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肥満

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'''大人の半数が太り過ぎ OECDが肥満に関するデータと分析を発表 こども肥満'''<br>
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経済協力開発機構(OECD)は、5月20日の欧州肥満デーに合わせて「肥満に関するデータと分析」を発表。<br>
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OECD地域全体では、大人の2人に1人以上、子どもの6人に1人が太り過ぎ[体格指数(BMI)≧25㎏/m2]、または肥満(BMI≧30㎏/m2)で、15歳以上のおよそ5人に1人が肥満であったという。<br>
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'''肥満率の最多は米国の38%'''<br>
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OECDによると、肥満はこの5年間増え続けているが、それ以前と比べるとペースは落ち気味だという。<br>
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2015年、OECDに加盟している35カ国では、15歳以上の19.5%が肥満だった。<br>
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2015年に、OECD加盟35カ国のうち、15歳以上の肥満率が最も高かったのは米国の38.2%で、以下、メキシコ32.4%、ニュージーランド30.7%、ハンガリー30.0%と続いた。<br>
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逆に、最も低かったのは日本の3.7%で、その次は韓国の5.3%だ。<br>
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OECDの新たな試算によると、この肥満率は少なくとも2030年までは徐々に高まると見られている。<br>
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特に米国、メキシコ、現在6位の英国(イングランド)では、2030年にそれぞれ人口の47%、39%、35%が肥満になると試算されている。<br>
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また、教育水準または社会経済的地位が低い人ほど、太り過ぎまたは肥満になりやすく、その差は一般に女性の方が大きいようだ。<br>
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さらに、男性より女性の方が肥満の人は多い傾向にあるが、データが揃っているOECD加盟諸国を見ると、総じて男性の間で肥満が急速に増加しているという。<br>
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今回の肥満に関する報告では、OECD加盟諸国で導入されている新たな肥満対策も紹介されている。以下に、その取り組みの例を示す。<br>
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●食品のラベルを新しくして、表示を分かりやすくする<br>
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●果物や野菜を積極的に摂ることを推進するなど、国民の意識を高めるためにマスコミを使ったキャンペーンを実施する<br>
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●フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスや、スマートフォン用のアプリを利用した健康促進キャンペーンを実施する<br>
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●特に子ども向けの健康に悪そうな食べ物や甘い飲み物などのコマーシャルを、子どもが視聴する時間にテレビやラジオで放送することを規制する<br>
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OECDの試算では、この先十数年、肥満者数の減少は期待できそうにないが、こうした肥満対策に対する各国での地道な努力が実を結ぶことを期待したい。<br>
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〔あなたの健康百科編集部2017年06月09日〕 <br>
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'''東北大が太ると血糖値が高くなることにつながる分子メカニズムを解明'''<br>
 
'''東北大が太ると血糖値が高くなることにつながる分子メカニズムを解明'''<br>
 
肥満になると血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇する。<br>
 
肥満になると血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇する。<br>
 
インスリン抵抗性は、肥満状態の脂肪組織に白血球の一種であるマクロファージが入り込み炎症を起こすことによって誘導されることが知られている。<br>
 
インスリン抵抗性は、肥満状態の脂肪組織に白血球の一種であるマクロファージが入り込み炎症を起こすことによって誘導されることが知られている。<br>
 
マクロファージは、炎症を強める性質を持つ「M1型」と炎症を抑える性質を持つ「M2型」とに大別される。<br>
 
マクロファージは、炎症を強める性質を持つ「M1型」と炎症を抑える性質を持つ「M2型」とに大別される。<br>
痩せた(正常)状態での脂肪組織に存在するマクロファージはほとんどがM2型で、脂肪組織内の炎症も抑えられているのに対し、肥満になると脂肪組織でM1型が増加し、そのことが肥満の時の炎症、ひいては、インスリン抵抗性の原因となると考えられている。<br>
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痩せた(正常)状態での脂肪組織に存在するマクロファージはほとんどがM2型で、脂肪組織内の炎症も抑えられているのに対し、<br>
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肥満になると脂肪組織でM1型が増加し、そのことが肥満の時の炎症、ひいては、インスリン抵抗性の原因となると考えられている。<br>
 
