもたちのために、誰かがそのような挑戦をしているのはムダではないかもしれません。そういう気持ちで関われるのであれば、対学校・教員交渉をつづけられるのも意味のあることだと思います。
そうでなければ、わが子の在籍中のために何か成果を、と思っていては、空しくなりますので、力を抜いた方がいいでしょう。
問題は子どもさんの友達のことです。これは子どもさん自身が決める方がいいでしょう。
決めると言っても、日常的なことですから、うまくいくこともあるし、失敗することもあります。
それら全部を含めて、子どもさんが自分で体験するべきものだと思います。友達と会うために学校に行くと言えばそうすればいいでしょう。
学校に行くと教員からいろいろ言われて、学校では友達と会えない、と思えばそうすればいいでしょう。
それをすべて子どもの判断、行動のしかたに任せたほうがいいと思います。
友達こそ、子どもの成長あるいは生存にとって、親が考えている以上に大事なものです。
それを親の意向で左右しない方がいいでしょう。
親が「学校に行かない方がいい」と言ったことが、友達とのつながりを断つことにもなりかねませんので、要注意だと思います。
近くのフリースクールという点について。交通感覚がわかりませんので、少し遠方であっても列挙してみます。
あとは子どもさんと一緒に訪ねてみてはどうでしょうか。

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