「助けて」と言えない
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今から15年前、当時はリーマンショックの影響で派遣切りが多く行われ、派遣社員が職を失い多くがホームレスにならざるを得ない社会状況でした。<br> | 今から15年前、当時はリーマンショックの影響で派遣切りが多く行われ、派遣社員が職を失い多くがホームレスにならざるを得ない社会状況でした。<br> |
2024年6月19日 (水) 15:23時点における最新版
==「助けて」と言えない==
〔会報『ひきこもり周辺だより』2024年1月号〕
NHKのクローズアップ現代が30年を迎え、過去の番組をもう一度見る機会がありました。その中で2009年放送の 「助けて」と言えない がありました。
今から15年前、当時はリーマンショックの影響で派遣切りが多く行われ、派遣社員が職を失い多くがホームレスにならざるを得ない社会状況でした。
湯浅誠氏発案による「年末派遣村」が行われたのは2008年の年末の事。当時の社会状況の厳しさを思い出しました。もともと人数の多い団塊ジュニア世代に比べ、就職超氷河期という社会の荒波の影響をもろに受けて弾き飛ばされてしまった30代も多くいました。
そんな追い詰められた当時の30代の多くが職を失い、ホームレスとなりながらも「助けて」と声をあげられない当時の状況を取り上げた番組でした。
努力していないから。自己責任だから。自分の頑張りが足りないから。みんな大変だから。相談してもどうにもならないから。
そんな彼らが追い詰められてもなお、「助けて」という事ができないどうにもならない無力感が心を締め付けました。
私たちも何か問題があるとそんな気持ちになってしまいがちですよね。
30代のホームレスの青年が「かわいそうとかみじめとか思われたくない」と感じ、頑張ってもそれが報われない社会環境の中で「今の状況は自分が弱いからだ」「自分が悪いからだ」と自分を責めてしまう。そして孤立をしていく姿は今の私たちにもつながる部分があるのかもしれません。
社会の状況や何らかのアクシデントでうまくいかないことが人生には往々にしてあるものです。それは決して自分が悪いからではなく、そのことで自分を責めることでもありませんね。そんな状況の今を認める。そして自分の弱さをも認める。自分を嫌いにならない。そこから始まるなにかがあるはずです。
「助けてといえるような壁は一人で壊しきれない。」番組の中で、ホームレスから援助者の協力を得て生活を立て直した若者が言っていました。困難な状況にある時、当事者が解決できることは限られているような気がしまた。
私たちももし今困ったことがあったら、だれか第三者に話してみて、必要であれば人の手を借りることをためらわないでいたいと思います。
その時人の手を借りたとしても、そうして助けられたと感じた人は、いつか巡り巡って誰かの力になっていくのではないかと感じます。そうして社会は今までも回ってきたし、これからも回っていくと信じたいものです。
この番組ユーチューブにもアップされています。ご興味のある方はどうぞ。