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十勝むつみのクリニック

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<子どもと自分を褒めるポイント><br>
 
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(1) 「できている」を褒める(「できない」に目をつむる)<br>
 
(1) 「できている」を褒める(「できない」に目をつむる)<br>
(2) 要求水準を下げる(できなくてあたりまえと思<br>う)<br>
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(2) 要求水準を下げる(できなくてあたりまえと思う)<br>
(3) 以前(昨日)と比較する(人と比べない)
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これは子どもに対してだけでなく、親自身に対しても大切なことです。<br>
 
これは子どもに対してだけでなく、親自身に対しても大切なことです。<br>
 
大切なのは、存在を肯定してあげることです。<br>
 
大切なのは、存在を肯定してあげることです。<br>

2020年7月22日 (水) 13:51時点における版

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十勝むつみのクリニック

所在地 〒080-0020 北海道帯広市西10条南5丁目
TEL 0155-21-1131
FAX 0155-21-2231
URL http://mutsumino.info/

登校不安抱えやすいHSCの子 親も自分責めないで
【後編】敏感で繊細なHSCの子。学校への伝え方は?/「学校に行かなくてもいい」と言うのは甘やかしではない
友達はいる、いじめもない、目立ったトラブルもないのにどうしても学校に行けない、行きたくない。
休校明け、子どもにそんな様子が見られたことはないでしょうか。
敏感な子どもたち(HSC)の特徴やコロナ禍での心のケアについて紹介した前編に続き、後編の今回も、十勝むつみのクリニック院長の長沼睦雄さんに解説してもらいました。
●楽しいことでも刺激になってしまうことが
新型コロナウイルスによる休校は、ウイルスへの恐怖はあったものの、登校不安のあるHSCの子たちにとっては、自宅で過ごせるという点で安心感を得られている時期でもありました。
しかし休校が明け、他の子どもたちが通常のペースを取り戻しつつある今は、登校不安を抱えるHSCの子やその親御さんにとって心が落ち着かない時期です。
HSCの子にとって、大勢の人が集まる空間にいることは、それだけで大きなストレスです。
刺激を強く感じやすいのでクラスメートの大声や騒がしい集会だけでなく、例年なら行われているはずの遠足や運動会、学芸会といったイベントも大きな負担になります。
楽しい、楽しみたいという気持ちはあったとしても普段とは違う陽気な雰囲気やみんなのテンションについていけず、心に負担がかかってしまうのです。
このようなことから、学校は過ごしやすい場所とはいえません。
なかでもHSCの子は自分が怒られるのはもちろん、他の子どもが怒られているのを見たり聞いたりすることにも苦痛を感じます。
・友達が先生から怒られているのを見ると、泣いたりパニックを起こしたりする
・同じクラスの生徒が忘れ物をして注意されるのを見ると、自分も忘れ物をするのでは? と極度に不安になる
こうしたことは、叱られた友達の気持ちを感じ取る力や、共感力や同調性が人よりも高いために起こります。
HSCの子の場合、自分が体験したわけでもないのに、相手の気持ちが自分の中に入ってきてしまうことがあります。
これは「過剰同調性」といいます。
本来自分と他者との間には「境界線」と呼ばれる精神的な境目があって、多くの人は自他を区別し、自分を守ることができます。
しかしこの境界線が曖昧だと相手の感情が自分の中になだれ込んできてしまうため、「あんなに怒られてかわいそう」「きっとつらいだろう」と、怒られている子どもの気持ちを思い、共感してつらい気持ちになってしまうのです。
敏感な子どもがみんな不登校になっているわけではありません。
しかしこのような理由からHSCの子は登校へのハードルが、他の子に比べてもともと高いといえます。
「頑張れ」ではなく「どっちを選んでもいいよ」
学校に行けない、登校途中で引き返してしまう、といった子どもの姿を見ると、親としては心配が募ります。
「学校の何が嫌なの?」「このまま学校に行かなかったらどうなると思ってるの?」などと、お子さんを責めたくなるかもしれません。
また「自分の子育てのどこが悪かったのか」「先生や学校に迷惑をかけてしまう」「周りの保護者からなんて思われるか」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。
無理やりにでも登校させるか否かで、夫婦で意見が異なることもあるかもしれません。
しかしお子さんが「学校に行きたくない」または「どうしても行くことができない」というときには、無理をさせないことです。
そして過剰な「頑張れ」で追い詰めないようにしてください。
HSCの子には「頑張れ」と言うのではなく、「どちらを選んでもいいよ」と声をかけるほうが、子ども自身に「やってみよう」という力が湧いてきます。
