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{{topicpath | [[メインページ]] > [[:About Us/不登校情報センター|About Us/不登校情報センター]] > [[:Category:支援者・講師等プロフィール|支援者・講師等プロフィール]] > [[:Category:不登校情報センター・五十田猛・論文とエッセイ|論文とエッセイ・五十田猛]]　> {{PAGENAME}} }} ==支援団体の案内書を配布すること== 〔2006年4月6日、『ひきコミ』第31号＝2006年4月号に掲載〕 <br> 2005年10月22日（土）の「ひきこもり」シンポジウムの席で、<br> Ｎさんは「１つの支援団体がいろいろなことに手を広げるよりも、お互いに紹介しあえる関係で各支援団体のできることを発展させるのはどうか」という主旨の発言をされていました。<br> これに関し、不登校情報センターが実施していることをお知らせいたします。<br> ====（１）不登校情報センターは情報の紹介者である==== 不登校情報センターは、他の支援団体に「紹介していく」ことをこれまで系統的に続けてきました。<br> というよりも10年前の設立は、紹介することを目的に設立したといってもいいでしょう。<br> その後、いくつかの変遷を経て、今日では「スクール・相談室案内書の発送サービス」という企画で定着し、継続しています。<br> 不登校情報センターには、いろいろな形で支援を求める側の人からの連絡が入ります（実は支援する側からも連絡があります）。<br> 連絡の身近な形ではフリースペースや親の会に参加する人、不登校や引きこもりの相談者、進路相談会などへの出席者、こういう人たちは対面的接触になる人たちです。<br> 対面に至らない電話相談の人も多くいます。<br> 文通誌『ひきコミ』の購入者と文通目的の手紙を交換する人もいます。<br> これらは対面でなくてもかなり事情がわかります。<br> こちらで編集している本の購入者もいます。<br> こうなるとつながりはあっても相手の状況はわかりません。<br> こういう不登校情報センターと関わりのある人で、名前や住所のわかる人たちは過去十年に2万人近くに達したと思います。<br> いま現在連絡できる人は、そのうち約8700人です。<br> これらの人たちは北海道から沖縄にまで広がっていますし、<br> 何しろ多数ですから、不登校情報センターの方法、力量でその支援を自己完結的に行なうことはできません。<br> それどころか一人の人に対しても自己完結型の支援はできないのかもしれません。<br> 当人の持っている潜在力があり、支援とはそれを引き出すことでしょうが、私たちはそのほんの一部のところに関われるだけです。<br> そこで他の支援団体の協力をお願いすることになります。<br> 当初の「紹介」だけから、私たちにも独自の対応力が少しついたところでの「紹介」です。<br> 前記の企画による「紹介」の方法は、おそらくNさんが予測している形とは大きく異なると思います。<br> 本人の同意なく個人名を他者に紹介するわけにはいきません（個人情報の保護）。<br> また支援者を選び決めるのは支援を受ける側の人です。<br> ある個人の状態を見て、私が特定の団体を紹介することは原則的にはありません。<br> 一般的に「病院に行ったらいい」「フリースクールはどうか」ということはあってもです。<br> またフリースクール等の案内書を多種保管していますから、そこから選んで連絡をとってみるようにすすめることもあります。<br> いずれにしても決めるのは当事者であり、私たちはそこまでの紹介者ということです。<br> この紹介方法の１つが、この「案内書発送」なのです。<br> ごらんのように有料ですが、送料と封筒などの材料費、作業費を合計した実費です。<br> ====（2）多くの相談者から寄せられる“その後”の情報==== 他団体に紹介した後の利用内容が、どのようになっているのかの全体像を把握しているわけではありません。<br> ある学校は毎年のようにこの企画に参加しますので、それなりにうまくつながっている面はあると思います。<br> 個別の事情として「○○さんは△△団体に行った、▽▽高校に入学した、××施設に入った」などのことをいろいろ聞かされます。<br> 数年経ってから、実は「○△案内書を見て、そこに行っていた」という報告をしてくれる人もいます。<br> しかしそれらは、個別的なことにとどまり全体的なことは把握していません。<br> 不登校情報センターとして、ある程度の状況がわかることもあります。<br> それは不登校や引きこもりの人の“その後の経過”です。<br> だいたいは家族（主に母親）が事情を書いて送ってくれます。<br> このような事情を知らせてくれる内容の多くは、学校復帰・再入学や仕事についたということです。<br> 親としての姿勢を変えることになった、子どもの引きこもりは続いているが対応のしかたがわかり家族関係がよくなったというものも少し入ります。<br> ときには当事者の死去を知らされることもあります。<br> こういう事情がわかることで、不登校や引きこもりの人の“その後”も推測できていきます。<br> 言葉をかえれば、他の支援団体への紹介の機会は、不登校情報センターにとっては関わってきた人のその後の様子の“調査”的要素をもつことなのです。<br> ====（3）支援機関・団体・学校の案内書・パンフレットの取り扱い==== さて、他の支援団体の案内書を不登校情報センターが預かり保管している件も、この紹介内容の1つです。<br> 郵送等の形で支援団体の取り組み内容の支援を求める人に伝えていたのですが、数年前からは、それを意図的に保管し、相談者に選んでもらうようにいます。<br> いまでは百を超える主に教育団体（学校やフリースクールなど）の案内書を預かり、その「保管団体一覧表」（「配布可能なスクール・相談室案内書リスト」）を作成して、随時配布し、注文のあった人に支援団体の案内書を送っています。<br> 同じことはインターネット（不登校情報センターのホームページ）にも掲示して同じ処理をしています。<br> これは“情報センター”の名称に似つかわしい取り組みだと考えているところです。<br> この保管配布料も廉価とはいえ有料です。貴重な運営費になっているのです。<br> ====（4）形式的でない情報の紹介をめざして==== おそらくNさんが予測したのは、支援団体同士でのより密接な関係によるお互いの紹介だと思います。<br> それは支援団体、支援者間の交流の積み重ねのなかで生まれるものだと思います。<br> 10月22日のシンポジウムの後での参加団体の交流はその1つの端緒ではないでしょうか。<br> より本格的には取り組み内容を深く交流し、お互いにそれを評価しあえる団体同士ではじめて“紹介”の実質ができるのだと思います。<br> そういう前提条件がないなかでの“紹介”は形式的なものになりやすく、支援を受ける（支援を生かす）側にとってもあまりいいものではない気がします。<br> 情報誌を発行するなど多くの支援団体と交流する立場にある機関や一種の業界団体が、このような条件づくりをする役を担うのではないでしょうか。<br> [[Category:不登校情報センター・五十田猛・論文とエッセイ|2006年04月]]

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