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酒井邦嘉『言語の脳科学』

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==酒井邦嘉『言語の脳科学』==
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==酒井邦嘉『言語の脳科学』への問い合わせ==
       
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酒井邦嘉様<br>
 
酒井邦嘉様<br>
不登校情報センターの松田武己(たけみ)と申します。ひきこもりについての研究と実践を続けています。突然であり失礼に当たるとも思いますが、お手紙にてご意見をうかがいたく思いました。<br>
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不登校情報センターの松田武己(たけみ)と申します。ひきこもりについての研究と実践を続けています。<br>
先月『言語の脳科学』(中公新書.2002)を古本屋さんで見つけ、拝見いたしました(同年9月の第3版)。門外漢でありますが、1つの目的があるためです。<br>
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突然であり失礼に当たるとも思いますが、お手紙にてご意見をうかがいたく思いました。<br>
角田忠信さん(耳鼻咽喉科医)が、母音発音を中心とする日本語は、スズムシ等のムシの音を聞きとることができる。これは子音中心の言語を使う他言語ではできないので、日本語の大きな特徴とされています。<br>
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先月『言語の脳科学』(中公新書.2002)を古本屋さんで見つけ、拝見いたしました(同年9月の第3版)。<br>
角田先生は『日本人の脳』(大修館書店.1978)において上の点を実証する調査結果を発表しています。調査の結果、母音の多い日本人は左脳において子音、母音、感情音、邦楽器音、動物(虫、鳥)などを聴きとり、これが西欧人と異なっていると報告しています。それをより識別して『右脳と左脳』(小学館.1981)にも発表しました。<br>
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門外漢でありますが、1つの目的があるためです。<br>
門外間の私は、この分野の研究状況に疎く、角田先生の意見しか読むことができません。それを補強ないし別角度から評価する研究報告を探していました。<br>
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角田忠信さん(耳鼻咽喉科医)が、母音発音を中心とする日本語は、スズムシ等のムシの音を聞きとることができる。<br>
そういうところに『言語の脳科学』を入手し、関係する研究はないかと読み始めました。非常に緻密であり、実験結果などの判断も事実に即し、しかもかなり正当な感じを受けました。不明瞭なばあいの判断も適切になされているとの印象をもちました。<br>
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これは子音中心の言語を使う他言語ではできないので、日本語の大きな特徴とされています。<br>
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角田先生は『日本人の脳』(大修館書店.1978)において上の点を実証する調査結果を発表しています。<br>
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調査の結果、母音の多い日本人は左脳において子音、母音、感情音、邦楽器音、動物(虫、鳥)などを聴きとり、これが西欧人と異なっていると報告しています。<br>
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それをより識別して『右脳と左脳』(小学館.1981)にも発表しました。<br>
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門外間の私は、この分野の研究状況に疎く、角田先生の意見しか読むことができません。<br>
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それを補強ないし別角度から評価する研究報告を探していました。<br>
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そういうところに『言語の脳科学』を入手し、関係する研究はないかと読み始めました。<br>
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非常に緻密であり、実験結果などの判断も事実に即し、しかもかなり正当な感じを受けました。<br>
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不明瞭なばあいの判断も適切になされているとの印象をもちました。<br>
 
そういう感じで読み進めるなかで出合ったのが次の短い一文です。<br>
 
そういう感じで読み進めるなかで出合ったのが次の短い一文です。<br>
「日本人が右脳で虫の音を聞くことなどが証明されたことはない」(235P)。角田先生も日本人は(西欧人と違って)左脳で虫の音を聞くと言っているわけですから、内容は同じです。<br>
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「日本人が右脳で虫の音を聞くことなどが証明されたことはない」(235P)。<br>
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角田先生も日本人は(西欧人と違って)左脳で虫の音を聞くと言っているわけですから、内容は同じです。<br>
 
しかし、そのまま受け取ることが難しいのは先生のこの一文が次の文脈の中にあるためです。<br>
 
しかし、そのまま受け取ることが難しいのは先生のこの一文が次の文脈の中にあるためです。<br>
 「男女の脳の違いや、左脳と右脳の差は確かに存在するが、巷(ちまた)で流布しているような話は、たいていは誇張か迷信である。日本人が右脳で虫の音を聞くことなどが証明されたことはないし、まして「右脳人間」となるとSFの世界である」。<br>
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 「男女の脳の違いや、左脳と右脳の差は確かに存在するが、巷(ちまた)で流布しているような話は、たいていは誇張か迷信である。<br>
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日本人が右脳で虫の音を聞くことなどが証明されたことはないし、まして「右脳人間」となるとSFの世界である」。<br>
 
