山梨県地域生活定着支援センター
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'''[年と罪を重ねて](3)支援体制 手いっぱい(連載)=山梨'''<br> | '''[年と罪を重ねて](3)支援体制 手いっぱい(連載)=山梨'''<br> | ||
'''◇生活保護受給 拒む高齢者も'''<br> | '''◇生活保護受給 拒む高齢者も'''<br> | ||
− | + | 「じゃーん、メリークリスマス! どうで、体調は?」<br> | |
+ | 刑務所を出た高齢者らの更生を支援する県地域生活定着支援センター(韮崎市)の白川邦夫さん(44)が、昨年のクリスマスにアパートのドアをノックすると、一人の男性が顔をのぞかせた。 <br> | ||
+ | 詐欺罪の刑期を終えて出所した後は、センターの支援を受けながらアパートで一人暮らしをしている。<br> | ||
+ | 白川さんが「これ、年越しそば」とカップ麺を手渡すと、受け取った男性は「31日に食べるよ」と顔をほころばせた。<br> | ||
全国の都道府県に設置されている地域生活定着支援センターは、出所した高齢者が一時的に生活する更生保護施設を探したり、住居や仕事の相談に乗ったりと、社会の中で更生できるように様々な支援を行う。<br> | 全国の都道府県に設置されている地域生活定着支援センターは、出所した高齢者が一時的に生活する更生保護施設を探したり、住居や仕事の相談に乗ったりと、社会の中で更生できるように様々な支援を行う。<br> | ||
山梨県のセンターは、県が設置して、社会福祉法人「八ヶ岳名水会」(北杜市)に運営を委託している。<br> | 山梨県のセンターは、県が設置して、社会福祉法人「八ヶ岳名水会」(北杜市)に運営を委託している。<br> | ||
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甲府地検の担当者は、「白川さんらは善意で頑張ってくれているが、高齢者の更生を支援する網はまだ十分ではない」と、支援体制の充実が必要だと訴える。<br> | 甲府地検の担当者は、「白川さんらは善意で頑張ってくれているが、高齢者の更生を支援する網はまだ十分ではない」と、支援体制の充実が必要だと訴える。<br> | ||
◇<br> | ◇<br> | ||
− | + | 出所した多くの高齢者が、生計のために受給しているのが生活保護だ。<br> | |
+ | 住む地域や世帯人数で金額は異なるが、甲府市で一人暮らしをする70歳の人には最大月約9万6000円が支給されている。<br> | ||
生活に困っている人でも、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるようにする最後のセーフティーネット(安全網)のはずの生活保護。<br> | 生活に困っている人でも、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるようにする最後のセーフティーネット(安全網)のはずの生活保護。<br> | ||
だが、生活のめどもなく出所した後、その網の目からもこぼれ落ちている高齢者がいる。<br> | だが、生活のめどもなく出所した後、その網の目からもこぼれ落ちている高齢者がいる。<br> | ||
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生活保護の受給の審査の際には、経済的に支えてくれる人が周囲におらず、生活保護しか方法がないことを確認するために、県や市は親族に連絡して調査する。<br> | 生活保護の受給の審査の際には、経済的に支えてくれる人が周囲におらず、生活保護しか方法がないことを確認するために、県や市は親族に連絡して調査する。<br> | ||
だが、この調査が、生活保護を申請する心理的なハードルになっていると指摘されている。<br> | だが、この調査が、生活保護を申請する心理的なハードルになっていると指摘されている。<br> | ||
− | + | 生活困窮者の支援を行うNPO法人「やまなしライフサポート」(甲府市)の中山八十司理事長(76)によると、<br> | |
+ | 出所後に路上で生活する高齢者に生活保護の申請を勧めると、「親族に連絡されて、今の自分の境遇を知られるのが嫌だ」と拒絶されたことがあるという。<br> | ||
中山理事長は「再び犯罪に走ることがないように見守るしかない」とため息をつく。<br> | 中山理事長は「再び犯罪に走ることがないように見守るしかない」とため息をつく。<br> | ||
生活保護を申請しようと決心しても、必ず受給できるわけではない。<br> | 生活保護を申請しようと決心しても、必ず受給できるわけではない。<br> | ||
県によると、2008年のリーマン・ショック以降、景気の悪化に伴って生活保護の支給額は増加。<br> | 県によると、2008年のリーマン・ショック以降、景気の悪化に伴って生活保護の支給額は増加。<br> | ||
09年度の県内の支給総額は75億円だったが、14年度には109億円にまで増えた。<br> | 09年度の県内の支給総額は75億円だったが、14年度には109億円にまで増えた。<br> | ||
− | + | 出所した高齢者を支援する弁護士によると、支給額を抑えるために、生活が苦しい高齢者が生活保護の相談に来ても、<br> | |
