Job:靴デザイナー・靴製造工
靴デザイナー・靴製造工
〔2003年原本〕
靴は日用品であり、健康商品であり、ファッション用品です。
靴のデザインは、いくつかの特色があります。
①足の形は微妙な立体曲線で、平面設計図によって空間の判断力を必要とする。
②靴は左右一対で一足の商品であり、左右対象の判断を求められる。
③材料は皮革が多く、裁断のむだを出しやすい。
④ファッション性が高く、個人の好みを反映しやすい。
こうしたことがあいまって、靴デザイナーの仕事と靴製造の仕事は分離していないところもあります。
そして靴のオーダーメイドもふえてきています。
その一方で、靴は国際的輸出入の競争が強まり、コストを安く、品質をよくすることを迫られています。
また合成樹脂や合成皮革などの材料開発、製造工程の機械化がすすんでいます。
こうした社会的・技術的背景をとらえて、靴・履物の商品づくり(企画)を考えていく時代を迎えているようです。
靴製造工の仕事は、材料裁断、甲づくり(製甲)、底付け、仕上げの4つに大別されます。
大量生産の靴工場では、これが120~250ぐらいに細かく分かれて流れ作業になっています。
靴製造工は、これらを一つずつ(機械操作を含めて)マスターしていくのです。
靴製造工になるには靴製造メーカーに入ることです。
メーカーの下請け業者も多くあります。
マンツーマンで実地の技能伝授が多いようです。
職業訓練施設に製靴科のあるところは少ないので、メーカーに入るのが近道です。
靴製造工の労働は、製甲部門以外は立ち仕事になります。
騒音や振動のあるところも少なくありません。
〔給〕は大手メーカーで〔低〕、日給月給制や能率給も少なくありません。
全体として産業の近代化が遅れているようで、〔給〕の水準・仕組みなども含めて労働条件を向上させることも重要な点だと思います。
靴製造工・修理工の、半数近くが女性です。