WAKUWAKUネットワーク
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− | + | 子どもに無料か低料金で食事を提供する子ども食堂を開設するためのノウハウなどをまとめた本「子ども食堂をつくろう! 人がつながる地域の居場所づくり」(明石書店)が、出版された。<br> | |
− | + | 著したのは、子ども食堂の草分け「要町あさやけ子ども食堂」(東京都豊島区)を運営するNPO法人。<br> | |
+ | 事務局長の天野敬子さん(57)は「子ども食堂の可能性を広げるヒントになれば」と話す。<br> | ||
+ | 本を出したNPO法人は、二〇一三年の「あさやけ」を皮切りに、区内で四つの子ども食堂を運営する豊島子どもWAKUWAKUネットワーク。<br> | ||
+ | 子ども食堂の開設方法を紹介する講座を開くとすぐ満席になり、全国から問い合わせや見学の依頼が舞い込むため、本にまとめた。<br> | ||
+ | Q&A形式で開設のノウハウを紹介したほか、子ども食堂に助成金を出す団体のリスト、開設時に保健所への届け出が必要かなど手続きに関しても載せた。<br> | ||
+ | WAKUWAKUの理事らによる座談会も掲載し、自治体の事業委託を受けることの是非や、利用者が増えすぎて本当に食事が必要な子が入れないジレンマなどを語り合っている。<br> | ||
+ | 子どもが自由に遊べるプレーパーク(冒険遊び場)や、学童保育の預かり時間後に小学生らが過ごす「夜の児童館」など、WAKUWAKUが取り組む他の事業にも触れ、さまざまなアプローチで子どもの貧困問題を解決しようとする強い思いが伝わる。天野さんは「私たちはおせっかいだから、どこまででも踏み込んでやりたくなってしまう」と笑う。<br> | ||
+ | 全国に約三百以上あるとみられる子ども食堂は「人がつながる地域の居場所であり、子ども支援の入り口になる」と指摘する。<br> | ||
+ | 「子ども食堂に決まった形はない。関わる人が、その地域のニーズをくみ取りながら運営してほしい」と促した。<br> | ||
+ | 本は四六判、百九十六ページ。千四百円(税別)。<br> | ||
'''普及後押し 全国ツアーも''' | '''普及後押し 全国ツアーも''' | ||
− | + | NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークなどでつくる実行委員会は先月下旬、子ども食堂を全国に広げるために、各地で講演会やシンポジウムを開く「広がれ、こども食堂の輪!」と題した全国ツアーをスタートさせた。<br> | |
− | + | 今後一年間で四十七都道府県での開催を目指し、運営ノウハウの共有や、関係者間のネットワークづくりを後押しする。<br> | |
+ | 東京都新宿区で九月二十八日にあったキックオフイベントでは、WAKUWAKU理事長の栗林知絵子さん(49)が「子どもへの支援を考えるきっかけにしたい」と趣旨を説明した。<br> | ||
+ | 超党派の国会議員でつくる「子どもの貧困対策推進議員連盟」のメンバーや、政府の担当者も出席した。<br> | ||
+ | 子ども食堂の運営者や支援者らによるパネルディスカッションもあり、各地の事例が報告された。<br> | ||
+ | NPO法人ちばこどもおうえんだん(千葉県)理事長の湯浅美和子さんは、市営住宅の集会所やカフェでの実践例を挙げ、子ども食堂の運営者から「支援が必要な子どもをどう見つけたらいいのか」という相談があると紹介した。<br> | ||
+ | 子ども食堂の名付け親で「気まぐれ八百屋 だんだん」(大田区)の近藤博子さんは「(子ども食堂は)子ども自身の自己肯定感を高める場にもなっている」と強調した。<br> | ||
+ | 全国ツアーは栃木県(十一月十六日)、千葉県(来年一月十五日)、茨城県(同二月二十二日)など十八カ所で開催する予定。<br> | ||
