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Center:2011年2月ー初めは今していることを受け入れる

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〔2月12日,講演相談会「30代以上の引きこもりの支援方法」に話す要旨⇒実際はかなり脱線〕 <br>
 
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今日はみなさんから短時間ですが相談を受け、引きこもっている人は何をしているのか、<br>
 
今日はみなさんから短時間ですが相談を受け、引きこもっている人は何をしているのか、<br>
 
どんなことなら手がかりが得られそうなのか、そんな機会にしたいと思います。<br>
 
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2018年12月30日 (日) 16:55時点における最新版

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初めは今していることを受け入れる

〔2月12日,講演相談会「30代以上の引きこもりの支援方法」に話す要旨⇒実際はかなり脱線〕

2月3日のNHKテレビ「クローズアップ現代」で引きこもりの状況を取り上げていました。
途中を半分くらいの時間見たのですが、そこで垣間見たことを不登校情報センターの状況とあわせて話します。

(1)総務省の調べで引きこもりになるのは就職や仕事のつまずきが原因になることが多く、20歳以上の年齢から引きこもりになるのが60%以上になる。
中学や高校での不登校からの引きこもりに移行する人よりも多い。
これは不登校情報センターに関わる人でもおおよそ当てはまります。

(2)それと関係しますが引きこもりの人の年齢は高くなっています。
不登校情報センターの状況も同じです。
30代が中心であり、十代や20代から関ってきた人も30代に入っています。
40代の人も珍しくはありません。

(3)支援策や対応策が十分ではありません。
NHKの放映ではたぶんIT関係の企業だったと思いますが、引きこもり状態の働こうとする人を積極的に試験採用から本格採用している状況を伝えていました。
このような企業はこれからも少しずつ生まれていくと思います。
しかし対応方法は十分に確立してはいません。

(4)不登校情報センターのウェブサイトに昨年末にあるIT関係の企業に引きこもり経験者を採用し、その人が企業内のサイトに「引きこもり相談室」を開設しました。
そこから協力依頼がありました。
そのサイトは不登校情報センターで紹介しています。
社長から来て話をき くとほとんど自宅で相談への返事を書いているようです。
これも一つの芽かもしれません。

(5)これからもこのような企業はすこしづつ増えると思います。
それはIT産業だけではなく、農業なのか、物づくりなのか、個人授業的なのか、それともカウンセラー的なことなのか。
私なりにはいろいろな可能性を見たり、聞いたり、相談を受けてきました。
一般的にいって、多くの引きこもり支援団体での支援の向かう先は十分に確立した方法を持っていません。
対人関係や技術訓練を行い社会に送り出す形、「就労に必要な能力を身につける」ことですが、必要なことはその種類のものにはとどまらないと思います。

いまから話しますのは、このような引きこもり支援状況において不登校情報センターがたどり着いた方法を提案することになります。
昨年末に「30代以上の引きこもりの支援方法」というのを書きました。
会報『ひきコミ』1月号=第86号に掲載したものです。
またそれを抜き取って、アンケートをつけてこれまでに関った人にも送りました。
その「支援方法」自体はここでは詳しくは話す時間がありません。
しかし、ぜひ読んで置いていただきたいのです。
いくぶんユートピア的なところもあり、書き直したいところですが、全体の考え方やどのような仕組みになるのかを理解はできるでしょう。
手っ取り早く何とかなればそれでいいんですという人もいますが、一発芸では進めないのが支援方法なのです。
「出たとこ勝負」を重ねてきましたが、それぞれの場面に応じてその条件のなかで選んできたのが「出たとこ勝負」で一発勝負とは同じではありません。

さて、今回の支援方法に対して、私の経験ではこれまでにはなかった反応が得られています。
もちろん全員から返事をもらったわけではないし、「自分には関係ない」と思う人も多くいると承知しています。
そのうえで、どのような返事があったのか、その返事からまた次にどういう可能性や発展が浮かんでいるのかを並べてみます。
実はそれらも会報『ひきコミ』2月号=87号に大筋のところは書いておきました。
書いたものは2つあって1つが「体験者の参加の仕方を考え中」という具体的なものです。
もうひとつの「ウェブサイト改造と体験者の参加――「支援方法」発表以後の様子」というのが、不登校情報センターの現在のおかれた状況を述べたものです。
これも文書にしていますので、ここではその話しはしません。
読んでみて「ここに接点がある」「ここはわからないがどうしたら…」ところを質問なり、相談にきたときに話してください。

結論的なことを先に言います。
引きこもっている人が今していることをどう生かすのかということです。
何もしていませんという人がいるはずです。
本当でしょうか。
親の思っている範囲のことは何もしていないかもしれません。
しかしその範囲を取り払ってみてください。
それでも何もしていない人はいるでしょうか。
確かにいると思います。
しかし、その結論を出す前に親が漠然と考えている範囲を取り除くようにお勧めします。
その上で何もしていない、というのであれば別のことを考えなくてはなりません。
ゲームしかしていない、テレビを見ているだけ、いつもパソコンの前にいる、なにやら書い ているようだけど何のことやら時間をつぶしているだけ…
こういう人がいましたらそれは引きこもっていて何かをしている人です。
その見方が範囲を制約しているかもしれません。

