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中学校内の居場所サミットに参加して

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2024年9月25日 (水) 07:39時点における版

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中学校内の居場所サミットに参加して

9月16日、祝日の月曜日、「中学校の居場所サミット2024」が池袋駅西口方面の豊島区立西池袋中学校で開かれました。
昨年から校内フリースクールという取り組みが広がり、その一端を知るつもりで出かけました。
報告されたのは都内4中学校のばあいで、取り組みの歴史は昨年から始まったものではなく、さらに以前からのものです。
この日の発表では「校内フリースクール」という言葉は全くなく、中学校内の居場所的なとりくみです。
発表したのは豊島区立西池袋中学校「にしまるーむ」、西東京市立柳沢中学校「ヤギカフェ」、足立区立花保中学校「ASK」、板橋区立第三中学校「SBSルーム」です。
校内フリースクールはこうした先行した取り組みを文科省・教育委員会が教育内容改革を目指して導入したものと考えられます。

全体として感想は、不登校情報センターで行っていた居場所の中学校版で、それがより組織的に支えられる形で行なわれていることでしょうか。
様子は4校で少しずつ違いますが、ある発表で「ゴールはその子がやりたい所でやりたいことをする」、別の発表で「居場所として生徒に共通する目的を持たない」(表現はこの通りではありませんが)あたりでしょう。ある報告では必要なのは“ゆるい”、“ぬるい”、そして安全とありました。
発表者の一人が教育基本法第一条にある「教育の目的は、人格の完成をめざす」ことであって、「学校に登校する」ことではない、と言われました。
これらのすべては私が取り組んでいたことと共通する思いでした。
不登校情報センターで行なわれていた居場所と違うのは、学校のおかれたそれぞれの条件のなかで、地元住民の協力がある、ボランティア的な大学生が加わっている、公式筋の教育委員会や学校が公認し推進している、中学校の教師はその場には出ていないが応援している…あたりです。
これには子ども支援団体であるNPOが入っているばあいと、そうでない場合があります。
居場所に加わっている生徒へのアンケート回答がありました。そこには相反する傾向がみられます。
居場所に「話しかける人がいる」と「話しかけない人がいる」をそれぞれ肯定的・否定的に感じる人がいます。また「目的がある」と「目的がない」というのも、それぞれ肯定的・否定的な人がいます。
相対立する要素によるのは、不登校情報センターの居場所でもありました。
情報センターではアンケートを取ってはいませんが、プログラム的な方針をもって関わってほしいという人が一方にいて、そういう人にはモノたりなかったでしょう。
他方には居場所では何かに基づく方向性がないのがよかったと考える人もいたのです。
情報センターのばあいは共通する目的・方針はなく、人のいる場にいて、そこで自分で何かを見つけていく、それに気づくことであったと思います。
後に私はそれを表現→自分で表現していくことになると考えたのです。
目的をもって動く前に、自分で感じとること、自分の心の奥にある潜在的な力に気づくこと——それが結局は本当に生きる、継続する力を育てると感じたわけです。

居場所サミットである発表者が言いました。
学校の先生は真面目で、生徒に対して、目的をもって動きだすように考えて促す——生徒は無言のなかにそれをキャッチして「ねばならない」状態におかれていく——それができる生徒とはその芽があるときであり、それが熟していないとストレスになり、伸ばす芽をつんでしまう。
それが自己否定感を強める——こう解釈する多くは私(松田)の言葉です。
目的追求をする力が熟していない時期とは、その基本的な心身の体力をつくり、自分がしたいことを探す時期だと思うからです。

「居場所サミット」では他にもいろんな面がありますが、私の感想としてもう1つだけ述べましょう。
教育実践の方法——とくに教育実践記録、これは私が教育編集者の時代に特に熱心に追求してきたことですが、その意味するところを深くとらえ直す機会になったと思います。
子どもの現状に根差し考え抜かれた教育実践を追求した私が、高卒年齢を超えたひきこもり経験者を対象に脱力型の居場所をなぜ長期間運営しつづけたのか。
その説明を今ごろになって改めて考える機会になった——その不思議さを感じています。
その根源的な力——人は生まれてきたことを喜ばれ、この世に生きることが肯定的に思われること——逆を言えば乳幼児期に粗末に扱われ、子ども時代にイヤな思いをくり返した経験を越えて自分が信じられ、人と世の中を肯定的に考えられるという意味での自己肯定感をもたなくては、その上に置かれることはもろいものになる——その根源的な状態のうえに意識的な取り組みが意味をもつということを、私は教育実践の奥に感じたのです。
その根源的な力をそれぞれの人が身に着け、取り戻す場は、むしろ意図性や誘導が少ない状態、自然な動きや表現を好感して受けとめられる必要がある。
こういう面で居場所サミットの報告との共通点を見る思いでした。
不登校情報センターの居場所の経験を、この中学校で取り組まれる居場所に感じました。
校内フリースクールは、各地で多様に展開されているでしょう。
たぶん上からの公的な校内フリースクールも少なからずあるでしょう。
全体としてどう進んでいくのか、注目していきます。

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