事件化しない窃盗
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2017年7月8日 (土) 22:10時点における版
事件化しない窃盗
事件化しないとは、警察沙汰にならないというよりは家族内で発覚するというほどの意味です。
相談があったのは面識のある女性です。
その女性から、ときどき母親の財布からお金を抜き取り、母との関係が悪くなる要因になっている、どうしようかというものです。
その親と私には面識がありません。
何かのストレスを強く感じるときに発生しやすいので、下記のC項目に該当し、全体としても下記の診断基準に合致していそうです。
私には自分の方から相談してきたわけですが、母親にはどう伝えているのか。
あるいは伝えていない、伝えられないのかもしれません。
伝えたときに理解されない予測があるのかもしれません。
繰り返しているのですから、これは言葉に代わる表現になるとも考えられます。
しかし、母親から受けとめられない、母親に対する攻撃とか個人的な欲望と考えられれば関係が悪化します。
事態はこのように進んでいるように理解できます。
『DSM-Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引』(医学書院)では「窃盗癖Kleptomania」を次のように説明しています。
「A.個人的に用いるのでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
B.窃盗におよぶ直前の緊張の高まり。
C.窃盗を犯す時の快感、満足、または解放感。
D.盗みは怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚に反応したものでもない。
E.盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会的人格障害ではうまく説明できない。」