この文脈における「右脳で虫の音を聞くことなど証明されたことはない」というのは、否定的な文脈の中の一文にあたるわけです。<br>
 
この文脈における「右脳で虫の音を聞くことなど証明されたことはない」というのは、否定的な文脈の中の一文にあたるわけです。<br>
角田先生の本が引用文献に入っていないのも気になりました。角田先生の研究に対する追跡研究などがあるのでしょうか。何か理由がありましたらご教示お願います。<br>
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角田先生の本が引用文献に入っていないのも気になりました。<br>
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角田先生の研究に対する追跡研究などがあるのでしょうか。<br>
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何か理由がありましたらご教示お願います。<br>
 
私の関心は同封のエッセイ(準備稿)に関わります。<br>
 
私の関心は同封のエッセイ(準備稿)に関わります。<br>
 
学問が理系・文系に分かれている中で両者にまたがる(?)ものかもしれません。ご参考にしていただければ幸いです。<br>
 
学問が理系・文系に分かれている中で両者にまたがる(?)ものかもしれません。ご参考にしていただければ幸いです。<br>
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[[Category:五十田猛・無神論者の祈り|むしんろんじゃ2020]]
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2023年12月15日 (金) 10:52時点における最新版

酒井邦嘉『言語の脳科学』への問い合わせ

酒井邦嘉様
不登校情報センターの松田武己(たけみ)と申します。ひきこもりについての研究と実践を続けています。
突然であり失礼に当たるとも思いますが、お手紙にてご意見をうかがいたく思いました。
先月『言語の脳科学』(中公新書.2002)を古本屋さんで見つけ、拝見いたしました(同年9月の第3版)。
門外漢でありますが、1つの目的があるためです。
角田忠信さん(耳鼻咽喉科医)が、母音発音を中心とする日本語は、スズムシ等のムシの音を聞きとることができる。
これは子音中心の言語を使う他言語ではできないので、日本語の大きな特徴とされています。
角田先生は『日本人の脳』(大修館書店.1978)において上の点を実証する調査結果を発表しています。
調査の結果、母音の多い日本人は左脳において子音、母音、感情音、邦楽器音、動物(虫、鳥)などを聴きとり、これが西欧人と異なっていると報告しています。
それをより識別して『右脳と左脳』(小学館.1981)にも発表しました。
門外間の私は、この分野の研究状況に疎く、角田先生の意見しか読むことができません。
それを補強ないし別角度から評価する研究報告を探していました。
そういうところに『言語の脳科学』を入手し、関係する研究はないかと読み始めました。
非常に緻密であり、実験結果などの判断も事実に即し、しかもかなり正当な感じを受けました。
不明瞭なばあいの判断も適切になされているとの印象をもちました。
そういう感じで読み進めるなかで出合ったのが次の短い一文です。
「日本人が右脳で虫の音を聞くことなどが証明されたことはない」(235P)。
角田先生も日本人は(西欧人と違って)左脳で虫の音を聞くと言っているわけですから、内容は同じです。
しかし、そのまま受け取ることが難しいのは先生のこの一文が次の文脈の中にあるためです。
 「男女の脳の違いや、左脳と右脳の差は確かに存在するが、巷(ちまた)で流布しているような話は、たいていは誇張か迷信である。
日本人が右脳で虫の音を聞くことなどが証明されたことはないし、まして「右脳人間」となるとSFの世界である」。
この文脈における「右脳で虫の音を聞くことなど証明されたことはない」というのは、否定的な文脈の中の一文にあたるわけです。
角田先生の本が引用文献に入っていないのも気になりました。
角田先生の研究に対する追跡研究などがあるのでしょうか。
何か理由がありましたらご教示お願います。
私の関心は同封のエッセイ(準備稿)に関わります。
学問が理系・文系に分かれている中で両者にまたがる(?)ものかもしれません。ご参考にしていただければ幸いです。

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