自分自身から力が湧き出るまで、そばで見守ってあげてほしいのです。
親がよかれと思ってやっていることでも、無理な登校を促すことで、将来にまで影響するような大きな心の傷ができてしまうこともあります。
●「甘やかし」と「甘えさせる」ことの違いとは
しかし親にとって、子どもに「学校に行っても行かなくてもいいよ」と伝えるのは、大変勇気がいることだと思います。
「甘やかしていいのか?」と自分を責めたり、周りからあれこれ言われたりすることもあるでしょう。
しかし「甘やかし」と「甘えさせる」ことは違います。
甘やかしとは物質的に満たすこと、そしてできる部分までも親が手や口を出してしまうことです。
たとえば子どもの望むままになんでも買い与えたり、本当は自分でできること(着替えや宿題、学校への提出物など)を親が代わりにやってあげたりすることが、甘やかしです。
これに対して「甘えさせる」のは、子どもの気持ちを手助けすることです。
HSCの子はワガママや親を困らせたいという気持ちから、学校に行けないと言っているのではありません。
むしろ自分の気持ちを表現するのが苦手で、同時に「親を困らせたくない」という気持ちも強く持っています。
その子たちがギリギリのSOSとして「学校に行けない」と訴えているのです。
では具体的に、どうしたらいいか。まずはこの3つの点を心がけてください。
<子どもと自分を褒めるポイント>
(1) 「できている」を褒める(「できない」に目をつむる)
(2) 要求水準を下げる(できなくてあたりまえと思う)
(3) 以前(昨日)と比較する(人と比べない)
これは子どもに対してだけでなく、親自身に対しても大切なことです。
大切なのは、存在を肯定してあげることです。
「学校に行っても行かなくてもママは(パパは)いつも〇〇ちゃんが好きだからね」と声をかけてあげてください。
スキンシップが効果的な場合もあります。
背中に手を回してさすってあげたり、腕に力を入れてギュッと抱きしめてあげたりすると、子どもは「自分はここにいていいんだ」という気持ちになります。
「ここは安心できる場所だよ」「あなたを大切に思っているよ」という気持ちを体で表すのです。
HSCの特徴について学校と情報共有を
繊細で敏感な子にとっても、学校という環境は、とても重要です。
まずはHSCの特徴について親御さんが理解し、できるだけ学校や担任の先生にそれを伝えてください。
具体的には以下のようなポイントです。
・子どもがとても敏感な特性を持っており、他の子が感じないようなことでも刺激になってしまうこと
・学校に行けないときもあるが親として支えたいと思っていること
・もし怒るときには厳しく叱責せず、できるだけ優しく諭してあげてほしいこと
HSCは心理的な概念で、医学に適応するには曖昧すぎるため、医学的概念ではないために知らない医師も多くいます。
これは学校側も同じです。
スクールカウンセラーにも知識がある人とない人がいますので、理解が得られにくいこともあります。
それでも伝えておくことに意味はあります。
子どもの特性を学校側に理解してもらい、子ども自身が「ここは安心な場所だ」と思えれば、学校に行くことへのハードルが下がるかもしれません。
どうしても学校に通うことが難しい場合は、適応指導教室やフリースクールへの転校、という選択肢も考えられます。
学べる環境の選択肢を広げてあげることも大切です。
順調に登校できないことについて、不安や焦りを感じる気持ちはよく分かります。
親御さん自身がつらい気持ちのときには、HSP(非常に敏感で繊細な感覚や感受性をもった人)やHSCへの理解がある心理士や自助グループを探してみるのも手です。
最後に、ウィズコロナという今の状況にかかわらず、HSCの子を育てる際に大切なポイントをお伝えします。
(1)嫌なことは嫌と言える安心な関係をつくり、本音を出させる
(2)感じ方、考え方、気持ちを尊重し、価値観や期待を押し付けない
(3)親の不安や恐れが伝わらないようにする、不機嫌の責任を負わせない
(4)子どもの人格を否定しない、性格を決めつけない
(5)条件をつけて愛さない。しかし過保護、過干渉にならないよう気を付ける
(6)他の子や兄弟姉妹と比較しないで、個性を尊重する
(7)敏感さのよいところやメリットを伝える
(8)叱る前にルールを作り、破ったときはまず理由を聞く
(9)マイナス感情もあっていいし、大切な感情だと伝える
(10)親とふたりだけの関係に依存させないで、いろいろな人と付き合う
親から信頼され、安心できる環境で育つことができれば、HSCの子は本来持っている高い芸術性や創造性を生かし、生き生きと成長していくことができます。
上記のようなことを心がけ、敏感さを封じるのではなく、生かす子育てをしてほしいです。
取材・文/藍原育子(きいろ舎) イメージカット/PIXTA
長沼睦雄 十勝むつみのクリニック院長
日本では数少ないHSP/HSCの臨床医。
北海道立札幌療育センターにて小児精神科医として14年間勤務。2000年よりHSP/HSCに注目して研究。
16年に十勝むつみのクリニック開業。神経発達症や発達性トラウマなどの診断治療に専念し、脳と心と体の統合医療を行っている。
著書に『敏感すぎる自分を好きになれる本』(青春出版社)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』(誠文堂新光社)など。
〔2020年7/8(水) 日経DUAL〕

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