今回、東北大学大学院の医学系研究科糖尿病代謝内科学分野 片桐秀樹教授、東北大学学際科学フロンティア研究所高俊弘助教、東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野 博士大学院生(当時)鈴木亨氏らの研究グループは、肥満した脂肪細胞では、CHOPと呼ばれるタンパク質が増加することを見出した。<br>
 
今回、東北大学大学院の医学系研究科糖尿病代謝内科学分野 片桐秀樹教授、東北大学学際科学フロンティア研究所高俊弘助教、東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野 博士大学院生(当時)鈴木亨氏らの研究グループは、肥満した脂肪細胞では、CHOPと呼ばれるタンパク質が増加することを見出した。<br>
 
CHOPとは、細胞内でのタンパク質合成などが過剰になった細胞ストレス(小胞体ストレス)時に劇的に増加するタンパク質で、肥満状態の脂肪細胞でも増加している。<br>
 
CHOPとは、細胞内でのタンパク質合成などが過剰になった細胞ストレス(小胞体ストレス)時に劇的に増加するタンパク質で、肥満状態の脂肪細胞でも増加している。<br>
 
このCHOPを欠損したマウスでは、肥満すると脂肪組織のマクロファージは増えるが、それは M2 型が多いままで、その結果、インスリン抵抗性や糖尿病になりにくいことを明らかにした。<br>
 
このCHOPを欠損したマウスでは、肥満すると脂肪組織のマクロファージは増えるが、それは M2 型が多いままで、その結果、インスリン抵抗性や糖尿病になりにくいことを明らかにした。<br>
また、痩せた状態の脂肪細胞はマクロファージをM2型に誘導する物質(Th2 サイトカイン)を分泌しているが、肥満した脂肪細胞ではTh2サイトカインの産生・分泌が減少すること、さらに、CHOPを欠損した脂肪細胞ではこの産生減少が起こりにくいことを発見した。<br>
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また、痩せた状態の脂肪細胞はマクロファージをM2型に誘導する物質(Th2 サイトカイン)を分泌しているが、<br>
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肥満した脂肪細胞ではTh2サイトカインの産生・分泌が減少すること、さらに、CHOPを欠損した脂肪細胞ではこの産生減少が起こりにくいことを発見した。<br>
 
さらに、培養脂肪細胞に小胞体ストレスをかけると、CHOPが増加することでTh2サイトカインの産生が激減することを証明した。<br>
 
さらに、培養脂肪細胞に小胞体ストレスをかけると、CHOPが増加することでTh2サイトカインの産生が激減することを証明した。<br>
 
このことから、肥満⇒脂肪細胞の小胞体ストレス⇒CHOPの増加⇒Th2サイトカインの減少⇒脂肪組織M1マクロファージの増加⇒慢性の脂肪組織炎症⇒インスリン抵抗性⇒糖尿病とつながる機序が明らかとなり、これに関与する脂肪組織内での分子メカニズムが解明された。<br>
 
このことから、肥満⇒脂肪細胞の小胞体ストレス⇒CHOPの増加⇒Th2サイトカインの減少⇒脂肪組織M1マクロファージの増加⇒慢性の脂肪組織炎症⇒インスリン抵抗性⇒糖尿病とつながる機序が明らかとなり、これに関与する脂肪組織内での分子メカニズムが解明された。<br>
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[[Category:健康のニュース|ひまん]]  
 
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[[Category:身体|ひまん]]
 
[[Category:財経新聞|ひまん]]
 
[[Category:財経新聞|ひまん]]
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[[Category:あなたの健康百科編集部|ひまん]]

