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ひきこもりの状態像について

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==ひきこもりの状態像について==
 
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次に表現の特徴を考えてみます。<br>
 
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不登校やひきこもりは医学的な診断名というよりはいろいろな背景事情を持つ人が至る状態像です。<br>
 
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内科的な医療が必要なら、病名を診断し、それに沿った治療をします。<br>
 
内科的な医療が必要なら、病名を診断し、それに沿った治療をします。<br>
 
診断名の確定、治療法の改善などいくつかの課題はありますが、方法は明瞭であり、知見を重ねていきます。<br>
 
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精神科医療であっても同一の病名(診断名)には、その治療法を確立していきます。<br>
 
投薬が有効な場合はそれを使います。<br>
 
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ところがひきこもりは一人ひとりの状態像(診断名とはいいがたい)が違うし、個人の治療法を共通化するのは難しいのです。<br>
 
ところがひきこもりは一人ひとりの状態像(診断名とはいいがたい)が違うし、個人の治療法を共通化するのは難しいのです。<br>
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そうして共通項として得られるものは、対人関係つくる、社会経験積むことが大事になるというのはそこから得られる結論です。<br>
 
そうして共通項として得られるものは、対人関係つくる、社会経験積むことが大事になるというのはそこから得られる結論です。<br>
 
けれどもそれ以上の具体化となると難しいです(私の場合ですが)。<br>
 
けれどもそれ以上の具体化となると難しいです(私の場合ですが)。<br>
医療が関係すると安定はするけれども社会復帰のところはどこかに引き継がなくてはならない…という最初に予測したレベル十余り先に進んでいないことになります。<br>
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医療が関係すると安定はするけれども社会復帰のところはどこかに引き継がなくてはならない…という最初に予測したレベルからあまり先に進んでいないことになります。<br>
  
体験手記的な物語と、医療電場における主訴、それらとは中間の表現はないだろうか。<br>
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体験手記的な物語と医療現場における主訴、それらとは中間の表現はないだろうか。<br>
 
あります。直接の会話がそれです。<br>
 
あります。直接の会話がそれです。<br>
 
医療現場のデイケア、心理療法のカウンセリング、居場所での話し合いなどです。<br>
 
医療現場のデイケア、心理療法のカウンセリング、居場所での話し合いなどです。<br>
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からだを動かす運動などにも該当することがありそうです。<br>
 
からだを動かす運動などにも該当することがありそうです。<br>
 
可能な方法での社会的な体験なども当事者が表現する改善方法に結び付き、周囲の人が理解する手掛かりになります。<br>
 
可能な方法での社会的な体験なども当事者が表現する改善方法に結び付き、周囲の人が理解する手掛かりになります。<br>
こういう可能な取り組みのなかで国語辞典に表す方法は、主に会話を書いたものからキーワードを抜き出したものです。<br>
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こういう可能な取り組みのなかで国語辞典に表わす方法は、主に会話を書いたものからキーワードを抜き出したものです。<br>
 
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体験的な物語と医療現場における主訴の中間に位置するのですが、これもまた同じです。<br>
すなわち状態の改善方法に結び付き、周囲の人が理解する手が狩りを提供するのです。<br>
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すなわち状態の改善方法に結び付き、周囲の人が理解する手がかりを提供するのです。<br>
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[[Category:ひきこもり国語辞典|ひきこもりのじょうたいぞうについて]]

2024年1月16日 (火) 18:37時点における最新版

ひきこもりの状態像について

〔2020年秋ごろ〕
次に表現の特徴を考えてみます。
不登校やひきこもりは医学的な診断名というよりはいろいろな背景事情を持つ人が至る状態像です。
背景理由には、大きく分けると先天的なものと後天的なものが関係します。
両者の組み合わせにより、不登校やひきこもりの状態像に至ります。
先天的な理由には、繊細な感覚、発達障害、セクシュアリティーの特異性などが関係します。
後天的な理由には、乳幼児期の虐待、学齢期のいじめ、いろいろな時期の各種のハラスメントなどが含まれます。
繊細な感覚、発達障害、セクシュアリティーもさらに細かく分かれますし、虐待、いじめ。ハラスメントも一様ではありません。
先天的なものと後天的なものの組み合わせを見ると、一人ひとり違いますし、そこに家族関係、男女差、年齢差、経済状態、居住地域などの違いも重なります。
不登校やひきこもりの状態像はとりわけ一人ひとりみんな違った状態になるのです。
内科的な胃炎の個人差とか甲状腺腫の個人差などとは比較できない個体の違いだと思います。
ひきこもりを理解するとは、このような背景をある程度は予測しておかなくてはなりません。

