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支援者として「ひきこもりの出口」を見つける

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本書の著者は、不登校やひきこもり、発達障害などに対応・支援するNPO法人「不登校情報センター」の理事( http://www.futoko.info/ )。<br>ひきこもり当事者やその親、支援者らとの関係を通じて考察した、ひきこもる原因についての分析や解説をつづっています。<br>
 
本書の著者は、不登校やひきこもり、発達障害などに対応・支援するNPO法人「不登校情報センター」の理事( http://www.futoko.info/ )。<br>ひきこもり当事者やその親、支援者らとの関係を通じて考察した、ひきこもる原因についての分析や解説をつづっています。<br>
 
「親の躾(しつけ)」をひきこもる背景とし、著者の視点からその原因を探求。<br>さらに当事者の心情を彼らの実体験を交えて解説し、ひきこもりの出口を当事者目線で提案しているよ。<br>
 
「親の躾(しつけ)」をひきこもる背景とし、著者の視点からその原因を探求。<br>さらに当事者の心情を彼らの実体験を交えて解説し、ひきこもりの出口を当事者目線で提案しているよ。<br>
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[[『ひきこもりー当事者と家族の出口』の書評]]<br>
 
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2019年3月9日 (土) 19:52時点における最新版

支援者として「ひきこもりの出口」を見つける

〔2013年5月30日〕
神奈川県「ひきスタ」に掲載してあるものです。
本書の著者は、不登校やひきこもり、発達障害などに対応・支援するNPO法人「不登校情報センター」の理事( http://www.futoko.info/ )。
ひきこもり当事者やその親、支援者らとの関係を通じて考察した、ひきこもる原因についての分析や解説をつづっています。
「親の躾(しつけ)」をひきこもる背景とし、著者の視点からその原因を探求。
さらに当事者の心情を彼らの実体験を交えて解説し、ひきこもりの出口を当事者目線で提案しているよ。

ひきこもりの「原因と結果」
著者は第1章でひきこもる理由を類型化して3つのタイプで捉えているよ。

①否定され責められつづけた―自己否定感が強く植えつけられ、それに苦しみ、無意識のうちに自分を取り戻そうとしてひきこもった人たち。
②過剰ともいえる保護のもとに置かれた―周囲がさまざまなことをセットする環境になっていて、受け身がしみつき、自己表現の方法が身につかず、無意識のうちに周囲から独立したところで自分のペースをつかむためにひきこもった人たち。
③幼児期から少年期にかけて虐待や強烈ないじめを受けた―精神的に不安定な状態になったり、対人恐怖などからひきこもった人たち。
この3つのパターンに表れているのは、ひきこもる理由や背景は人それぞれだということ。
そして①と②のようなパターンの要因には、親から「善意にあふれた」子育てを受けた体験が多く見られるんだって。
きっかけは様々でも、原因は「親の躾」だと著者は考えたんだね。
善意があっても悪意があっても、過剰な干渉は悪影響を与える。
自分がこうだったから子どもにはこうなってほしいという「理想」を本人の意向とは別に押しつけてしまうのかもしれないね。

もちろん、同じ状況にあってもひきこもる人とひきこもらない人がいる。
ではこの違いはなにか。
著者は「傷つきやすい心」の人がひきこもりやすいと言っているよ。

その条件・要素とは、「傷つきやすい心」の人だということです。
じつは、これも先天的要素が、後天的要素によって促進された部分があります。
「傷つきやすい心」の人は、まわりの人との意見の違いはもとより、感覚(感じ方)の違い、振る舞いの違いをとても気にします。
そのために、自分をダメな人間と感じてしまうこともあります。
自分も心当たりあるなあ…人からどう思われているかってすごく気になるよね。

「社会性」を身につける
「傷つきやすい心」を持った人が、生きやすくなるにはどうしたらいいのか。
著者は成長過程、その中でも思春期に「社会性」を身に付けるべきだと考えているみたい。
では著者の言う「社会性」とはどういうことか見ていこう。

①集団をつくり、その中で生活しようとする性質。
②社会生活の中で、めいめいが、いかに生きるべきかという問題について考えさせる傾向。
③個人・家庭の殻を破り、広く社会の中の出来事全般に目を開く知的思考。「―を養う」。
④個人や特定の組織の枠にとらわれず、社会全般に広くかかわること。
ひきこもる人の多くは前述の通り「傷つきやすい心」の持ち主で「繊細な人」。
こういった人は言い争いや喧嘩を避けるために意識的に人との関わりを避ける傾向にあるみたい。
集団の中で生活したり、社会に広くかかわったり…言葉では分かるけれども、なかなか難しいよね。
こうした「社会性」を身につけるには、実践することが一番いいのかもしれない。
例えば友だちとケンカしたあと仲直りするには、どうしたってその友だちと話したり会ったりしなければ解決できないよね。
関係を断ったままでは、2人の仲が修復されることはないんじゃないかな。
社会で生きていくということは、著者にしてみればこうした人とのつながりを持つことであって、そうするためには他人とコミュニケーションを取ることが大切になりそうだよ。

だからといって、急に学校や職場に行ってコミュニケーションを取るのは高い壁。
そういう時にハードルの低い場所、例えばフリースクールやフリースペースを活用するといいんじゃないかと書かれているね。

最後に、著者がこんな風に言葉を寄せているよ。

人間関係をつくる練習の場、練習試合に、少し勇気を出して参加することから、人とかかわる力をつくる作業は始まります。
だれでもはじめは慣れないのですから、うまくいくとはかぎりません。
多くの居場所は、ひきこもりの人たちを受け入れようとしています。
うまくいきそうにない、自分には合わないと思ったら、二度とそこに行かなければいいのです。
ただ、場所の設定者として言わせてもらうならば、「場慣れ」するだけの時間は必要な気がします。
第一歩を踏み出すのは大変なことだし、「場慣れ」には時間も必要だと話しているね。
ただ、ひきこもっている状況を打破したい、大きな変化を望みたい…ふとそう思うことがあれば、この本の言葉が背中を押してくれるかもしれないよ。

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