2017年6月16日 (金) 20:12時点における最新版

肥満

大人の半数が太り過ぎ OECDが肥満に関するデータと分析を発表 こども肥満
経済協力開発機構(OECD)は、5月20日の欧州肥満デーに合わせて「肥満に関するデータと分析」を発表。
OECD地域全体では、大人の2人に1人以上、子どもの6人に1人が太り過ぎ[体格指数(BMI)≧25㎏/m2]、または肥満(BMI≧30㎏/m2)で、15歳以上のおよそ5人に1人が肥満であったという。
肥満率の最多は米国の38%
OECDによると、肥満はこの5年間増え続けているが、それ以前と比べるとペースは落ち気味だという。
2015年、OECDに加盟している35カ国では、15歳以上の19.5%が肥満だった。
2015年に、OECD加盟35カ国のうち、15歳以上の肥満率が最も高かったのは米国の38.2%で、以下、メキシコ32.4%、ニュージーランド30.7%、ハンガリー30.0%と続いた。
逆に、最も低かったのは日本の3.7%で、その次は韓国の5.3%だ。
OECDの新たな試算によると、この肥満率は少なくとも2030年までは徐々に高まると見られている。
特に米国、メキシコ、現在6位の英国(イングランド)では、2030年にそれぞれ人口の47%、39%、35%が肥満になると試算されている。
また、教育水準または社会経済的地位が低い人ほど、太り過ぎまたは肥満になりやすく、その差は一般に女性の方が大きいようだ。
さらに、男性より女性の方が肥満の人は多い傾向にあるが、データが揃っているOECD加盟諸国を見ると、総じて男性の間で肥満が急速に増加しているという。
今回の肥満に関する報告では、OECD加盟諸国で導入されている新たな肥満対策も紹介されている。以下に、その取り組みの例を示す。
●食品のラベルを新しくして、表示を分かりやすくする
●果物や野菜を積極的に摂ることを推進するなど、国民の意識を高めるためにマスコミを使ったキャンペーンを実施する
●フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスや、スマートフォン用のアプリを利用した健康促進キャンペーンを実施する
●特に子ども向けの健康に悪そうな食べ物や甘い飲み物などのコマーシャルを、子どもが視聴する時間にテレビやラジオで放送することを規制する
OECDの試算では、この先十数年、肥満者数の減少は期待できそうにないが、こうした肥満対策に対する各国での地道な努力が実を結ぶことを期待したい。
〔あなたの健康百科編集部2017年06月09日〕

東北大が太ると血糖値が高くなることにつながる分子メカニズムを解明
肥満になると血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇する。
インスリン抵抗性は、肥満状態の脂肪組織に白血球の一種であるマクロファージが入り込み炎症を起こすことによって誘導されることが知られている。
マクロファージは、炎症を強める性質を持つ「M1型」と炎症を抑える性質を持つ「M2型」とに大別される。
痩せた(正常)状態での脂肪組織に存在するマクロファージはほとんどがM2型で、脂肪組織内の炎症も抑えられているのに対し、
肥満になると脂肪組織でM1型が増加し、そのことが肥満の時の炎症、ひいては、インスリン抵抗性の原因となると考えられている。
今回、東北大学大学院の医学系研究科糖尿病代謝内科学分野 片桐秀樹教授、東北大学学際科学フロンティア研究所高俊弘助教、東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野 博士大学院生(当時)鈴木亨氏らの研究グループは、肥満した脂肪細胞では、CHOPと呼ばれるタンパク質が増加することを見出した。
CHOPとは、細胞内でのタンパク質合成などが過剰になった細胞ストレス(小胞体ストレス)時に劇的に増加するタンパク質で、肥満状態の脂肪細胞でも増加している。
このCHOPを欠損したマウスでは、肥満すると脂肪組織のマクロファージは増えるが、それは M2 型が多いままで、その結果、インスリン抵抗性や糖尿病になりにくいことを明らかにした。
また、痩せた状態の脂肪細胞はマクロファージをM2型に誘導する物質(Th2 サイトカイン)を分泌しているが、
肥満した脂肪細胞ではTh2サイトカインの産生・分泌が減少すること、さらに、CHOPを欠損した脂肪細胞ではこの産生減少が起こりにくいことを発見した。
さらに、培養脂肪細胞に小胞体ストレスをかけると、CHOPが増加することでTh2サイトカインの産生が激減することを証明した。
このことから、肥満⇒脂肪細胞の小胞体ストレス⇒CHOPの増加⇒Th2サイトカインの減少⇒脂肪組織M1マクロファージの増加⇒慢性の脂肪組織炎症⇒インスリン抵抗性⇒糖尿病とつながる機序が明らかとなり、これに関与する脂肪組織内での分子メカニズムが解明された。
研究で解明された分子機序は、糖尿病・メタボリックシンドロームおよび動脈硬化に対する統合的な治療標的になるものとして期待されるという。
〔財経新聞(編集担当:慶尾六郎) 2017年3月17日〕

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