「支援方法」の中心は2つになりそうです。
一つはパソコンです。
パソコンを使えるようになることと、パソコンを使って表現することです。
もう一つは、創作活動です。
絵を描く、詩をつくる、エッセイを書く……などです。

まずパソコンに関することからいきます。
不登校情報センターはかなり大きなウェブサイトをつくっています。
これをつくっているのは引きこもり等の体験者です。
現在およそ10名が関わっています。
これに参加する方法は以前からのあるもので、今回新たに提案していることではありません。
しかし、これからも参加者を募集していきます。
次が、自分の個人のブログを不登校情報センター内に設定することです。
呼びかけのあと1月末からつくり始めました。
現在5人が参加しています(他に訪問サポートトカネットと中退問題を研究する学生グループのブログが設定されました)。

(1)ブログを書きながら、パソコンの使い方を学ぶ、それを通して教える・学ぶの人の関係ができる、
作品はつくるがブログは苦手の人はブログ作成を依頼する方法ががあります。
初めのブログ設定ができれば後は自宅でブログは書けます。
訪問を受けて初めの設定をする形で始めてもいいでしょう。
(2)パソコンをできない人はパソコンを習うところから始めることができます。
〔不登校情報センターでは、この習うところからの参加が4名になりました。いずれも1人ずつの個人指導です〕。
習う人だけではなく、教える人も引きこもりの体験者です。
教える経験は人によっては履歴書に書かなくても重要な経歴になります。
(3)パソコンを習うだけでは情報センターへ通所するのはしんどい人もいます。
それで音楽のパソコンへの取り込みなど楽しめるパソコンの習い方が始まりつつあります。
(4)パソコンを習う・教える形は、どちらかといえば副産物で、引きこもる人と家族以外をつながる方法にするのが中心になる人がいます。
①訪問して(訪問を受けて)パソコンを教える・習う関係づくり、訪問してブログづくりを進める関係づくり。
②不登校情報センターに来てウェブサイトをつくる(文書入力、Wiki、ブログ、Html、表・画像などを習う・教える)、
③パソコンを習う――これらは特に引きこもり経験者のとってはパソコンの知識・技術を身につける以上に対人関係づくりを自然につくる機会にできるのです。

(5)ブログをつくるにしても書くことがない、手紙にそのように書いてきた人がいます。
その手紙を読みながらこの人は手紙を書けばいいのだと私は返事をしました。
会報の『ひきコミ』には文通のよびかけがあります。
常連のような人もいて、それらの人に何か“連載”を呼びかけたのを思い起こしました。
新たにブログを設定したうちの2人はこの連載者です。
(6)引きこもり体験者には手紙、日記、エッセイ、詩文、物語などのものを書き、文芸的な作品制作をしている人は多いです。
実はとても多いのです。
その人たちにはそれをブログにしていくように進めています。
詩作を続けている地方在住の人から返事を頂きました。
ブログの設定が伝えられず、苦心をしています。
自分で設定できるようになるかもしれません(簡易なテキストを作って渡す)。 ブログ制作の代行をする方法もあります(実質的にはそうなっているのが1つあります)。
これもまた別の可能性を開きそうです。

(7)創作活動といっても、絵を書く、手芸品などの物をつくる人のなかからはまだブログに参加するという人はいません。
たぶんパソコンと自分の創作活動が結び付けられない、パソコンで表現された創作品に不安があるなどの理由が予測できます。
ある割合の人にはブログ制作代行は有効に働くと考えています。

これらが不登校情報センターがこれまでの取り組みに加えて提案する「支援の方法」です。
どんな特徴があるのでしょうか。
多くの人と同時に接触することなく対人関係をつくる。
まず1人との安定した関係づくりが優先します。
多くの引きこもりの人はパソコンを使っているか、何かを書いています。
その条件を肯定的に生かす方法です。
自宅にいて可能な方法です。
自宅から外出をするように勧めることと並んで、自宅にいて家族以外の人との接触をする機会がつくれます。
引きこもっている本人に勧めるには、本人の状態(これは家族との相談によりある程度判断します)と手順が重要です。
手順を間違うと回復までに時間がかかります。
手順には本人の意向が取り入れられる仕組みがなくてはなりません。
積極的ではなくても消極的な選択の要素がなくてはなりません。

アンケートをお渡ししました。
これは3度目の書き直し版です。
これを送るとまた何人かが返事をくれます。
昨日は自宅で校正したいという人がいいました。
その前の日には、絵を描いている人からの問合せがありました。
この3度目のアンケートをまた送るつもりです。
今日はみなさんから短時間ですが相談を受け、引きこもっている人は何をしているのか、
どんなことなら手がかりが得られそうなのか、そんな機会にしたいと思います。

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