Center:病院を受診させたいが動かない
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2017年9月25日 (月) 18:22時点における最新版
理解しようとする姿勢が信頼感を生み受診につながる
〔質問127〕病院を受診させたいが動かない
長く引きこもっています。
2年ほど前はときたま外出もしていましたが、それ以降は玄関を出ません。
食事は少ないし、父親を見るとすぐに自室に入ります。
昼夜逆転の生活のようだけれども、あまり寝てはいないように思えます。
表情はさえないし、よくそんなに思いつくなというほどあらゆることを否定的に、自分への攻撃に受け取って、
聞いている方がイヤになるほどです。
病気だと思うので病院に連れて行きたいが、行きません。
散髪も行かないし、眼鏡の壊れたのも直しに行けません。
病院に連れて行くにはどうすればいいのでしょうか。
〔お答え127〕理解しようとする姿勢が信頼感を生み受診につながる
確かに自傷他害的な行動のない人を強制的に病院に連れて行くのは難しいです。
本人をその気にさせるしかないのです。
病院は「連れてきてください」とはいいますが、初診予約を数回キャンセルすると以降は受診拒否のところもあります。
自治体・保健所は自傷他害的な行動があり、所定の法的手続きをしたときでないと動けません。
「家族が何とか連れてきなさい」と家族に下駄を預けた状態になります。
これが受診手遅れの原因なのかもしれません。
家族間の信頼関係をつくることが大事になります。
厄介者扱いされてきたのでは家族に信頼をおけません。
その生活状態を理解できなくても理解しようとする姿勢が信頼感をつくります。
時間がかかりますが、それが基本的な対応です。
その結果、親の思いを感じて受診する気持ちが出てきます。
子どもの虐待の場合は、行政に強制的な介入を認めていますが、それでも強制介入は難しいものです。
成人年齢以降のこのような場合はいっそう難しいです。
しかし家族の心配からのものであるのが救いになります。
本人との家族関係を改善しようとすることを基本に、
家族が福祉施設や周囲の人に相談や協力を求めていく行動を続けます。
周囲に協力者をつくり、手がかりを見つけていきたいです。
特効薬的な方法は知りません。
〔2010年6月〕
回答者と所属団体
松田武己・不登校情報センター相談室