+ | 詳細は実行委(全国老人給食協力会内)=電03(5426)2547=へ。<br> | ||
+ | 〔◆平成28(2016)年10月22日 東京新聞 朝刊総合首都版〕 <br> | ||
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2016年11月30日 (水) 14:22時点における版
周辺ニュース
ページ名:WAKUWAKUネットワーク、パンくず(子ども食堂・フードバンク)
子ども食堂 もっと広めたい 草分け 都内のNPO開設のノウハウ 本に
子どもに無料か低料金で食事を提供する子ども食堂を開設するためのノウハウなどをまとめた本「子ども食堂をつくろう! 人がつながる地域の居場所づくり」(明石書店)が、出版された。
著したのは、子ども食堂の草分け「要町あさやけ子ども食堂」(東京都豊島区)を運営するNPO法人。
事務局長の天野敬子さん(57)は「子ども食堂の可能性を広げるヒントになれば」と話す。
本を出したNPO法人は、二〇一三年の「あさやけ」を皮切りに、区内で四つの子ども食堂を運営する豊島子どもWAKUWAKUネットワーク。
子ども食堂の開設方法を紹介する講座を開くとすぐ満席になり、全国から問い合わせや見学の依頼が舞い込むため、本にまとめた。
Q&A形式で開設のノウハウを紹介したほか、子ども食堂に助成金を出す団体のリスト、開設時に保健所への届け出が必要かなど手続きに関しても載せた。
WAKUWAKUの理事らによる座談会も掲載し、自治体の事業委託を受けることの是非や、利用者が増えすぎて本当に食事が必要な子が入れないジレンマなどを語り合っている。
子どもが自由に遊べるプレーパーク(冒険遊び場)や、学童保育の預かり時間後に小学生らが過ごす「夜の児童館」など、WAKUWAKUが取り組む他の事業にも触れ、さまざまなアプローチで子どもの貧困問題を解決しようとする強い思いが伝わる。天野さんは「私たちはおせっかいだから、どこまででも踏み込んでやりたくなってしまう」と笑う。
全国に約三百以上あるとみられる子ども食堂は「人がつながる地域の居場所であり、子ども支援の入り口になる」と指摘する。
「子ども食堂に決まった形はない。関わる人が、その地域のニーズをくみ取りながら運営してほしい」と促した。
本は四六判、百九十六ページ。千四百円(税別)。
普及後押し 全国ツアーも
NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークなどでつくる実行委員会は先月下旬、子ども食堂を全国に広げるために、各地で講演会やシンポジウムを開く「広がれ、こども食堂の輪!」と題した全国ツアーをスタートさせた。
今後一年間で四十七都道府県での開催を目指し、運営ノウハウの共有や、関係者間のネットワークづくりを後押しする。
東京都新宿区で九月二十八日にあったキックオフイベントでは、WAKUWAKU理事長の栗林知絵子さん(49)が「子どもへの支援を考えるきっかけにしたい」と趣旨を説明した。
超党派の国会議員でつくる「子どもの貧困対策推進議員連盟」のメンバーや、政府の担当者も出席した。
子ども食堂の運営者や支援者らによるパネルディスカッションもあり、各地の事例が報告された。
NPO法人ちばこどもおうえんだん(千葉県)理事長の湯浅美和子さんは、市営住宅の集会所やカフェでの実践例を挙げ、子ども食堂の運営者から「支援が必要な子どもをどう見つけたらいいのか」という相談があると紹介した。
子ども食堂の名付け親で「気まぐれ八百屋 だんだん」(大田区)の近藤博子さんは「(子ども食堂は)子ども自身の自己肯定感を高める場にもなっている」と強調した。
全国ツアーは栃木県(十一月十六日)、千葉県(来年一月十五日)、茨城県(同二月二十二日)など十八カ所で開催する予定。
詳細は実行委(全国老人給食協力会内)=電03(5426)2547=へ。
〔◆平成28(2016)年10月22日 東京新聞 朝刊総合首都版〕