新しい産業としての各種相談・療法業
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いまはまだ萌芽期にあたる時期といっていいでしょう。<br> | いまはまだ萌芽期にあたる時期といっていいでしょう。<br> | ||
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それは社会に広がる鬱(うつ)や大きな時代の変化にともなう漠然とした不安感への意識的・無意識的な対応でした。<br> | それは社会に広がる鬱(うつ)や大きな時代の変化にともなう漠然とした不安感への意識的・無意識的な対応でした。<br> | ||
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不登校・引きこもり・うつ状態などの広がりはその具体的なものですがそれへの言及は別に扱うことにします。<br> | 不登校・引きこもり・うつ状態などの広がりはその具体的なものですがそれへの言及は別に扱うことにします。<br> | ||
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2018年2月26日 (月) 23:30時点における最新版
新しい産業としての各種相談・療法業-0の4
(2014年9月11日)
心理相談室が広がる状態をみる(報告その2) 〔2014年9月〕
ポータルサイトCOMなどを見ながらの第2レポートです。
心理相談室などの広がりは、経済社会活動としてみると各種の相談・療法業が新しい産業として誕生しつつあると見ることができます。
いまはまだ萌芽期にあたる時期といっていいでしょう。
十年以上前に、大学に心理学ブームらしいものがありました。
それは社会に広がる鬱(うつ)や大きな時代の変化にともなう漠然とした不安感への意識的・無意識的な対応でした。
不登校が社会的な問題になったのは社会全体の状況の先取りです。
子どもはいつの時代でも問題を先行して表面化させます。
いまは子どもから社会全体に問題が広がりました。引きこもりはその中心的な社会問題の1つです。
大学の心理学ブームは少しずつ職業としての素地をつくってきました。
そして職業選択から相談・療法業の成立にたどり着きました。
職業として確立しているのは医療機関や保健機関など公共機関に働く人たちです。
その状態から独立した経営単位として心理相談室としてどう確立していくのか。
その動いている現場にいる感覚です。
職種の仮分類
COMサイト・東京都からは大雑把ですが次の様子をうかがい知ることができます。
おおよそのところを分類してみました。
より正確にはそれぞれの施設から直接に回答を寄せていただくしかありません。
そういう職種の区分けの難しさ(実際にはできないかもしれません)、不正確さを承知した上での傾向把握のためです。
・心理相談室・心理療法室 269件
・スピリチュアル・ヒ-リング 20件(アロマテラピーなどを含む)
・職業相談・転職相談・留学 10件(報告その1の(2)の⑤で除いたもの以外)
・身体療法(気功・整体など) 6件
・会話(電話相談のみを含む) 5件
・結婚・離婚・恋愛相談 4件(報告その1の(2)の⑤で除いたもの以外)
・占い・開運 2件
・不明 4件
合計 320件
独立した経営単位として先行するものに、職業相談的なこと(ガイダンス)、伝統的な民間療法とその現代的な呼称にあたるスピリチュアル・ヒーリングの施設、整体療法などの身体療法師、占い師などがあると思います。
心理学に基づく各種の療法はこれらの素地の上に、ときには伝統的な療法を否定する形で、ときにはそれらと融合する形で徐々に広がっています。
ここには薬物療法に偏りがちな精神医療への不信も関係しているとみて間違いなさそうです。
心理療法室が生まれ始めている状況
不登校の親の会を主宰していた人の何人かがいつの間にか心理療法室を開いているのを知っています。
不登校を経験した人が心理学・心理療法に関心を寄せ、心理職に就いていく例はますます増えています。
ビジネスとしての仕事起しだけとは思えません。
そういういくつかの見聞のうえに今回の情報収集作業にともなう心理相談・カウンセリングを続ける人たちのHPの閲覧です。
その過程で漠然と直感的に把握することがあります。
家族に生活を頼っている人が自宅等で新規事業として始める取り組み、その中には主婦の仕事づくり、家事手伝い状態や無業者的なニート・引きこもり状態の人も混じっているという推測です。
HP上のどこにもそんなことは明示してありません。
しかし、そのページから受け取る感覚的なニュアンスは、私が引きこもり経験者から感じるニュアンスときわめて近いものが混じります。
そうでない一般人からは受け取る(ビジネスとしての仕事起こし)にはない感覚的な要素です。
これが「無業者的なニート・引きこもり状態の人も混じっている」と推測する根拠です。
これをもって笑止な推測の根拠と言われればそのとおりと認めるしかないものです。
COMサイトを見て分かること、それはまた「メンタル相談」ページに掲載されている施設についても同じです。
施設の規模が小さいことです。
個人オフィスがかなり多数を占めます。
HPがどうこうよりも、カウンセリング施設として成り立っているのかどうかと思われるところもあります。
クライエントがさほど多くないのに独自施設にするだけの意味はなく、自宅兼用も多くなります。
あるHPにアクセス者のカウントが載っていました。
1日数人(10人未満)です。
そこに力をそそぐだけでは運営できるレベルに到達することは期待できないのです。
もちろん比較的恒常的に運営されていると思うところもあります。
整体施設などの身体療法施設は比較的安定しているように思えます。
それはカウンセリング療法的な内容ではなく、身体療法施設の性格に負うところが大きいと思えます(心身二元論ではありませんが)。
ここではHP制作にさほどの時間は取れません。
時間をかけてもそれに見合うものが獲得できないからです。
対応方法として、メール相談に加えてSkypeを活用するところがでてきています。
対面方法、訪問方法にくわわる方法です。これからも増えていくでしょう。
それでも各施設のホームページではさまざまな工夫を凝らしています。
まずHP全体がきれいであることは比較的共通しています。
活用する各療法の詳しい説明や事例紹介、ブログやフェイスブックの活用も見られます。
HPが各施設の看板になる役割はあるのです。
特定商取引に関する法律による表示はまちまちですが、掲載しているところは少数です。
心理療法士などの相談・療法業が独立した職業になるには、ある程度の社会的な条件が必要であると考えられます。
しかし、その条件はまだ不完全です。
パソコンとインターネットの普及は社会的な条件の1つ、技術的な基礎です。
社会的な条件の基本は、日本人のおかれた状態の変化とそこから生まれる生活や感情生活の変化です。
不登校・引きこもり・うつ状態などの広がりはその具体的なものですがそれへの言及は別に扱うことにします。