かなり昔のことです。ひきこもりの居場所に来ていた1人が起き上がれなくなりました。
意識はあり気絶ではありません。外傷や内科的な症状は見られないけれども対処法はわかりません。
救急車を呼び、私は同乗しました。夜間の救急外来につきました。容体を説明します。
さてどう説明するかを迷いながら、その日の様子を話し始めました。
そうしたら予診の医師から遮られ、逆に質問を受けました。
何か食べましたか? 発熱は? 嘔吐は? という具合です。
その時点での身体状況の異変を確かめるものでした。
内科的・外科的な異常がないことを確かめて精神科の救急に引き継ぐという趣旨です。

私はひきこもりの相談活動をしていましたので、状態を確認していく方法に違いを実感したのです。
ひきこもり(不登校もほぼ同じ)の相談活動においては、その時点での相談活動の状態像は、それまでの成育歴や生活状況を物語として聞いていく作業になります。
その物語の中に家族関係、学校生活、友人関係などの背景理由があるからです。
内科的な医療が必要なら、病名を診断し、それに沿った治療をします。
診断名の確定、治療法の改善などいくつかの課題はありますが、方法は明瞭であり、知見を重ねていきます。
精神科医療であっても同一の病名(診断名)には、その治療法を確立していきます。
投薬が有効な場合はそれを使います。
ところがひきこもりは一人ひとりの状態像(診断名とはいいがたい)が違うし、個人の治療法を共通化するのは難しいのです。

ひきこもりの場合は、治療法というよりは対応方法と言われるのはここに関係します。
実際のところ成育歴、家族状況、友人関係などを繰り返し話し、聞いていくこと自体が重要な対応方法です。
ひきこもりの体験を聞く人がいて話す、体験手記として著す(表現する)のは、状態の改善、向上させる対応の意味があるわけです。
その人のひきこもり生活の物語、その人個人の物語ですが、何か似たところはないか、何か共通することはないかとヒントを探し、もしかしたら決定打を見つける気持ちで読み始めます。
自分と同じ、似ているという感想があります。
全体の流れとしては違うけれどもこの部分は参考になった、励まされた…という声を聞きます。
これは主に当事者からのものです。
しかし、当事者の側から聞かれるそれ以上の多くの感想は「自分とは違う」「あの人の場合は○●にめぐまれているから」ということで、違いを指摘する言葉です。
何しろ元もとの体験がかなり違うのですから、当然と言えば当然のことです。
同じ部分重な・重なる部分よりも異なる部分に関心が向いていくのです。
対応方法を探そうとする人にとっては、対応方法は1つではないことはわかっているのですが、いくつかのパターンがあるのではないか、共通項も見つけられるのでないか、そういう目で見ます。
そうすることは確かに役立っていると思います。
さらにはそれぞれの体験手記を独立した文学作品のように読み進む場合もあります。
そうして共通項として得られるものは、対人関係つくる、社会経験積むことが大事になるというのはそこから得られる結論です。
けれどもそれ以上の具体化となると難しいです(私の場合ですが)。
医療が関係すると安定はするけれども社会復帰のところはどこかに引き継がなくてはならない…という最初に予測したレベルからあまり先に進んでいないことになります。

体験手記的な物語と医療現場における主訴、それらとは中間の表現はないだろうか。
あります。直接の会話がそれです。
医療現場のデイケア、心理療法のカウンセリング、居場所での話し合いなどです。
絵画や創作的なモノづくり、芸術的な表現もそれでしょう。
からだを動かす運動などにも該当することがありそうです。
可能な方法での社会的な体験なども当事者が表現する改善方法に結び付き、周囲の人が理解する手掛かりになります。
こういう可能な取り組みのなかで国語辞典に表わす方法は、主に会話を書いたものからキーワードを抜き出したものです。
体験的な物語と医療現場における主訴の中間に位置するのですが、これもまた同じです。
すなわち状態の改善方法に結び付き、周囲の人が理解する手がかりを提供するのです。

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