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| <tr> | | <tr> |
| <th>TEL</th> | | <th>TEL</th> |
− | <td>(0968)41-7805</td> | + | <td>0968ー41-7805</td> |
| </tr> | | </tr> |
| <tr> | | <tr> |
| <th>FAX</th> | | <th>FAX</th> |
− | <td>(0968)41-7020 </td> | + | <td>0968ー41-7020 </td> |
| </tr> | | </tr> |
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− | '''生きる 働く第15部 孤立させない 生活困窮者 <1>ドアの向こうに つながっている―連載/かぞく百景'''<br>
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− | ドアを3回、ノックする。声は返ってこない。物音一つしない。<br>
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− | 熊本県内の一軒家。稔さん(38)=仮名=が、このドアの向こうに引きこもって、やがて3年になる。<br>
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− | 中学時代に友人関係に悩んで不登校になり、高校も1年でやめた。<br>
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− | 工場でアルバイトした時期もあったが長続きはせず、20代に入ると6畳ほどの自室にこもる時間が増えていった。<br>
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− | 部屋にパソコンはない。携帯電話も持ってはいない。<br>
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− | 母親の記憶では「コンタクトレンズはしばらく前に片方なくしたはず」。<br>
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− | 食事は台所にやって来て、ごはんとおかずを自室に持ち込み独りで済ませる。<br>
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− | 4月16日未明、熊本地震の本震で、自宅近くに止めた車に避難した朝方までの数時間が「久しぶりに家族がそろった時間だった」と両親は振り返る。<br>
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− | 「もうすぐお誕生日ですね。また来ますよ」 <br>
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− | 社会福祉士の原川太希志(たけし)さん(37)が、ドア越しに語り掛け、部屋の前を離れた。<br>
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− | 2週間に1度の訪問が終わった。<br>
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− | § §<br>
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− | 母親が、新聞で引きこもり支援の記事を見つけ、原川さんが勤める社会福祉法人「菊愛会」(熊本県菊池市)に助けを求めたのは1年ほど前だった。<br>
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− | 会は、地元自治体の委託を受け、生活困窮者自立支援制度の窓口役を担っている。<br>
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− | 昨年4月施行の生活困窮者自立支援法。制度はこの法律に基づき、既存の貧困対策から漏れていた人の生活再建を手助けする。<br>
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− | 失業者や引きこもりの人、ひとり親家庭、障害が疑われる人…。<br>
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− | 対象は多岐にわたり、生活保護が必要となる手前の「第2のセーフティーネット」に位置づけられている。<br>
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− | 引きこもりの人(15~39歳)は全国で54万人に上ることが内閣府が9月に公表した調査で明らかになっている。<br>
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− | 統計に含まれない40代以上はより深刻で、高齢の親と共倒れになる危険性も増している。<br>
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− | 都道府県や政令市の「地域支援センター」(全国68カ所)が相談窓口となってきたが、訪問支援の人手は十分とはいえなかった。<br>
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− | 「気に掛けている人の存在を感じてもらうことが第一歩」。<br>
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− | 原川さんはドアの向こうへの語り掛けを続けている。<br>
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− | 〔◆平成28(2016)年12月6日 西日本新聞 朝刊〕 <br>
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