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| ==特定非営利活動法人 児童虐待防止協会== | | ==特定非営利活動法人 児童虐待防止協会== |
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− | '''核心 子ども虐待死で連携は? 児相と警察 茨城と愛知 情報共有進む 個人情報提供には抵抗感も'''<br>
| + | [[Category:子どもの虐待・大阪府|じどうぎゃくたいぼうしきょうかい]] |
− | 児童相談所(児相)と警察の連携不足から、虐待を受けていた子の命を救えなかったケースが後を絶たない。<br>
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− | この反省から、茨城、愛知両県は、児相が把握した虐待の案件を幅広く警察に提供する取り組みを始めた。<br>
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− | 一方で、福祉的支援に警察が過度に関与することを不安視する声もあり、現場では試行錯誤が続いている。<br>
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− | '''救えた命'''<br>
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− | 東京都目黒区のアパートで今年三月、女児(5つ)が父親(33)から顔を殴られるなどして亡くなった。<br>
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− | 香川県から転入して、一カ月余りでの悲劇だった。<br>
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− | 「SOSに気付いてあげられなかった…」と、近所の六十代の女性は今も悔やむ。<br>
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− | 都は二〇一六年十月から、身体的虐待を受けた子の一時保護を終えて家庭に戻す際に、警視庁に家庭の情報を伝えている。<br>
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− | 情報提供は年間約二百件で、児相が関わる案件の一割程度だ。<br>
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− | 目黒区の女児も二度、一時保護されたが、東京に引っ越してくる前。<br>
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− | そのため、目黒区を管轄する品川児相は、香川側から引き継いだ情報を警視庁に伝えなかった。<br>
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− | 捜査幹部は「救えた命だった」と残念がる。<br>
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− | '''変化'''<br>
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− | より積極的に警察と連携する自治体もある。<br>
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− | 茨城県は今年一月、児相が虐待を確認するか、疑いがあると認めた全案件について、子どもの氏名や住所、生年月日などの情報を県警に提供し始めた。<br>
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− | 愛知県(政令指定市の名古屋市を除く)も四月、児相が通告を受けた全案件について、調査の結果虐待でなかったと判断した事案も含め県警に伝える協定を結んだ。<br>
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− | 高知県は〇八年から、県警と情報共有している。<br>
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− | 茨城県は一~三月、二百三十件近くの情報を県警に伝えた。<br>
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− | 県の担当者は「警察官と面接することなどで、保護者を指導しやすくなった」とメリットを感じている。<br>
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− | 運用後半月で約三百件の情報を提供した愛知県の担当者は「最悪の事態に備え、幅広い情報共有が必要だ」と説明する。<br>
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− | 警察庁OBで、NPO法人シンクキッズ代表理事の後藤啓二弁護士は「情報を一つの機関で抱えるのはもはや限界。警察の力を生かすべきだ」と強調する。<br>
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− | '''慎重'''<br>
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− | 警察への情報提供に慎重な自治体もある。<br>
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− | 都の担当者は「虐待じゃなかった家庭の情報まで捜査機関に渡していいのか」、横浜市も「今は様子見だ」と話す。<br>
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− | こうした自治体は、警察に情報を伝えることで、保護者との信頼関係にひびが入り、保護者が児相を避けるようになることなどを恐れる。<br>
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− | さらに、都が愛知方式を取った場合、月約千件の情報を警視庁に伝えることになり、個人情報の扱いとして抵抗感が根強い。<br>
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− | NPO法人児童虐待防止協会の津崎哲郎理事長は「福祉的に支援したい場合と事件を立件したい場合で、調和が取れないことも出てくるのではないか。愛知県の取り組みをしっかり検証する必要がある」と話す。<br>
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− | '''(メモ)児童相談所と警察の連携'''<br>
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− | 厚生労働省は2016年4月、警察から求められた場合、児相は子どもがいる家庭の状況を伝え、情報共有を徹底する通達を出した。<br>
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− | 17年に同省審議会がまとめた虐待死の検証報告書によると、15年度にあった虐待死案件で、児相が警察に情報提供していたのは半数にも満たない。<br>
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− | 一方で、警察から児相への通告は年々増え、17年は6万5000人超。<br>
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− | 埼玉県では認知した虐待の約6割、千葉県は半数が警察からの通告だった。<br>
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− | 〔◆平成30(2018)年5月21日 東京新聞 朝刊(木原育子、加藤健太)〕 <br>
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− | '''◇行政把握は困難'''<br>
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− | こんな壮絶な虐待も行政レベルでは把握することはできず、件数にも数えられていない。<br>
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− | それほど虐待の発見は難しい。堺の3歳児遺棄では自治体や児童相談所は、何度も接触を図りながら対応は後手に回っていた。<br>
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− | 「(健診を)延期してほしい」「実家に預けている」。<br>
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− | 両親らの言い訳にさらに一歩踏み込むことはなかった。<br>
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− | 元大阪市中央児童相談所長で、NPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「あざがあるとか、立たされていたといった『目に見える』虐待への対応に追われているのが実情だ」と説明する。<br>
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− | '''◇ベテラン少なく'''<br>
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− | 厚生労働省によると、平成26年度の児相の虐待相談対応件数は8万8931件で11年度の約7・6倍に急増。<br>
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− | 一方で、対応にあたる児童福祉司は27年度は2934人で11年度と比べると、約2・4倍の増加にとどまる。<br>
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− | さらに、児童福祉司の経験年数は5年未満が約6割を占め、10年以上のベテランは約17%しかいない。<br>
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− | 近畿のある施設担当者は「土日に自主的に懸案の家庭を訪問するのは、もはや当たり前だ。残業は、過労死してもおかしくないレベルを超えているし、経験が必要な難しいケースも多い」と明かす。<br>
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− | こうした中、今年5月、改正児童福祉法などが成立し、児相の体制強化策として、中核市での設置支援や弁護士の配置などが盛り込まれた。<br>
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− | ただ、厳しい職場環境で児童福祉司が育たない中での今回の強化策に疑問の声も出ている。<br>
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− | 「親が行政の関わりを嫌がることもめずらしくない。今回の事件は児相や行政が危機感を持って対応しなければならないことを突きつけたが、単純に経験の浅い児童福祉司が増えても何の解決にもならず虐待は止められない」。<br>
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− | 津崎さんは力説する。<br>
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− | 〔◆平成28(2016)年12月16日 産経新聞 大阪朝刊〕 <br>
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