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3学期の不登校生徒の問題をどう生かすのか

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子どもは育てるもの、子どもは育つものであって、操作する対象ではありません。生きている人間なのですから。 <br>
 
子どもは育てるもの、子どもは育つものであって、操作する対象ではありません。生きている人間なのですから。 <br>
  
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2017年7月10日 (月) 15:18時点における版

3学期の不登校生徒の問題をどう生かすのか

正月明けのこの時期は、学校の3学期の始まりです。
不登校の高校生にとっては出席日数が問題になり、進級や卒業が関わる時期になります。
学校側からは“催促”やら“提案”やら、ときには“脅しめいた”ことも言われ、登校を促されることがあります。
先日も高校2年生のお母さんからまさにこの例にあたる相談がありました。
こういうとき親は惑います。今何とかしなければ…という気持ちにさせられるわけです。
親のほうもどこかに今何とかしなければ…、ここは親の責任として…という気持ちがあるので、学校の言い分にうなずき、何かの約束をしがちです。

(1)子どもにとって最善の利益を考える
中心はなによりも、子どもにとって最善の利益になる方法を考えていただきたいです。
学校の言い分ではなく子どもにとっての最善の利益です。
これは子どもの状態によりますから、唯一の正しい答えはなく、子どもの数ほど回答はあります。
すぐにでも学校へ登校できる人もいるかもしれません。
そうして登校をした結果、先になってしっぺ返しになることもあります。
もっと十分に休ませたいと判断して、きっかけをとらえ損ねることもあります。
こうみると何がなんだかわからないかもしれません。
この見きわめは時間がたってみなくてはわからないものです。
どういう場合でも当てはまるのは、親が相談相手を見つけることです。
正しい結論を出すこととは別に、相談できる人ができるのは長期的には重要です。

(2)子どもとのコミュニケーションが取れる関係をつくる
親にとってさらに大事なことは、子どもとのコミュニケーションが取れるようになることです。
これは、子どものほうから親にいろんな事情を話してくるような関係でないと、コミュニケーションとはいえません。
親か言いたいことを子どもに伝えて、子どもが聞いているのでは逆コミュニケーションです。
コミュニケーションではなく、たんなる指示や圧迫になることもあります。
先日のお母さんとの話では、コミュニケーションにする言い方が難しいと言われました。
「学校からは、理科の出席日数が足りないので…と言ってるけど、どうする?」と、事実を伝え、子どもの意見を聞く話し方がいいでしょう。
子どもはすぐには答えられないかもしれません。
「この前、通信制に移りたいといっていたけれど、いまも同じ?」と確かめながら、子どもの意見や気持ちを引き出すのがいいと思います。
子どもの答えは意外と短いことが多いです。
「わかった」「通信制はいい(選ばないという意味)」などです。
特に時間を置いてから返ってくる言葉は重要です。
考えた末の言葉が多いからです。
言葉の多さではなく、親は答えている内容をちゃんと受け取ることです。
言葉数が少なくてもそれがいまの子どもの気持ちです。
子どもの意見を聞き、引き出し、その答えを尊重する。
それを重ねていけば、子どもは親に何かを伝えてくるようになります。
それが親子の間のコミュニケーションになるのです。

(3)変化のタイミングをどう見きわめるか
変化のタイミングを見つけることはなかなか言葉にしづらい面があります。
それでもわかりやすい例はあります。子どもから何かを言ってきたときです。
多くの親はそれを望んでいますが、そんな機会はめったにありません。
誤解が多いのは、子どもが反発してきたときです。親に対して攻撃的なこともあります。
実はこれも子どもの意思表示の仕方です。
攻撃の型にとらわれて、親は子どもが何を言っているのかを聞いていないことがあります。
むちゃくちゃのように見えても意味を読み取れば、改善の糸口になると思います。
タイミングをとらえるときの兆候は他にもあるのですが、私レベルでは言葉では表現できないものです。
子どもをよく理解しようとすれば、特に母親には伝わるものがあると思っています。
これはマニュアル(またはプログラム)ではなく、センス(感覚)や感受性の問題だからです。
学校に行く・行かないことをテーマにしながら、親子のコミュニケーションをつくり、相談できる人間関係を広げる。
こういうことが基本的にも、長期的にも子どもを成長させる「いま必要なこと」と考えていいのです。
子どもは育てるもの、子どもは育つものであって、操作する対象ではありません。生きている人間なのですから。

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