Center:2011年6月ー「引きこもり」認定者を実情に合わせて設定
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2018年12月31日 (月) 07:44時点における最新版
これは葛飾区長への引きこもり支援事業の要請[1]の付属文書です。
「引きこもり」の認定者を実情に合わせて設定
〔2011年6月30日〕
厚生労働省は引きこもり対策を必要とし、「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」を策定していますが、具体的に誰が「引きこもり」を認定するのかは明確ではありません。
暗黙のうちに医師が診断することになっているはずですが、「引きこもり」は病名ではなく、状態像です。
医師の多くは病名診断をしますが、「引きこもり」の状態判断はしなくてもいいのです。
当事者および家族も(精神疾患との区別の判断はできないにしても)「引きこもり」を相当正確に判断していますが、自己診断の範囲を超えることができません。
ましてや医療機関を受診しない、相談支援機関に行かない当事者がきわめて多数を占めているなかで、医師に診断全体を委ねる方法は無策になりかねません。
引きこもり対策の有効性を判断する基本的な条件がないといえます。
現状では、例えば支援機関で数年来の支援対象になっている「引きこもり」が対人関係の訓練を受けても、職業訓練を受けても、就職活動をしても、実際にアルバイトについても、就職しても、どこにもカウントされません。
なぜならその人は「引きこもり」としては公的にはどこからも認定されてはいないからです。
ただ個人的なエピソードが生まれるだけです。
実際に「引きこもり」の人が通所し、または支援者が訪問している先の人を状態像として「引きこもり」として見立てる基準を明確にしたうえで、判断できる人を医師に限定しないで広げる必要があります。
実はそれでも引きこもり70万人といわれる人の多数を特定することは困難です。
困難ですがある割合の人は支援者側において把握することは可能になります(あくまでも個人情報を保護した上のことです)。
その視点から、実際に引きこもりの支援にかかわっている支援者、たとえば保健所保健師、精神保健福祉士、臨床心理士、就業支援にかかわる専門職、地域若者サポートステーションの相談員、居場所(フリースペース・ワークスペース)の支援者などに、「引きこもり」を見立てる認定者の条件を持たせるのです。
それによって厚生労働省をはじめ公共機関としての「引きこもり」支援を具体的に推し進める基盤条件ができることになります。
「NPO法人不登校情報センターに継続的に通所している人および訪問している引きこもり経験者のうち通算3年以上になる人を、「引きこもり経験者」として認定する仕組みを設けていただきたい」はこの趣旨に沿った提案です。
これは十分に余裕を持った慎重な認定のしかたです。
一般的な基準はしかるべき手順で決めるのがいいと思いますが、不登校情報センターとしてはそのような点から提示します。