児童福祉審議会
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'''クローズアップ2017 厚労省、全国に第三者機関設置へ 子どもの権利、侵害監視'''<br> | '''クローズアップ2017 厚労省、全国に第三者機関設置へ 子どもの権利、侵害監視'''<br> | ||
児童養護施設や里親、支援が必要な家庭の子どもが自身の処遇など行政対応に疑問や不満を持った時、相談を受け付けて調査する第三者機関を全国に設置する方針を、厚生労働省が固めた。<br> | 児童養護施設や里親、支援が必要な家庭の子どもが自身の処遇など行政対応に疑問や不満を持った時、相談を受け付けて調査する第三者機関を全国に設置する方針を、厚生労働省が固めた。<br> | ||
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〔◆平成29(2017)年6月23日 毎日新聞 東京朝刊〕 <br> | 〔◆平成29(2017)年6月23日 毎日新聞 東京朝刊〕 <br> | ||
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2020年11月14日 (土) 00:17時点における最新版
児童福祉審議会
クローズアップ2017 厚労省、全国に第三者機関設置へ 子どもの権利、侵害監視
児童養護施設や里親、支援が必要な家庭の子どもが自身の処遇など行政対応に疑問や不満を持った時、相談を受け付けて調査する第三者機関を全国に設置する方針を、厚生労働省が固めた。
年度内にも一部で先行研究を始め、全都道府県に広げるためのガイドラインを整備する。
日本はこうした子どもの権利を守るための監視機関設置を国連の委員会から何度も求められており、ようやく重い腰を上げた形だ。
虐待や施設処遇、不満を調査
昨年3月、相模原市の児童相談所(児相)が親の虐待を訴えて助けを求めた中学生を保護せず、中学生が自殺を図って後に死亡していたことが発覚した。
市は情報共有や緊急性の判断に問題があったと総括した。
一般的に、児相は子どものSOSを受け止める行政側の窓口だ。
しかし、児相の対応そのものや、児相が所管する施設への入所措置や里親委託などに子ども自身が異議を唱えたい時、申し立てる先はないのが実情だった。
ノルウェーなど欧州諸国には、子どもの権利条約に基づき、人権侵害を監視して救済するための独立組織がある。
韓国でも国家人権委員会がその機能を持つ。
国連子どもの権利委員会は、同条約の批准国でもある日本にも、同様の組織を置くよう過去3回勧告した。
その中で相模原市の中学生自殺が起き、厚労省が対策を急ぐ要因になった。
第三者機関は、都道府県にある児童福祉審議会の下部組織とすることを検討。
家庭で適切な養育を受けられない子の相談を想定し、必要に応じて児相などに調査に入り、行政に改善を求める。
構成メンバーを含め独立性をどう担保するかや、実態調査や児相に改善を求める仕組みをどう作るかといった課題があり、まず関心の高い自治体に協力を求め調査研究する。
虐待や親の病気などの理由から施設や里親家庭で暮らす子どもは、全国で約4万5000人。
児相が対応している児童虐待相談は年間約10万件に上る。
NPO法人「子どもの権利条約総合研究所」代表の荒牧重人・山梨学院大教授(子ども法学)は「審議会に勧告権限を持たせ自治体が尊重する法的根拠を整備しないと、十分な役割は果たせず、子どもに信頼されない。一人の子どもの抱える問題は、いじめや貧困など多岐にわたることが多く、将来的にはSOSを総合的に受け止める機関に育てるべきだ」と指摘する。
施設内暴力、児相は訴え聞いてくれず 男性「助け他にない」
自分を守ってくれるはずの児童相談所が訴えを聞いてくれない--。
3歳から高校卒業まで大分県内の児童養護施設で暮らした熊本市の大学4年の男性(25)は、入所中にそんな苦しみを味わった。
施設内で上級生だけでなく職員からも暴力を受けていたという男性は「親を頼ることのできない子が助けを求められる第三者機関を、一刻も早く整備してほしい」と願う。
15年間過ごした施設は荒れていた。
暴力の記憶が鮮明なのは小学2年のころから。野球の練習と称してバッターボックスに立たされ、複数の上級生から硬球を一斉に投げられて目の周りにアザができた。
泣くとさらに殴られ、腕の骨を折ったこともある。
高学年になると、同性の上級生にわいせつ行為を強要された。
同世代の女子を呼ぶように脅され、暴行の最中に見張りをさせられたことも一度ではなかったという。
職員の大半は乱暴な子どもを怖がり、気付かぬふりをしていた。
時には職員からも「宿題をしない」「部屋を片付けない」という理由で、頭や顔が腫れるまでたたかれた。
信頼できる職員もいた。その人たちの働き掛けで、児相が調査に入ったこともある。
そこで被害を訴えたが「状況は全く変わらなかった」と振り返る。
高校生になると、同じ施設の小中学生が次々と里親家庭に移っていった。
「里親」という選択肢を初めて知り「自分も『父と母』のいる環境で暮らしたい」と職員に頼んだが、実現したのは1回の週末体験だけ。
「年齢が高い」という理由で希望は受け止めてもらえなかった。
18歳で上京。ホームセンターで働いたが、1カ月で出勤できなくなった。
地元に戻って自立援助ホームに入った後、身体的、性的虐待など長期のトラウマ体験で発症する複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)などと診断された。
ホームの支援を受けて大学に入り、今は病気を抱えながら社会福祉士の資格取得を目指す。施設出身者の自立の助けになる仕事をするのが夢だ。
施設や児相を相手に裁判を起こすことも一時考えたが、証拠はけがをした時の診断書などわずか。
不法行為に損害賠償請求できる時効(3年)も過ぎており、断念した。
今でも「あの時誰かが助けてくれていれば、こんなに苦しむことはなかった」と感じる。だからこそ第三者機関への期待は大きい。
「施設や里親家庭にいる子は、児相の影響下にあり、助けを求める先が他にない。自分のような子をなくすために、絶対に必要だ」
□ことば 児童福祉審議会
児童福祉法に基づき、子どもや妊産婦らの福祉について調査審議する首長の諮問機関。都道府県、政令市などに設置義務がある。
児童福祉の専門家や弁護士、小児科医など20~30人程度の有識者で構成する。
児童相談所の対応にも意見を出すが、基本的に子ども本人からの相談を受け付ける機能はない。
〔◆平成29(2017)年6月23日 毎日新聞 東京朝刊〕