いじめから不登校になった中学生の相談=発達障害の理解
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2017年7月10日 (月) 17:50時点における最新版
いじめから不登校になった中学生の相談=発達障害の理解
不登校中の中学生のお母さんから相談にあったことです。
学校と教師の対応は時たま聞くお粗末なものでしたが驚きませんでした。
しかし、相談したという臨床心理士さんの次の趣旨の発言には驚きました。
不登校の背景にはいじめがあるのですが、その臨床心理士さんは、「いじめの理由には発達障害があるのでそれを治癒しないといじめはなくならないし、不登校の解決にはならない」と言ったのです。
相談をくれたお母さんの聞き間違いか、思い違いであればと思うほどです。
しかし、慎重な話しぶりからは、その発言は当たらずとも遠からずのようです。
臨床心理士さんの発言がおかしいのは、
1. いじめはどんな理由があっても肯定できないし、とめなくてはならないものです。
(子どもが不登校になる程度のいじめなのですから)そういう視点がないのが最大の問題発言です。
母親は「学校にいかなくてもいい」と子どもに伝えています。
これが救いです。
2. 発達障害は先天的な要素によるところが大きく、治癒ではなく、その人が成長のなかで生活、対人関係、社会関係の力をつけ支障のない状態にすることです。
それが教育であるし、幼年期の療育内容です。
一つのことに関心を集中するなどの特徴を生かすことが大事です。
臨床心理士さんはそれに代わって“治癒”を出しています。
2012年の春に大阪維新の会が準備した「家庭教育に関する条例案」は、先天的な要素を無視し家庭教育の枠を条例できめるという妙なもので撤回されました。
それを彷彿させる臨床心理士さんの発言でした。
先天的な要素(本人の意思や裁量では変えられないもの)を無視するのが共通しています。
3.この臨床心理士さんは、相談のあった不登校の中学生を直接にはみていません。
一般に見ただけですぐに発達障害と判断できるようなものでもありません。
母親の話を聞いただけでこのような判断は驚きです。
人の話をうまく聞けないとか、空回りしやすいぐらいの事実確認にとどめ、発達障害の可能性を指摘するのが限度でしょう。
4.最後の点は、不登校の解決は学校に行くことではありません。
多様な解決方法があると考えます。
この点は、この臨床心理士さんと意見が違っても、意見の違いとして互いに了解しあえる範囲だと思います。
ほかの点はこの了解できる範囲を超えています。
一般のおじさん・おばさんが言ったのではなく臨床心理士が言ったのです。
資格が万能であるとは思ったことはありませんが、これでは逆に資格が邪魔をしています。