Job:農業経営者
農業経営者
〔2003年原本〕
栽培型食糧農産物の生産者、販売者です。伝統的な職名は農民。より広い言い方は農業従事者になります。
日本の農業の中心は米作りで、多くの農業経営者はいまでも米作りを農業経営者の柱にしています。
春先から苗代作り、初夏の耕起、代掻き、田植え、その後の水管理、除草、追肥、防除、秋に稲刈り、乾燥、脱穀というのが
日本の多くの地域の米作り作業です。
直接の米作り作業のほかに、土作り(堆肥作り)、灌漑施設なども重要な農作業になります。いずれも相当に機械導入がすすんでいます。
農家は、米のほかにいろいろの農産物をつくっています。
麦類、豆類、芋類、野菜類、果実類、花卉類などです。
野菜栽培を中心にしている農業経営者もいます。
都市近郊の農家の多くはこのタイプになります。
椎茸など茸栽培を中心にしている農家もあります。
土壌の代わりに木が用いられ、山仕事になります(最近は洞窟の利用などもります)。
茸栽培は、林業も一部と分類されます。
果実を中心にしている農家は、たとえばみかん農家、りんご農家、ぶどう農家といわれます。
果樹農家ともいわれます。
果実はすでに輸入品との激しい競争になっています。
花卉中心の農家は経営スタイルによっては園芸農家といわれています。
都市近郊では比較的多い形です。
牛や馬や鶏など家畜・家禽を飼い、牛乳や食肉や卵を生産する農家は畜産農家といわれます。
このほか農業経営には栽培、生産するものの種類によっていろいろな形がありますし、また農業以外の職業との兼業農家の多数あります。
農業経営者は、農業後継者が多数ですが、農村地域の過疎化、後継者難のため、新規の農業従事者を自治体などで公募し、
支援・保護をはじめているところもでています。
都会での給与生活をやめ農業を始める人もいます。
農業改革のためにさまざまな試みがされています。
有機農業はその一つで、化学肥料や殺虫剤などによる薬づけ農産物の害を防ぎ、本来の味をとりもどそうとするものです。
農村生活全般の改革や、食糧輸入による国内農業の打撃を防ぎ、
食糧管理制度を守り、米以外の農産物の価格安定を図る制度面の取り組みも重要になっています。
全国農業経営者協会は、プロの農業経営者を育成するために、農業経営インターン制度を設けました。