+ | 窓口の担当者がなるべく受給させないようにする「水際作戦」を行う県や市も全国にはあるという。<br> | ||
出所した高齢者が生活保護を受給できるようにするために、県弁護士会は16日、生活保護を担当する県や市の職員を集めた会合を開き、出所した高齢者の更生には生活保護が重要だと訴えた。<br> | 出所した高齢者が生活保護を受給できるようにするために、県弁護士会は16日、生活保護を担当する県や市の職員を集めた会合を開き、出所した高齢者の更生には生活保護が重要だと訴えた。<br> | ||
県弁護士会の松本成輔会長は、「支援が必要な人が窓口に来たら、生活保護を受給させるなど、更生のための対応をしてほしい」と呼びかけている。<br> | 県弁護士会の松本成輔会長は、「支援が必要な人が窓口に来たら、生活保護を受給させるなど、更生のための対応をしてほしい」と呼びかけている。<br> | ||
〔◆平成29(2017)年1月28日 読売新聞 東京朝刊〕 <br> | 〔◆平成29(2017)年1月28日 読売新聞 東京朝刊〕 <br> | ||
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2017年2月9日 (木) 09:01時点における版
山梨県地域生活定着支援センター
委託先 | 社会福祉法人八ヶ岳名水会 |
---|---|
所在地 | 山梨県韮崎市若宮1-2-50韮崎市民交流センター(ニコリ)3F |
TEL | 0551-45-7474 |
FAX |
[年と罪を重ねて](3)支援体制 手いっぱい(連載)=山梨
◇生活保護受給 拒む高齢者も
「じゃーん、メリークリスマス! どうで、体調は?」
刑務所を出た高齢者らの更生を支援する県地域生活定着支援センター(韮崎市)の白川邦夫さん(44)が、昨年のクリスマスにアパートのドアをノックすると、一人の男性が顔をのぞかせた。
詐欺罪の刑期を終えて出所した後は、センターの支援を受けながらアパートで一人暮らしをしている。
白川さんが「これ、年越しそば」とカップ麺を手渡すと、受け取った男性は「31日に食べるよ」と顔をほころばせた。
全国の都道府県に設置されている地域生活定着支援センターは、出所した高齢者が一時的に生活する更生保護施設を探したり、住居や仕事の相談に乗ったりと、社会の中で更生できるように様々な支援を行う。
山梨県のセンターは、県が設置して、社会福祉法人「八ヶ岳名水会」(北杜市)に運営を委託している。
現在、支援の対象は約50人。センター長の白川さんを含めた相談員3人が分担しているが、更生保護施設などから「姿が見えない」と連絡を受けて夜中でも捜しに行くこともあり、手いっぱいの忙しさだ。
甲府地検の担当者は、「白川さんらは善意で頑張ってくれているが、高齢者の更生を支援する網はまだ十分ではない」と、支援体制の充実が必要だと訴える。
◇
出所した多くの高齢者が、生計のために受給しているのが生活保護だ。
住む地域や世帯人数で金額は異なるが、甲府市で一人暮らしをする70歳の人には最大月約9万6000円が支給されている。
生活に困っている人でも、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるようにする最後のセーフティーネット(安全網)のはずの生活保護。
だが、生活のめどもなく出所した後、その網の目からもこぼれ落ちている高齢者がいる。
甲府刑務所の竹下文広教育専門官(54)は、出所後の生活を考えるグループワークを行っていた時、一人の高齢者の言葉に驚かされた。
「家が貧しかったので昔から盗みで生き延びてきたが、生活保護などという制度は知らない」「お金をもらって生活するなど、ひとさまに申し訳ない」--。
かたくなに受給を拒む男性は、竹下教育専門官から説得されると、やっと「刑期を務めながら考える」と答えたという。
生活保護の受給の審査の際には、経済的に支えてくれる人が周囲におらず、生活保護しか方法がないことを確認するために、県や市は親族に連絡して調査する。
だが、この調査が、生活保護を申請する心理的なハードルになっていると指摘されている。
生活困窮者の支援を行うNPO法人「やまなしライフサポート」(甲府市)の中山八十司理事長(76)によると、
出所後に路上で生活する高齢者に生活保護の申請を勧めると、「親族に連絡されて、今の自分の境遇を知られるのが嫌だ」と拒絶されたことがあるという。
中山理事長は「再び犯罪に走ることがないように見守るしかない」とため息をつく。
生活保護を申請しようと決心しても、必ず受給できるわけではない。
県によると、2008年のリーマン・ショック以降、景気の悪化に伴って生活保護の支給額は増加。
09年度の県内の支給総額は75億円だったが、14年度には109億円にまで増えた。
出所した高齢者を支援する弁護士によると、支給額を抑えるために、生活が苦しい高齢者が生活保護の相談に来ても、
窓口の担当者がなるべく受給させないようにする「水際作戦」を行う県や市も全国にはあるという。
出所した高齢者が生活保護を受給できるようにするために、県弁護士会は16日、生活保護を担当する県や市の職員を集めた会合を開き、出所した高齢者の更生には生活保護が重要だと訴えた。
県弁護士会の松本成輔会長は、「支援が必要な人が窓口に来たら、生活保護を受給させるなど、更生のための対応をしてほしい」と呼びかけている。
〔◆平成29(2017)年1月28日 読売新聞 東京朝刊〕