Center:1996年3月ー『登校拒否と医療・心理相談ガイド』あとがきにかえて
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〔不登校情報センター・編『登校拒否と医療・心理相談ガイド』桐書房、1996年4月発行のあとがき、1996年3月ころ執筆〕<br> | 〔不登校情報センター・編『登校拒否と医療・心理相談ガイド』桐書房、1996年4月発行のあとがき、1996年3月ころ執筆〕<br> |
2017年11月19日 (日) 20:21時点における版
『登校拒否と医療・心理相談ガイド』あとがきにかえて
〔不登校情報センター・編『登校拒否と医療・心理相談ガイド』桐書房、1996年4月発行のあとがき、1996年3月ころ執筆〕
医療の場にインフォームド・コンセントが少しずつ広がっています。
医師は患者に十分な情報を伝えたうえ、どうするのかの判断を一緒に考え、最終的には患者が選択する、ということでしょうか。
この姿勢は、登校拒否にも必要です。
一方通行ではなく、主役を登校拒否の子どもにして、医師やカウンセラーは援助者になることです。
今回の医師や心理士のアンケートの回答をみて、そのレベルに達するには、全体的にはまだ距離がある、と強く感じています。
しかしこれが現状であり、ここにしか出発点はありません。
ここからの一歩前進を願って――いや先駆的な方々の努力によってすでに数歩は前進していますので、
ここからの一層の前進を願って、この情報ガイドを発行します。
不登校情報センターにとっては、この『相談ガイド』は、『登校拒否関係団体全国リスト』に次ぐ、二冊目の本です。
さらに留学に関すること、大検に関すること……など多くの企画があります。
テーマをあげていったら15、6に達しました。
いずれの企画においても、子どもの利益を第一に、そして家族の利益を考え、さらにそれに関わる専門家の役に立つ情報交換の本にしたいと考えています。
しかしそのいずれもが難関を抱えています。
どういう状況になっているのか(現状)、公的機関などですでに調査した材料はないか、その調査を利用できないか(情報公開や情報へのアクセス)、
子どもが利用するときの難点は何か、“専門家”が狭い世界に閉じ込められていないか、情報本を発行し普及する可能性はどうすれば広げられるか…などです。
この本には、調査アンケートを掲載しました。当然載ってもいい所からの回答を、ひき続き求めているからです。
また読者はがきも挟んであります。
この本の利用面での注文、これから企画してほしいこと、困っていることを教えていただくためです。
また資料〔3〕では、登校拒否における医療費、相談料の提案も試みました。
アンケートに示された臨床の場での意見や問題意識を、私の構想に位置づけた形で提示させてもらいました。
もちろん新たに教えていただいたこと、不十分なところもあります。
現実化していくには、ある種の運動も必要でしょう。
そういう取り組みのなかで明確になっていく部分が多いでしょう。
この提案は、そのきっかけというべきものです。
臨床の場の状況に基づいて、利用者側の立場からの検討がひきつづき必要なのです。
協同の研究者を求めています。
すでに研究している場がありましたら、参加させていただきたいとも思っています。