さめじまボンディングクリニック
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2017年3月25日 (土) 08:45時点における版
さめじまボンディングクリニック
所在地 | 〒360-0025 埼玉県熊谷市太井1681 |
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TEL | 048-526-1103 |
FAX | 048-526-1102 |
iiosan2@beige.ocn.ne.jp | |
幼い命 虐待から守る 妊婦に相談役 産院と行政 連携重要
未婚などを理由とした望まない妊娠の結果、多くの幼い命が虐待によって失われている現実を改善できるか。
厚生労働省が新たに乗り出す妊婦の支援事業に、専門家からは「一歩前進だが、さらなる環境整備が必要」との声が上がる。〈本文記事1面〉
「夫の子でないので、家に連れて帰ることができなかった」「悩んだが、殺すことを選んだ」。
2013年、兵庫県内のアパートで新生児の遺体が見つかった事件で、殺人などの罪に問われた30歳代の母親は、警察の調べに、当時の状況を振り返ったという。
起訴状などによると、母親が病院で女児を出産したのは06年。
約1週間で退院後、自宅には戻らず、公衆トイレで女児を絞殺したとされる。
入院先の病院は母親の言動を気にかけていたが、行政などの支援にはつながらず、事件を検証した大阪市の有識者会議は今年3月、望まない妊娠の場合に、医療機関と行政との連携強化の必要性を指摘した。
妊娠に悩む女性を支援している産婦人科医院「さめじまボンディングクリニック」(埼玉県熊谷市)には、経済的、精神的な面で出産に不安を抱える妊婦が毎月10人ほど訪れる。
児童相談所などと連携しながら支援するが、子供の生命が危ぶまれたケースも少なくない。
鮫島浩二院長は「望まない妊娠の場合、自治体に相談しにくいというケースが多いのは事実」と明かし、厚労省の新事業について、「これまで救えなかった母子を救う上で一歩前進だ」と評価する。
一方、産院の間には、生活などが不安定な妊婦の受け入れを敬遠する傾向もあるといい、鮫島院長は「事業を広めるには、リスクの高い妊婦を受け入れたら高く評価するような仕組みも必要だ」と指摘する。
人材の育成カギ(解説)
乳児の虐待死を防ぐための大きな課題は、虐待リスクを抱える妊婦の情報をいかに把握するかだ。厚労省のモデル事業は、こうした情報が集まりやすい産院などを支援の輪に組み込むことになり、これまで救えなかった命を救う効果が期待できる。
ただ、妊婦が抱える不安や問題は、経済的な困窮や未婚など様々で、虐待のリスクを見極めるのは簡単ではない。
実効性を高めるには、母の悩みを聞く豊富な経験と生活保護などの福祉制度を熟知する人材が必要となり、こうした人材を育成・確保できるかがカギとなる。
また、出産後の子供の成長過程でのケアも重要だ。出産直後の虐待死が減っても、それ以降の虐待死が増えては意味がない。厚労省には長期的な支援の充実が求められる。
〔◆平成28(2016)年8月29日 読売新聞 東京朝刊〕
特別養子縁組あっせん43件 産婦人科の協議会、3年で
女性がさまざまな事情で赤ちゃんを育てられない場合、必要に応じて養父母を紹介する「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」(本部・埼玉県熊谷市)は9日までに、2013年9月の発足から3年間で、特別養子縁組を43件あっせんしたと明らかにした。
協議会によると、相談してきた女性の中で110人が特別養子縁組を検討した。
うち43人があっせんを受け、34人は自分で養育することを選んだ。
他に、児童相談所に対応を任せたり、連絡が取れなくなったりした人が24人いた。
9人は、まだどうするかを決めていないという。
協議会は、熊谷市の産婦人科「さめじまボンディングクリニック」(鮫島浩二院長)を中心に設立され、現在は16道府県の医療機関22施設が参加。
妊娠に関する悩みの相談を受けるほか、特別養子縁組の支援を医療の一環として行う。謝礼や寄付金は受け取らない。
鮫島院長は「医療が福祉の分野に参入し、行政とも連携することで、児童虐待防止にもつながっている」としている。〔共同〕
〔◆平成28(2016)年9月9日 日本経済新聞 電子版〕