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Center:(7)『ひきコミ』準備号の発行

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一人で両方のグループに顔を出す人もいる。<br>
 
一人で両方のグループに顔を出す人もいる。<br>
 
私の引きこもり経験者と暮らす状態は、また一段と深くなった。<br>
 
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2011年7月16日 (土) 21:10時点における版

(7)『ひきコミ』準備号の発行

でき上がった『ひきコミ』準備号は、B5版32ページ、ホッチキス留めによる製本でした。
表紙はカラーコピーで50円、コピー代だけで1冊200円かかりました。
郵送料は310円するのですが、それを1冊500円で売っていたので、送料がかかる分はマイナス収入になりました。
この準備号は、新聞社などに見本として送りました。
『ESCAPE』の方式と同じでしたが、配布先は30社ぐらい。
日本経済新聞がさっそく取材に来て、これを記事にしました。
7月31日(東日本)と8月1日(西日本)に掲載された。
そのおかげで、さきほどの地方紙で紹介された分とあわせて、およそ800部が売れたことになる。
売れるだけ赤字も増えるめぐりあわせでしたが……。
8月1日のことです。
私はある事情でずっと外出していた。
事務所をスタッフ会議に来て編集作業をしてくれた香月さんに電話を頼んでみました。
この日、香月さんはとても疲れたようです。
何しろ電話は2台、1台はISDNで2本つながっています。
電話1本かかると3つのコールが鳴る。
必要以上に鳴ったのですが、実際に電話は多くて、2~3分に1本の電話が入っていたのです。
彼女が大変だったのはうそではありません。
日本経済新聞で紹介された記事によるこの『ひきコミ』の問い合わせなどでした。
この準備号発行の時点では、この文通用の投稿誌を年間4~5回発行していくつもりでした。
もちろん、そのつど費用を持ち出したりするのでは続きません。
どうすればいいのかを考え、迷っていたわけです。
ただいずれにしても、ある程度、需要があればなんとかなるだろう、とは思っていましたが。

そこに私の出版社時代の先輩D氏がやってきた。
『ひきコミ』準備号を見ながら、「これを月刊誌にしよう」と一言。

私も編集者の端くれだから、いつか何らかの形で、これを通常の書店販売できるものにしようという気持ちは持っていた。
しかし、その準備号をみて、すぐに「これを月刊誌にしよう」と言ったのには、驚きだった。
9月になり、不登校情報センターは様子が変わってきた。
一つは、この『ひきコミ』の準備――いわば創刊に向けて、何人かが出入りする状況になった。
文通サークル「心の手紙交流館」のメンバーとなる。
もう一つは、人生模索の会を毎週定期的に開くことによる。
二つのグループが小さな一室に出入りすることになった。
一人で両方のグループに顔を出す人もいる。
私の引きこもり経験者と暮らす状態は、また一段と深くなった。

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